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シークレット・サンシャイン

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シークレット・サンシャインが配信されているサービス詳細

Hulu

シークレット・サンシャイン

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TSUTAYA DISCAS

シークレット・サンシャイン

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シークレット・サンシャインの作品紹介

シークレット・サンシャインのあらすじ

シネは事故で亡くなった夫の故郷で再出発するため、息子とソウルからミリャン(密陽)に引っ越して来る。車が途中で故障し、レッカー車を呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャンが現れた。彼の好意でシネはピアノ教室を開き、順調に新生活を送っていたが、ある日息子が誘拐され…。

シークレット・サンシャインの監督

イ・チャンドン

原題
밀양/SECRET SUNSHINE
製作年
2007年
製作国・地域
韓国
上映時間
142分
ジャンル
ドラマクライム

『シークレット・サンシャイン』に投稿された感想・評価

〝虫を飼いながら、それでも生きていく〟

最初に言っておく。正直、心が不安定になってる方(特にお子さんを亡くされた方)にはお勧めはできない。でも、俺はこの作品、どちゃくそに大好きだ。解釈できないと普通にキツい、尖ったヤツとは思う。

原作は、李清俊という作家が1985年に書いた「虫の話」という短編だ。

もとになった事件がある。1983年、誘拐され殺された子どもがいた。犯人の死刑が執行された翌日、新聞各紙が報じた。男は拘置所の教会で洗礼を受け、信仰の道に導いてくれた神に感謝する、と言い残していた。

それを読んだ作家が、この小説を書いた。

面白いのは、この小説に虫が一度も出てこないことだ。

イ・チャンドンがそれを映画にしたのが『シークレット・サンシャイン』。原題は「密陽」。物語の舞台の地名であり、密(ひそか)と陽(ひかり)と書く。

原作では、語り手は夫だ。妻が壊れていくのを、そばで見ている。信仰へ導くのは執事という別の人物になる。

映画のジョンチャンは、下心があるようにも見えるし、忠実な従者のようにも見える。その両方が同時に成立してしまうのが、ソン・ガンホという役者だ。

穏やかな空。都会から離れた、静かな町並み。

夫を事故で亡くしたシネが、息子のジュンを連れて密陽にやってくる。夫の故郷だ。

途中で車が壊れて、修理工のジョンチャンが来る。この男が、ここから最後までずっと彼女のそばにいる。

ピアノ教室を開いて、少しずつ町に馴染んでいく。ただシネは、見栄を張って嘘をつく。土地を買う金がある、と。

薬局のおばちゃんに教会へ誘われる場面がある。信じてませんから、と断るシネに、彼女が言う。

「先生は、目に見えるものだけ信じるのね。じゃあ見えないものは?」

このやり取りが、あとで効いてくる。

ジュンには癖があった。死んだ父のイビキを真似て、寝たふりをする。父を思い出すときの、彼なりのやり方だ。

ある夜、家に帰るとジュンがいない。

すぐに電話が鳴る。金を出せ、と男の声がする。

言われた通りに銀行から金を下ろし、指定された場所に置く。

ジュンは帰ってこない。

そして、川辺で見つかる。

犯人は、ジュンが通っていた塾の院長だった。土地を買う金があるという噂を、真に受けていた。

シネの嘘が、息子を殺した。

「お前のせいだ」とジュンの祖母に言われる。涙も出ないのか、と。

街を彷徨っていたシネは、祈祷会に流れ着く。信仰を選んだというより、行き着いてしまった。

そこで泣き叫び、救われたと感じる。

ここからのシネは人が変わったように穏やかだ。笑うようになる。祈るようになる。神の愛を語るようになる。

そして決める。

神が自分を赦してくれたのだから、自分も犯人を赦そう。

周りは止める。それでも摘んだ花束を抱えて刑務所へ行く。彼女なりの覚悟だった。

面会室のガラス越しに現れた男は、何故か穏やかな顔をしていた。

自分はここで神と出会いました。神様はもう私の罪を赦してくださいました。今の私の心は平和です。

信仰を見つけたと言う犯人。シネが赦す前に、この男はすでに赦されていた。

しかも同じ神に。

彼女の悲しみも、怒りも、赦す権利も、全部が頭越しに処理されていた。

刑務所を出て、シネは立ち尽くし、倒れる。

病院から帰った家で、息子の発表会の録音を聴く。

もう会えない人に触れる方法が、それしかなかった。

教会へ行って、テーブルを叩く。まだ言葉にならない。

家に教会の人たちが集まってくる。彼女を励ますための祈りの集まりだ。

そのキッチンに、ミミズが出る。

シネが叫ぶ。

最初は、ただ驚いた声だった。

その声が、自分の内側でこだまするように響いて、悲しみの叫びに変わっていく。

ここは意味が深い。

こだまするということは、そこが空洞だということだ。

原作に一度も出てこなかった虫が、ここで出てくる。

彼女は、自分の欠落に気づいてしまった。

〝虫〟とは、憎しみであり、悲しみであり、行き場のない感情だ。

住み着いて、内側から喰らう。

そうやって空いた穴は、簡単には塞がらない。

ここから反逆が始まる。

万引きをする。

教会の集会に忍び込んで、盗んだCDをかける。

キム・チュジャの「嘘だよ」。1971年の曲だ。

嘘だよ 嘘だよ 愛も嘘 笑いも嘘。それが延々と繰り返される。

スピーカーを止めようと必死になる信者たちを嘲笑うように、軽快なリズムで流れ続ける。

自分の言葉では言わない。歌が代わりに叫んでいる。

この曲、1975年に放送禁止になっている。「嘘だ」と繰り返すことが不信を助長するという理由で。歌ったキム・チュジャ本人が連行されたこともあったらしい。

言うことを許されなかった言葉を、彼女がボリュームを上げ、再生ボタンで解き放っている。

ピアノを教えていた女が、音楽を武器にしている。

自分を教会へ引き入れた張本人、カン長老を誘惑する。薬局のおばはんの夫で、教会でも立場のある男だ。

そのたびに空を見上げて、見えてるのか、と挑発する。

物を盗み、窓に石を投げる。

罪を犯しては、空を見上げる。

神がいない証拠を集めている。目に見えないものを信じたら、こうなった。だからもう一度、本当にあるかを確かめようとしている。

町の人から見れば、ただの狂った女だ。

だけど、観客だけが、その穴を見ている。いつ空いて、何度食い破られて、彼女がどう塞ごうとして裏切られたのかを、全部見ている。だから彼女の行動には筋が通っている。

イ・チャンドンらしさだ。
『オアシス』もそうだった。

そして彼女は、リンゴを食べ、そのナイフで、自分の手首を切る。

血を流しながら街へ飛び出して、助けてと嘆く。

『オアシス』で男が切ったのは木の枝だった。ただ彼女が怖がっていた影を消すために。それを、街の人からは気が狂った奴だと思われる。観客はそこに本当の愛を見る。

こちらで切られるのは、自分の手首だ。内側にあった穴が、初めて外に出てくる。

原作の妻は、このあと薬を飲む。夫にも、最後まで世話をしてくれた人にも、遺書ひとつ残さずに。

穴が、全部になってしまった。

映画は違う。

退院したシネが髪を切りに行く。その美容院の店員が、犯人の娘だった。

なんでよりによってここなの!と怒って、髪を切っている途中なのに飛び出す。

あの顔を見ると思い出すのだ。

穴は塞がっていない。

その帰り道、洋品店の女に会う。かつてシネが余計なことを言った、気まずい相手だ。その女が本音をこぼして、二人で笑う。

ここがポイント。

神も、信仰も、赦しも関係ない。ただ人間同士が、本音を言って普通に笑っている。

それから、家に帰って、庭に鏡を立てて、自分で髪を切り始める。

三つ目の、切る。

木でも、手首でもなく、伸びた髪。

生きているから伸びる。だから切る。生活の側の行為に戻っている。

そこにジョンチャンが来る。この男は何も解決しない。気の利いたことも言えない。ただずっと見ていて、そばにいた。

やることは、鏡を持つことだけだ。

鏡は光を反射する。天から降ってこない光を、人が手で持って、彼女に向けている。

そして鏡には、自分が映る。

ずっと誰かを真似てきた女だった。亡き夫を真似る息子を真似、誰かの信じた神を信じてみたりした。他人の姿をなぞることでしか、失ったものに触れられなかった。

その彼女が、初めて自分を見ている。

一人では見られない。持ってくれる人間がいるから、自分がよく見えるし、うまく切ることができる。

他の誰かがいるから、自分だけじゃ見えない部分も見えたりするものだ。

切った髪が地面に落ちる。カメラがゆっくりと庭の隅の泥に射している光を映して、終わる。

何ひとつ解決していない。息子は帰ってこないし、犯人は今も穏やかな顔をしている。しかも、その娘は同じ町で働いている。

穴は塞がらない。

でも髪は伸びる。だから切る。

『シークレット・サンシャイン』

タイトルの意味を、見ながらずっと考えていたけれど、それは愚問だったかな。

意味を探すことこそ、彼女がずっとやって裏切られてきたことだから。

(なんだかバーニングに繋がるね)

キッチンで虫を、ミミズを見つける出来事。

これは、原作にない。

なんで、見つけることができたのか。

それを考えることが、タイトルの意味を考えること。

ん〜〜〜、俺の解釈なんだけどさ、

あえて言うなら〝虫〟の対極にあるもの。

その、ずっと遠くにあるもの。

穴さえも、照らすもの。

穴があるから、眩しく見えるもの。

それをイ・チャンドンはタイトルにした。

すげーよマジこの人。

食い破られた穴に、今確かに、密かな陽光が射している。

〝人は心に虫を飼いながら、それでも生きていかなくちゃならない〟

俺には、そう聞こえました。

【追記】

このシーン、女優さんの演技凄まじいから是非観てみて欲しい。
2020年50作目

チョン・ドヨンの顔が変わる演技。

チョン・ドヨンの演技がとにかくすごい。
本当に同一人物かってくらい顔が
坂井真紀からいとうあさこくらいの振り幅ある。

1番印象に残ったのは面会のシーンで、
自分が死ぬほど苦しみ悩んで絞り出した“許し”。
本来それは罪を犯して苦しんでいる人間に向けて、
救済として与え、与えられるものだったばす。

しかし、目の前には既に神に許されている犯人。
このときの何とも言えない感情。
怒りなのか悲しみなのか憎しみなのか悔しさなのか、
何とも表現出来ない新しい感情が、
そこには映っていました。

ドッと疲れますが素晴らしい映画でした。
Lily
4.0
・キリスト教 信者体験 ツアーの余韻
・赦しとは 神からでなく 心から
・笑ったよ 信者反抗 嘘の曲
・密陽へ 移住人口 増えたかな
・ソンガンホ 好きじゃないけど 安心感
・キリスト教 入信効果 如何程か
・無宗教 立派な宗教 確信犯
・言動は 別の自分が 見ているよ
・罪と罰 均衡次第 復活へ

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