『われ一粒の麦なれど』(1964)初鑑賞@シネ・ヌーヴォ。小児麻痺撲滅に奔走した男の話。上田哲がモデルで小林桂樹が演じる。狂ったようなバイタリティの持ち主で私生活は喜劇調。その軽妙さと深刻さのメリハリが凄い。人道的な熱い問いかけには時代の空気と共に松山善三イズムを感じる。

2017年10月鑑賞

小児麻痺という現代だったら映画化は無理であろうテーマに挑んだ松山善三監督作。最初は偽善的だなと思っていたが意外にもコミカルで物語がすすむうちにサスペンス調熱血ジャンルに変わり、ヒロイン高峰秀子の弟役大辻司郎に「あなたに僕たちを救うことはできない！」と目をかっぴらいて言われるものだから迫力に負けた。そしてどこか熱血さが違う方向にいきかけた小林桂樹に「おまえもキチガイの素質があるぞ！」と言われんばかりにのめり込んで観てしまった、、大辻司郎は「足にさわった女」しかりヒロインの弟役多い気がするのは気のせいか、、
熱い人道的呼びかけは時代の空気感と相まって観るものの心を熱くする。善三イズムに胸熱。

• #2019〜

テーマに対してどこまで深く掘り下げるべきなのかを考え抜いたうえで出来た作品に違いない。
圧倒される様な箇所もあり、テンポよくコミカルなところもあり、いろいろ織り交ぜてあったのだけれど、なんでこうも深く突き刺さるのだろう。
松山善三監督の作品のいくつかに触れる大きなチャンスだったが、忙しくこの作品のみしか観る事が出来なかったが、より深い再会が今後必ずあるはずだ！
見捨てないぜ！