映画の、最初に昭和新山が、映し出されます。

仙台の岩出山藩は明治維新の際に幕府側だった為、領地は没収、藩士たちは士分も取り上げられ露頭に迷うことになる
そして、元家老吾妻(大友柳太朗)らと元藩主伊達邦直(伊藤久哉)は活路を蝦夷地へと求めて旅立つ、、、

大友柳太朗主演だし、東映だし、タイトル的にもいかにも時代劇！な感じなんですが、ちょっと異質です
時代も明治期に移っているので、ギリギリその姿は帯刀、髷姿ではありますが、禄と士分を失いもはや侍ではなくなっています
さらには逆賊朝敵の汚名まできせられており、故郷である岩出山で暮らそうにもその道がないといった状況
そこで蝦夷地開発の計画に乗っ掛かり、新天地で自らの力で生きていこうと悪戦苦闘する、苦難の道のりを中心に描く大真面目でリアリティのあるドラマとなっています

未開の地である蝦夷の移住地での苦労は半端なく、当初移住した土地の土は不毛であった為、さらなる移住を願い出る
それも一筋縄ではいかず、新たな地の選定のため自分たちで調査に向かったり、資金づくりのため大工をしたりと
脱落者、死亡者も出てくるんだけど、大友柳太朗演じるリーダーが上手いこと慰めたり励ましたり諌めたり

ラストシーンはちょっとジーンと来ました
第二回の移住者を募るために故郷へ戻る首脳たちなんですが、蝦夷地で待たされてるほうは置いてけぼりにあうんじゃないかとか不安な日々、ある若者は毎日のように本土の方を見つめて待ってたり
遠征した方も妻や子を残して来ているわけで、どちらも一日千秋の思いでの再会が良かった
劇中のセリフにあるまさにキ○ガイのような歓喜ぶりでした

ちなみに、見た後調べましたが原作は実話を基にしたものらしいです、納得の描写の細かさかも
岩出山藩ってのも初めて聞いたし、伊達邦直とか吾妻謙、蝦夷地開拓についてなど色々と勉強になりました、調べてみるとより理解が増えて納得した部分も多い

不満点を挙げるとすれば、、、やっぱり地味w
内容も地味目だけど出演者も地味、主演の大友柳太朗以外の出演者でも有名なとこで、杉村春子、加藤嘉、加東大介、宮口精二、山形勲、高千穂ひづる等が出てはいるけど、個より集団、歴史の流れみたいなのを中心としているのであまり印象には残らない

あとは、、、あのストーリーにしてはみんな着物が綺麗すぎるかなー、もっと汚くボロボロなほうが自然な気もする
ラストの帰還する行列のシーンついても、元藩主、元家老が先頭って違和感があった
蝦夷の奥地に向かう、しかも雪がありかき分け進む必要があったろうに、それを彼らがやるかなーと、まあ映画的にわかりやすく、そうなったんだろうけど

このままでも十分良作だとは思われるけど、もっと良くできたかなーってのも少し

幕府側につき、取り潰しになった藩の武士達が、蝦夷地（北海道）開拓をしたのは有名なお話だが、それを題材にした珍しい時代劇