🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-551 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋悪党の上には上がいるんですね！！最後はトンビですか（笑）！！欲に狂う人間心理をギラリと描いた今村昌平の野心作です。６千万円分のモルヒネを掘り出すために欲望に駆られた男女が苦闘を繰り広げていきます。そんな物語、笑いとスリルが交錯する素晴らしいエンタメ性を魅せてくれる作品です。

🖋️先ずは5人の悪党のキャスティングが最高！！渡辺美佐子、殿山泰司、西村晃、小沢昭一、加藤武それぞれが皆んな何が一物を持ってチームなのに牽制しあっているのが良いですね。。。そしてその悪党の上手をいく高品格、良い味を出しています。さらに物語の合間に挿入される優柔不断な長門裕之の恋物語もアクセント。あと、『男はつらいよ』のおばちゃん役、三崎千恵子や芦田伸介の若い頃が見れるのもグッド。やっぱり芦田伸介は刑事役なんですね（笑）。

🖋️本作で、1958年度ブルーリボン賞助演女優賞(渡辺美佐子)、新人賞(今村昌平）を受賞しました！！面白い！！

😨Story:（参考: Amazon）
8月15日、終戦記念日-ある駅のホーム。五人の奇妙な人物が集った。彼等の目的は戦時中に軍医がこの町の防空壕に埋めた時価6千万円のモルヒネ。軍医と従兵3人は十年後のこの日に掘り出して山分けすることを約束したのだった。しかし、集まったのは従兵と言い張る4人と軍医の妹と称する女の計5人。約束より1人余計だった。モルヒネのために協力しあうことにした一同だったが、モルヒネがあるはずの防空壕の上には店が建っていた・・・・

🔸Database🔸
・邦題 :『果しなき欲望』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1958
・日本公開: 1958/11/19
・上映時間: 100分
・受賞 : ※※※
・監督 : 今村 昌平
・脚本 : 今村昌平、鈴木敏郎
・原作 : 藤原審爾
・撮影 : 姫田真佐久
・音楽 : 黛敏郎
・出演 : 長門裕之、中原早苗、渡辺美佐子、殿山泰司、西村晃、小沢昭一、加藤武

🔸Overview （映画. com）🔸
時価六千万円のモルヒネ発掘をめぐって、欲につかれた人間の醜さ滑稽さを描くスリラー・コメディ。オール読物所載藤原審爾の原作を、鈴木敏郎・今村昌平が脚色、「西銀座駅前」の今村昌平が監督した。撮影は「赤い波止場」の姫田真佐久。「続　夫婦百景」の長門裕之・中原早苗に、渡辺美佐子・西村晃・小沢昭一らが出演。

本作は私がこれまで観て来た今村昌平の作品の中で一番楽しめました。
観客を変に考えさせないエンタメ性の高い作風で「こういうのも出来るんじゃん」と思わせてくれました。彼はその後良くも悪くもドンドンコンガラガッテ行ったのがこれを観ると良く解ります。

終戦直後に軍からクスねて地中に埋めておいたモルヒネを掘り出し一儲けを企む男四人女一人の話。
欲の皮が突っ張っているというのはこういう面々のこと。
殿山泰司、加藤武、西村晃、小沢昭一、渡辺美佐子。皆んな若くてエネルギッシュ！
五人にトンネルを掘らせて土まみれにした彼等の表情が一癖も二癖もあって見事。
力を合わせてやってるわけではなく互いの欲で取り敢えず繋がっている人間模様を土臭いトンネル内に展開させた。
最後の落としも如何にも今村らしい。
人間の強欲をコメディタッチで描いたこれぞ正しく重喜劇でした。

今村昌平監督作品。めっちゃ面白かったです。簡単に言うと、終戦日に埋めた6000万にもなるモルヒネを掘り出す5人の話なんですが、本当にこれだけの単純なストーリーにもかかわらず見応えがあって、穴掘りの様子だとかサスペンスも意外としっかりしてて驚きました。「穴」という脱獄をテーマにした本当に穴を掘るだけのような傑作映画があるのですが、それに近いものを感じましたね。ということはすなわち、穴掘りって単純に観てるだけでけっこう面白いんだなと思いました。個人的には悟とリュウ子の中学生のような恋模様もけっこう好きだった。あと、志麻役を演じた渡辺美佐子さんが色気があってとても綺麗でした。