溶岩

若い女医と女性患者の心の交流を描いたドラマ

独特な映像からはじまる

必死の治療
なんとも言えない話でした

表情
いろんな葛藤が

演技も良い
雰囲気がありました

エロディ・ブシェーズ主演の人間ドラマ。前半の舞台はフランス。大学を卒業したての精神科医コーラは、ある日名前も身元もわからない女性患者と出会う。大暴れして自傷行為に及び、注射で鎮静させられ…心を病んだ彼女の担当となったコーラ。何も語らず、心を閉ざしたままだったが、交流を続けるうちに徐々に心が通い始め、ようやく声を聞くことができた。治療はこれからという時、国際警察に照会して身元が判明した彼女の名前はロア。地元アイスランドに送還されてしまう。ロアを救いたい一心でアイスランドへ旅立つコーラだったが…。
ロアの故郷はアイスランドの孤島で町医者しかいない過疎地…ある種のことはずば抜けて優秀だが、子供の頃から変わり者だった…おそらくアスペルガー症候群かと思われますが、まともな治療など一度も受けたことはなかったのでしょう…何度も失踪を繰り返していたというのに…田舎独特の事なかれ主義というか楽観主義というか…これほど悪化するまで放置されたのは気の毒としか言えません。一方のコーラは、全力を注ぐ事で必ず患者は救えると、理想と信念の為なら、常軌を逸した行動もとってしまう危なっかしい人…ちょっと鬱陶しいくらいですけどね…でも一人でも自分を諦めずに思ってくれている人がいる、って思えたら支えになるのかな。ほんの少し希望を感じさせるラストにほっこり。
監督はドキュメンタリー出身らしく、臨場感ある独特の揺れるカメラワークがおもしろい…少し酔いそうだったけど。ゲンズブールの「スタン・ザ・フラッシャー」で衝撃のデビューだったエロディ・ブシェーズ…美女とは言えないんだけど、やっぱイイなぁ。ぶっ飛んだ役のイメージが強いんで、医者役とは意外だったけど、大人に成長した感じ素敵でした。もっと作品に出てもらいたい女優さんの一人です。

https://youtu.be/qCOrQBTqIEI

• #ホームビデオ感満載の静かな手ブレ映像を観てると開始早々から眠くなってくなる…相手が女だろうが暴れれば獣のように力ずくで押さえつけ鎮静剤を打つ。治療の途中で自分の担当だったしゃべらない患者をアイスランドに帰され彼女に会いに行く女医。北欧は日照不足が原因で精神を病む人が多い。
• #アイスランドの厳しい自然、霧がかかり寒々とした自然が幻想的でいつか行ってみたい。辺鄙な田舎とはいえ治療もされず普通に働かされるのには驚く。衝動的にあんな事をするのも無理はない…結婚し子供を育てるような精神状態ではない女の声にならない苦しみと医師のもどかしい心境が伝わる。