赤穂城断絶の作品情報・感想・評価

「赤穂城断絶」に投稿された感想・評価

東映・深作・実録忠臣蔵。

面白かった。
吉良をやってる金子信雄がしっかり殺される事へのカタルシスが凄い。ちゃんと悪い金子信雄が死ぬというカードが切られている。
東映のメンバーで忠臣蔵をやってみたということなんだろうけど、もうそれだけでこっちとしては満足なわけですから最初から勝ちは決まってますよね。成田三樹夫が裃着て台詞言うてるだけでもういいんですから。
長くて退屈なところも結構あるんだけど、そんなに構えて観てなかったからかよいところばっかり覚えている。
大野九郎兵衛の藤岡琢也は良かった、ああいう役のああいう感じってあの人しかやってない。ある意味すごい身体性だと思う。
何より良かったのが千葉真一。やっぱ殺陣がすっごくてたまらない。
DVDを部屋で観ているだけなのに竹林で刀振り回した後の納刀、拍手してしまった。
渡瀬恒彦とのラストの一騎打ちのシーンなんて最高の演出と演技だったと思う。
屋敷の中を縦横無尽にこけつまろびつ戦う二人の間に人が通り過ぎたり後ろから切りかかったり、しかし二人はそれを振り払いなぎ払い一騎打ちを続けてそのラストがまた素晴らしい。
事が終わった後の千葉真一の手。利かなくなって震えるその手のリアリティよ。あの殺陣だけでも観る価値があるって奴だと思う。

ただ大石があんまり良くなかったなあ。最初から英雄で割と揺らがない大石、みたいなものへの慣れがあまり無いからかな。どうもあんまり良くなかった。錦之介も柳生一族では最高だったんだけど、あれはちゃんと錦之介が異質なものとして存在できたからじゃないんだろうか。
今回は大石の役の従来の古いイメージから一歩も出ないまま終わっていってしまう感じ。うーん。

ウィキ観たら金子信雄→大石、錦之介→吉良の案があったらしくてそれのほうが百倍観たくてちょっと悔しいというか、そう、口惜しいって気持ちになりました。
金子信雄の大石は絶対素晴らしいと思う。ああ、観てみたい。
深作欣二 萬屋錦之助 千葉真一
いわゆる忠臣蔵ですが、迫力ある。近藤正臣 今は千葉県知事の森田健作 若い。三船敏郎が吉良邸の隣家の旗本として出演、討ち入りの際に、逃げて来る卑怯者は容赦なく切り捨てろと 手助け。
極めてノーマルな「忠臣蔵」を「仁義なき忠臣蔵」とした作品。演技が皆さん臭い!見栄を切るとはこの事か!と思わせられる程に見栄を切って頑張る俳優陣。ノーマル&臭い芝居。それでいて長ーーーい!上映時間!!!さすがに飽きます!2時間30分越えるならアレンジ効かせてくれよ...。オチまでハッキリ知ってる物語で大長編やられると飽きるわぁ. . .
あまりにも長いが、千葉真一VS渡瀬恒彦の殺陣に関しては滑らかな繋ぎと良い画が連なり映画の興奮をそれなりには味わえる。襖を遠慮なく倒しまくるのが良い。殺陣の途中で障子に刺さった刀を、編集における位置関係の軸に据える感覚が深作欣二のかっこよさなのである。
象煮

象煮の感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます

仇討ちまでが長いのでこっちまでキチガイか酒浸りになりそうになる。皆武士として正しい死に方ができるわけではなく、千葉真一の言うように「飯を食って生きる」方が難しいのかもしれない。
金子信雄の吉良上野介と「早う支度を!」「できてます!」には笑った。討ち入りの時もご近所さんへのご挨拶は大事。
これを観る前に、三船敏郎の大忠臣蔵を観ていたせいか物足りなさを感じた。こちらの忠臣蔵には清水一学が出てこない、省略されているエピソードが多い等、不満な点はあった。深作欣二監督の意志通りに撮られていたらどうなっていただろうと思った。
菩薩

菩薩の感想・評価

3.5
まんま「仁義なき忠臣蔵」って感じで、良く言えばただでさえドラマチックな話をよりドラマチックかつダイナミックに、悪く言えばかなり仰々しく突散らかってはいるものの、吉良上野介に金子信雄をキャスティングする時点で勝負ありって感じ。千葉真一だけ明らかに別の作品、別次元の動きをしてるけどまぁご愛嬌か、渡瀬恒彦の殺し方はだいぶ酷いけど。今の時代、こんな風にして誰かに忠義を尽くす場面などそう無いだろうし、結局は相撲協会のゴタゴタを重ねて観ちゃうのは本当に悪い癖。見事本懐を遂げ切腹する直前の錦之助は正直神無月にしか見えない。討入りまでがだいぶ長いけど、討入りからも結構長い、要するに長い。金かかってる感じは良いけど三船はいらなかったと思う。
深作欣二監督は吉良側の視点に立った内容を構想していたそうだが、紆余曲折の末に出来上がったのはオーソドックスな正統派忠臣蔵。とはいえ、重々しい萬屋錦之介(大石内蔵助)による<大時代劇>が展開する一方で、千葉真一(不破数右衛門)vs渡瀬恒彦(小林平八郎)の汗まみれ一騎打ちや原田美枝子&近藤正臣の生々しい悲哀劇といった<実録調>が混ざり込み、それらを分裂させることなく絢爛かつスピーディーにまとめ上げた手腕は流石。それだけ「忠臣蔵」というコンテンツが堅牢だということでもある。
極めて普通な忠臣蔵で深作も後に四谷怪談とコラボしなきゃと思ったのだろうか?
忠臣蔵を題材とした映画は多数あれど、どの作品にも満足できたことがない。本作もそういう意味では従来の「忠臣蔵」の域をでることはなかった。
深作欣二監督に豪華俳優陣という鉄板の組み合わせではあったが、話の解釈はいわゆる忠臣蔵に徹してしまっていた。殺陣も時代劇ではなくアクション映画だった。まあこうしたことは個人的な好みの問題なので、映画としては楽しく、問題がない。忠臣蔵が初めてという人にはいいかも。
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