Xavier

父の祈りをのXavierのネタバレレビュー・内容・結末

父の祈りを(1993年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

こんな酷い事が許されるのだろうか…
1974年、北アイルランド。
定職にも就かず遊んでいるジェリー・コンロンはIRAを挑発したために、彼らに目をつけられてしまう。父ジュゼッペは
ほとぼりが冷めるまでジェリーをロンドンに行かせることに。
やがてロンドンから、約50㎞離れたギルフォードのパブで爆破テロ事件が発生。久々、アイルランドに帰ったジェリーは爆破テロをIRAの犯行と考える警察による厳しい尋問の末、白紙の供述書に署名
それにより逮捕され、共犯と見なされた
父ジュゼッペも逮捕され、父子共々同じ刑務所に投獄されてしまう…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
実話を基に作られた作品。

とにかく腹ただしい

ギルフォードのパブで起こった爆破テロ事件の実行犯としてジェリーと仲間たちを、ただアイルランド人だからといって
IRAと無理やりこじつけ、何一つ証拠もないのに逮捕する。
まずこの時点でも、警察&検察は恥ずかしい事なのに、恫喝&暴力による自白の強要(ジェリーには"おやじを殺すぞ"と
共犯とされたポールには口に銃を突っ込み自白を強要)、母を除いた家族の逮捕(テロ共謀罪で),アリバイを証明できる浮浪者の存在を無かった事にするなど、やりたい放題である。

そして極めつけはホントの犯人の自供を自分たちのメンツの為に握り潰した事…

普通の生活を奪っておきながら、まるで
ジェリー達が犯人であると振る舞っていたのだから…

ジェリーは、自分たちが何を言っても変わらないと考える様になり、ドラッグに溺れて行く。
しかし父ジュゼッペは諦めなかった
事件の事をちゃんと調べて貰うため、外にいる協力者に手紙を書き続けていた
その事でピアース弁護士と出逢う事となり、ピアースが無罪である決定的な証拠を見つけ、ジェリーは…

この作品で残念なところは、ジェリーとジュゼッペの関係が深く描かれてないところかなぁ。
ジェリーはいつも父に対し、真摯な態度ではなく、真面目な事に対してもふざけてる感じしか受けない。
唯一、自供を強要されたとき、刑事の脅しに対しての態度は、父を大事に思うところが出てたと思うが…
だから、父が肺の病気を煩い、かいがいしくジェリーは世話を焼くシーンも、胸を打たれなかったんだよね…
そこら辺は残念かな。

エンドロールでその後どうなったかが、
テロップで流れるが、ジェリーたちをあんな目に合わせた刑事達が無罪になった事を知り、モヤモヤした気持ちになってしまったなぁ…
Xavier

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