白い野獣の作品情報・感想・評価

「白い野獣」に投稿された感想・評価

mat9215

mat9215の感想・評価

3.0
女(中北千枝子)の過去の過ちを心の底では許せない復員兵(岡田英次)というエピソードは、小津の『風の中の雌鶏』と同じ。そして、中北千枝子の代わりに三浦光子が階段を転げ落ちる。全般に因果応報の教訓話の仕立ての中で、だらしない岡田英次とそれを振り切れない中北千枝子の絡みの場面の成瀬っぽさにほっとする。また、三浦光子も印象的。だらしなくベッドに横たわったり、山村聰を誘惑したり、全身での熱演が見物。巡回に来て偉そうに高説を垂れるおっさんに対して声を上げる場面では、「よくやった」と快哉を叫びそうになった。
ENDO

ENDOの感想・評価

3.8
成瀬の社会道徳をテーマにした話は頭でっかち。梅毒が社会問題になるほど流行していた1950年公開の映画。戦後貧困による風紀の乱れにより街娼が増加。検挙された後に女子更生施設に送り込まれる。白百合寮には寮長の山村聰と医師の飯野公子が恋人ではないが密かにお互いを想っているようだが、二人は仕事を愛していて踏み込まずにいる。三浦光子は高慢、発症してことの重要性を理解する。北林谷榮がホラー演技。気が狂って情夫たちの名前を叫んで絶命する。千石規子が蓮っ葉で素敵。セクシーさを演出するのは相変わらず微妙。ラスト、山村・飯野が朝焼けを眺める三浦を愛おしそうに見つめながら喫む煙草が美味そうなのでした。中北千枝子が可憐で岡田英次と地獄を展開させていて改心して幸せになってほしいと願わずにはいられなかった。遠い目。
素行不良な女性たち(ほとんどが売春婦、パンパン)を更生させるための寮があって、そこで暮らす女性たちのドラマ

主人公は三浦光子、ケバいお姉さん
自分が好きでやってる、自分の体をどうしようが自分の勝手でしょ?誰に迷惑かけてるのよ?こうせいあーせいとかチャンチャラおかしいわ!ってナメた態度を取りまくる
自分が汚れてるとかみじめなんて少しも思っていない、貞操とか古い観念押し付けないで!って考え

そんな三浦光子も最後は改心します
実は梅毒に感染していて、そこで初めて身も心も汚れていたことに気づく
仲間が梅毒によって狂死したのも見てるから恐怖と絶望を味わう

つまり後悔先に立たず、清く正しく生きることの大切さを伝えるお話

寮生のメンバー紹介
北林谷栄はボス的存在、何かと三浦光子と対立する
元従軍慰安婦とかで年季が違いますw 今回はいつものおばあちゃん役ではないけどおばちゃんw枯れたおばちゃん
その北林谷栄の相方として千石規子がいます、このビッチ2人のインパクトが凄い、絶対更生なんかしなさそうな染まり具合
やさぐれた寮生ばっかりの中で真面目なのは中北千枝子と木匠くみ子
中北千枝子は真面目に働くし梅毒も完治したんだけど、恋人岡田英次が復員して訪ねて来たことで色々と悩む
木匠くみ子は三浦光子と同日入所して来た女の子、実は妊娠しており産む決心をする
こういう大人しい木匠くみ子って初めて見た、顔つき的にも気の強い役のほうがイメージに合ってる

その他でメインとなるのは寮長先生の山村聰と女医の飯野公子
山村聰は終始いい人、なんの裏もなく下心もない
三浦光子が発情した猫のように誘惑して来ても耐えきる

そして飯野公子、初めて見たけどなかなか印象に残る好演
清楚でいやみがなくて、なんかイメージ的には高峰三枝子
気になって調べてみたけど出演作数本しかない、んーーなんか残念
共演の木匠くみ子と同期のニューフェイスらしい
いい役もらってるし期待されてたんだろうに、なんでまた短期間で消えてしまったのか気になるわー
成瀬監督の掘り出し物的傑作。

とにかく三浦充子が素晴らしい!清々しいまでの美しいふかしシーンに素手で窓ガラスを割るファンキーな主人公。私は汚れてなんていないんだよ、と何度も唱える姿に狂気を覚える…自分の髪をひっぱりながら苦悶するシーンの迫力もすごい。
またステキな女優に出会ってしまった。

パン助更生施設にて繰り広げられる女の園。髪のひっぱりあいや顔のまげ合いが繰り広げられる女喧嘩はなかなか楽しい。(楽しむな)

キチガイに成り果てた娼婦の恐ろしさが凄まじかった…昨今、梅毒についてはインバウンド需要の増加により再び流行ってるらしいけれど、こんなに恐ろしいとは!この作品を梅毒予防強化DVDとかにしてしっかり教育すべき。

女だらけの世界は色々あるけれど、やっぱり惹かれるし好きだな。
繊細で強くてはかない。溝口好きにはハマりそうな作品。
cocoon

cocoonの感想・評価

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いくら許せなかったとは言え生活のために身を売った彼女にあんなひどい一言絶対に言えないですよね。
性病の 影響で精神異常になってしまった女性が恐すぎた😢顔付きがもう ホラー😨
たなか

たなかの感想・評価

4.5
梅毒と売春ってのは戦直後かなり深刻な問題だったんだなと都度思います
北林谷栄がまだおばあちゃんじゃない笑

成瀬作品で街描写が少ない珍しい作品だった(テーマが治療支援施設についてだからまあ当然ちゃ当然なんだが)
売春婦更正女子寮(安易に白百合寮)だけど品がよすぎるんじゃないかと思ったら、宝塚の麗人のような女医さんへのユリにドキドキし、年相応役の北林谷栄の怪演・キャットファイトを経て岡田英次のゲスっぷりが引き出されて安心する。若干説教くさくはあるものの、教条主義的なものではなく寮長の山村聰の自戒なども含めて、押しつけがましくなく女性たちの変化を描いているのでよかった。