『スリング・ブレイド』
原題Sling Blade.
製作年1996年。上映時間134分。

精神病院帰りの知的障害の殺人犯と少年の心の交流を、味わい深いタッチで描いた米国映画。

遅咲きの性格俳優ビリー・ボブ・ソーントンが、アルバイトをしながら演技を学んでいた時期に書いたシナリオを映画化。
母親の浮気現場を目撃し、母とその相手を殺害した知的障害者のカール。25年間の精神病院生活を終え、故郷の町に帰ってきた彼は、そこで父親のいないフランクという少年と親しくなる。
だが少年の母親が恋人の暴力に悩んでいる姿を見た時、彼の中である決意が芽生える。。。

本作品は、カールとフランクの交流を中心軸に据えながら～の、愛情を与えられんで育った男が、人の温かみを知ることでみずからの罪に気づき、罪の重さと向き合ってゆく過程てのを丁寧に描いているかな。
子どもの頃、母ちゃんから聖書を読み聞かされることを日課としていたカールは、殺人を犯して施設に収容されたのち、初めて自発的に聖書を手にし、両親が自分に教えたことの欺瞞を理解する。
カールのなかで芽生えた
『正義』てのは、 彼と彼の愛する人たちにやがて訪れるであろう不幸を前にして、またいずれ暴力という形をともなって現れるのではないかという不安を観る側に喚起させる。
ほんで、その不安は迫りくる
『悪意』から母親を守ろうとする少年フランクの瞳にも不穏な翳りをまとわせる。
巧いなぁ脚本が。
この宙づりの緊張感てのは、カールやフランクの優しさが表面化すればするほど、観る側の胸を締めつけるような高まりを見(魅)せてくれた。
そのピーンとはった緊張が最高潮に達するクライマックスを経て、 訪れる本作品のラストは、重い結末やけど、同時に不思議な清々しさをも感じさせてくれました。
それってのは聖書が説く　
『正義』や
『悪意』を乗り越えた主人公だけが背負うことの出来る新たな罪の形ゆえなんやろかなぁ。。。

知的障害者の主人公カールと少年フランクの心の交流のドラマも良いが、普段は穏やかな優しいカールの垣間見える狂気が怖い。特に最初の精神病院に収容されるまでの経緯を語るシーンの緊張感がエグい。フライドポテトが食べたくなる。

「外の世界は広すぎる」知的障害をもった主人公は幼い頃に母親と愛人を殺害。25年ぶりに外の世界へ。素敵な親子と出逢うが、、、な話。

監督×脚本×主演？！このひと誰って思ったらアルマゲドンだ！アンジーの元夫？顔ぜんぜん違うから分からなかった。すごく素敵な映画でした。