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鉄塔武蔵野線
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『鉄塔武蔵野線』に投稿された感想・評価

中2の夏休み、深夜のブラウン管をザッピングしてる時にたまたま出会ってしまった。それ以来僕はどの映画が1番好きかと聞かれたら真っ先にこれを挙げ続けている。



小学校高学年の主人公、見晴が抱える自分を取り巻くものに関する複雑なやるせない心境、でもそれをまだ処理しきれずにただただ持て余してるだけのような状態を、映画初主演の伊藤淳史が青臭くもリアルな表現で完璧以上に演じていて最高。

夏休み、田舎、大人への階段というとノスタルジー映画としては役満、少年のバカ旅映画といえばそれも正解な訳ですが、それだけで片付けてしまうのはもったいないですよ。ホントに。



出会いと別れ、それとの折り合い、そういう人間の細かくて暴力的な機敏を、ただ悠然と佇む鉄塔が無言ながら半眼で見つめている。

鉄塔の下には見晴が居て、その奥には父が居る。足元の道はこれまでの沢山の不条理で出来ている。

こうなったら踏みしめて踏みにじって、とにかく前に進むしかない。立ち止まって飲み込まれる余裕なんてないのだから。



別になにかを解決したわけでもないし、状況が変わったわけでもないけど、与えられたルートではない一つの旅(だから旅行とは違う)を通して、自己とはなにかという部分に向き合い、折り合いをつけて生きていく準備を整えることはその先の(あらゆる形の)人生で起こる波乱を乗り越える上で重要な時期だ。

保健体育の教科書ではそのような期間をまとめて思春期と呼ぶ。この作品では少年の旅路を通してその成長が見事にパッケージされていく。

どうにもならない、正体さえわからない心を抱えながら鉄塔をひとつずつ追っていくこと、その先で沸き立つ情動やハプニング、そして遡っていく鉄塔の数々を通して、自分の気持ちの正体とも出会っていった見晴。

その姿はまさに中2当時のやんわりと鬱屈していた僕自身の代弁者であり、そして現実を変えるきっかけになるかもしれない理想像でもあった。鋭利なメッセージを突きつけられた夏の瞬間だった。

そして後に両親の仕事を継ぐことになる僕の一号鉄塔への旅がこの日始まった。
つん
4.0
真夏には「シャイニング」や「北の国から」が観たくなるわたし。
だけど「鉄塔武蔵野線」だけは別。
暑ければ暑いほど観たくなる。

この時代にしかない描写と、えもいわれぬ徒労感が唯一無二でくせになる。
ノスタルジーがすごいんだ。
子供の頃に受けた理不尽な扱いとか、そこはかとなく襲ってくる孤独感とか、当時の気持ちが胸に満タンになる。

もともと鉄塔や廃墟が好きなのもあって、西武安比奈線を廃線歩きした時のあの景色や空気感が感じられてくーっとなる。
若干まったりしたり、何も変化なく音楽のみの時間も長いのですが、忘れられないあの日の出来事が好きな人なら。
Nao
4.8
夏休み後半、見晴は両親の離婚により新学期から長崎に引っ越すことになるが、友達は旅行や田舎に行ってしまい、見晴は一人で遊んでいた。
見晴は小さい頃千葉に住んでいて、父から鉄塔の下にはパワーがあると知る。
見晴は鉄塔の下で「武蔵野線71」という看板を見つける。
電線を追いかけ隣の鉄塔まで走ると、そこには「武蔵野線70」の看板があり、更にフェンスを乗り越えると鉄塔は「69」。
見晴は、これらの鉄塔を辿っていけば「1号鉄塔」にたどり着くことを発見する。
見晴は、2つ年下の暁を誘い、2人は「1号鉄塔」を目指す。


色んな意味で衝撃を受けた。
自分の小学生時代の姿を投影しているようだった。
見晴程遠くには行ったことはないけれど、あそこには何があるんだろうとか、どうなってるんだろうという当時の気持ちは全く一緒だった。
自転車でとにかく色んなところに行った記憶が鮮明に蘇った。
ずっと忘れたくない気持ちをそのまま映像に残してくれたようだった。
大人への一歩はこんなことがきっかけで始まるんだろう。
鉄塔の先がどうなってるかただ知りたいだけなのに。
親を心配させてまでしてとにかく正体を探りたい。
それ以上でもそれ以下でもない。
それを確かめたら終わってしまう旅なのに。
ただそれだけで満たされる心。
この頃にしか絶対に感じることが出来ないのだろう。
大人になってからは感じることが出来ないであろうと思うからこんな冒険が美化される。
でもそれが良いし、それが大切なんだ。
最近の伊藤淳史しか知らないから、子役時代の彼(小6くらい)を見ると本当に時の流れの残酷さや切なさ、寂しさを感じられる。
もう子供じゃないんだ、もう戻れないんだ、もうあんなにも燃えたぎる感情は湧かないだろうと無意識に悟る。
永遠に心に留めて置きたい作品になった。

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