眼帯

季節の移り変わりと共に生まれ変わっていく中年男性の姿を描いた心温まる再生の物語

吹奏楽

人間模様

学生たち
みんなそれぞれの話です

家族
ロマンスあり

ホッコリ
落ち着いた雰囲気

チェ・ミンシクの感じが良かったです

交響楽団に憧れる中年男性が、夢破れて小さな炭鉱町にある中学校で吹奏楽部の指導者として働く事になるという話。

チェ・ミンシクの、目を細めて擦りながら煙草を吸う姿が堪らなく好きなんだけども、今作ではその煙草を指揮棒に変えてやんちゃな生徒達を指導する。
彼の指揮者姿が観れるのはこの映画だけ！

「オールド・ボーイ」しかり「悪魔をみた」しかり、心底クズな役が似合うチェ氏だが、この映画では、子供達に振り回され、母親からは世話を焼かれて、恋人には振られるという情けない中年のおっさんを演じている。
呆れる程のクズでも無く、男としての格好良さも感じられないという、魅力をほぼ封印した演技なのだが、キワモノばかり演じてきた彼の箸休め的演技としても、あえて普通を演じているとしても、それはそれで普段とは違う魅力とも言える。
むしろ普通の人を演じるのは心底難しいのかもしれない。
鍋からラーメンを食べる所なんかは普通の事なんだけど、物凄く美味しそうに見えたりして。

物語は、子供達との関わりや薬局の美しい女性との交流、母との親子水入らずなシーンなど淡々としているが、二度ほどある演奏シーンは素晴らしい。
雨降る炭鉱で「威風堂々」を奏でるシーン、コンクールのまさに堂々たる態度で挑む演奏は否応なしに心を動かす。

猟奇的な題材でばかりで氏を目にする事が多いが、この映画を観て至極真っ当な普通の人を演じている所にギャップを感じれて良かった。

ミンシク氏主演なのにレビュー少ないなぁ。

プロ奏者の夢破れ生活のため吹奏楽部指導者となった中年男。赴任した炭鉱町の男子ばかりの吹奏楽部は廃部寸前。

夢追う年齢を過ぎ中年になった男の再起ヒューマンドラマと弱小部活奮闘青春ムービーの2要素がきちんと収まるも、前者の割合が多かったかな。
個人的には男子ばかりの吹奏楽部って結構面白い題材だし、生徒と共に奮闘する青春劇の方がメインであって欲しかったな。

それなりに心温まる良き作品でした。
ブレイク直前くらいのキム・ガンウが脇役で出てる！と思ったらさらにオ・ダルスも脇役で登場！さらにミンシク氏の母親役で今をときめくアカデミー女優ユン・ヨジョンも出演。

吹奏楽部員は主要キャストの数名を除き現地の実際の中学校の吹奏楽部員なんだとか。