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『ピクニックatハンギング・ロック』に投稿された感想・評価

Funazo

Funazoの感想・評価

2.2
オーストラリアの寄宿学校の女性徒たちが失踪するミステリアスな話。女性徒たちの白い衣装がより幻想的な世界観を作り上げていて、なんとも言えない不思議な空間に自分自身も迷い込んだ感じがして、鑑賞後はモヤモヤ感が残った。
ワンコ

ワンコの感想・評価

4.5
【ざわめきとか、揺らぎとか】

ハンギング・ロックは険しい岩山だ。

この映画を初めて見た時は、ストーリーが謎を呼ぶ割に、理由も結局は不明で、ざわめきばかりが残り、いわゆる安堵感とか安心感といったものを一切感じなかった。ちょっと、突き放されたような感覚だった。

そして、イマジネーション力が問われている感じもした。

しかし、それからかなり経って、深夜の映画番組でこの作品が放送された時、解説の岡部まりさんが「少年が大人になる一瞬をテーマにした作品は比較的あるように思うが、この映画は少女が大人になる時の揺らぎを表現した数少ない作品ではないか」と話しているのを聞いてハッとしたことを覚えている。
岡部まりさんは、ずいぶん昔「探偵ナイトスクープ」で秘書をやっていた方だ。

この原作は、映画のカルト的な人気が高まるとともに実際にあった事件をベースにしたものだとの噂が広がった。
しかし、原作者のジョーン・リンジーが、実は自分の見た夢が元ネタだったと、ずいぶん後になってから明かす。

また、この映画は「ジョンブック/目撃者」で一躍有名になったピーター・ウィアーの初期監督作品として、海外公開から10年以上経ってからシネヴィヴァンという六本木のミニシアターで公開された。
いまの六本木ヒルズのある場所の六本木通り沿いのWAVEというビルの地下にあったシアターだ。

そして、「ジョンブック/目撃者」がヒットしなければ日本公開はなかったとされている。

僕が最初にこの映画に惹かれたのは、村上春樹作品が好きだったことが影響している思う。

村上春樹作品では、よくヒトやモノ、場合によってはゾウまでもが、当然、消失するのだ。

だが、そこには、村上春樹作品の静かに喪失感が進行する様とか、それに向き合おうとする姿勢はなく、代わりに何かがざわつく、居心地の悪い感じがあった。

(以下少々ネタバレ少しあり)

あったのは、

ボッティチェリのヴィーナス似の美少女ミランダを含む4人の失踪と、
僅かだが複数の目撃、
捜索に出たマイクルが意識不明で発見されたこと、
アルバートによるアーマの発見、
1週間を経て発見されたアーマの記憶喪失、
フラストレーションを募らせるアップルヤード校長、
孤児セーラへの虐待、
セーラの自殺、
そして、学校コミュニティのヒステリック化と崩壊だった。

その後、アップルヤード校長もハンギング・ロックで遺体となって発見される。

この作品は、事件の原因も理由も、結局は何も語らない。

サスペンス好きの方でも結末を重視する人にはお勧めできないストーリーかもしれない。

だが、だからこそ、カルト的人気が高まったのかもしれない。

舞台となった1900年頃のオーストラリアは、不況の直後で、白人支配を目指す政府が主に中国人を排斥する白豪主義をベースにした差別を制度化し、内政はイギリスから自治を獲得するが、外交はイギリスの管理下に置かれるという不安定な時代にあった。

だが、こうした時代背景がヒントなのだろうか。

僕は、原作が1960年代に書かれたことが実は重要なのではないかと今は思っている。

アメリカの1960年代は、公民権運動に加えて、女性解放運動が盛んになった時代だ。

きっと、アメリカ女性が社会進出したり自立を模索する様の詳細は、同じ英語圏のオーストラリアにもきっと伝わっていたに違いないのだ。性も男性に従属するのではないとの考え方もあっただろう。

そして、その頃、ジョーン・リンジーは、不安定な時代のオーストラリアに舞台を設定して、少女達と、それを取り巻く社会、少女が大人の女性に変化するひとときの揺らぎや、性への目覚め、ざわめきを暗示する物語を描こうとしたのではないか。

白い衣服はヴァージンを意味しているに違いない。

あっという間に「それを」乗り越えて、皆のそばから遠くに行ってしまう………つまり、大人びてしまうものもいる。

美しいミランダが最初に消えてしまうのにも、常に男たちの好奇の目の中にあるといった示唆的なものを感じる。

「それを」考えることで罪悪感に苛まれるものもいる。

貞操感が第一のものもいる。

厳格な宗教の教えの下では当たり前かもしれない。

経験しても今まで通り、普通にしていられるものもいる。

消えるスカートやコルセットは何を示唆しているのか。

因習や、価値観を縛り付ける何かだろうか。

学校という空間では、影響は瞬く間に広がる。

ヒステリックなまで管理を徹底しようとする社会や大人達。

消えたことに向き合おうとするより、現状の維持を優先したりする。

こうした目覚めは、いつか皆が通る道で、今である必要はないのだと考えているからだろうか。

傍観しているように見える男子。

そして、亡くなった校長も古い因習を表しているのではないか。

ハンギング・ロックは険しい岩山だ。

そして、「ピクニック」と「ハンギング・ロック」という組み合わのタイトルにも意味があったのではないかと考えさせられる。

簡単そうに思えて、実は容易に登ることは出来ない。

ピクニックのような気分ではいられないのだ。

そして、ハンギング・ロックは、性のメタファーではないのか。

興味を持っても、ざわついても、決して容易なテーマではないのだ。

そうであれば、明らかな解決策などあろうはずがない。

僕達は、この作品を通じて、少女の揺らぎやざわめきを隠されたテーマとして見せられたのではないのだろうか。

(※ 余談だが、昔、薬師丸ひろ子さんが「メインテーマ」という南佳孝さん作詞作曲の歌を歌っていたことがあったが、当の南佳孝さんが同じ曲を「スタンダード」という別のタイトルでカバーしていたことを思い出した。若い子にはメイン・テーマでも、大人にはスタンダードなのだそうだ。)
映画思い出し鑑賞記憶Vol.61

本作はワンコさんのレビュークリップ✨ありがとうございます☺️

白い服の少女たちが森林でまるで神隠しのように忽然と姿を消して、、カルト映画と聴きながら観ても、当時全く解読できぬまま、淡い映像で幻想的な映画だったと印象で終わってしまって長年が経つ。作品の雰囲気はソフィアコッポラのヴァージンスーサイズかな。。フォロワーさんのレビューを読んで、そういうこと?と20年後に知るのも映画とレビューの面白さだと改めて思った。

再見したい度20%
フォロワーさんのレビュー観て満足してしまいました 笑

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