幼い頃に母親を亡くし、純粋無垢に育っていた少女がある日複数の男から襲われてしまう。父にも兄にも相談することができず、けがれた体と心を自ら傷つけることで、なんとか生を保っていく・・・

幸せな日々を描いてそこからの転落人生を対照的に描くのではなく、冒頭から即悲劇が起こり、彼女の純粋無垢な姿は、自らを傷付け苦しみ、誰にも相談できない姿を見て知ることになる。

兄と父がいるが、彼らに話すことはできない。一番そばにいてほしいときに、最愛の母親がいない。男には話せない。何故なら無垢な少女はその悲劇の後、”男性”というものに嫌悪感を感じるようになるからだ。身内である父親が連れてくる友達とすら会話がままならない、一気に男という物が苦手になり、怖くなり、汚れてしまった自分を責め、ただ生をつなげるために、痛みを全身帯びなくてはいけなくなった。

描写は淡々としており、肝心な描写は一切ない。あくまで私が本作を見て感じたことであり、それは人に寄れば描写不足であったり、違うとらえ方になるであろう。

ただ肝心なところの心情や幸せに育ってきた描写がなくても、彼女が自分を傷つける描写からの逆の発想で、充分に伝わるものはあると感じる。とにかく彼女には大人が必要あった。それは男ではなく頼りになれる女性ではないとダメだった。だからこそカフェで知り合った女性に心を開けるし、安心して包み込んでくれる母のぬくもりが必要だったのだ。

母を亡くしてぽっかり空いた穴をえぐるように悲劇がおき、それはそのまま今まで背けてきた心の悲しみそのものと向き合う荒治療につながっていくのだ。皮肉にも悲劇により彼女は本当の悲しみに向き合い、身近にある本当の愛を受け入れることができるのだろう。悲劇がつなぐ純粋な愛。傷ついた体はもとには戻らないが、心は純粋さを取り戻すことができる。

誰にも打ち明けられず苦しみ自暴自棄になってしまったクレア。もしあんなことが実際起こったら一生心に傷が残るだろうな。

パリの音大に通うクレア（ヴァイナ・ジョカンテ）は帰り道に男に声をかけられワゴン車に押し込められレイプされてしまう。
その日以来自暴自棄になったクレアは色んな男に抱かれる女になり・・・。

オープニングはまさに純真無垢なクレアがいきなり拉致られレイプされてしまうという恐ろしい展開。

そこからの転落の仕方がイマイチついていけないんですよね〜。
話が飛び過ぎというか…。
複雑な家庭環境で父親との確執や母親との死別などもあるのですが、どうも見ているこちら側の感情は完全無視みたいなんだよね。

主演のヴァイナ・ジョカンテのヌードシーンを拝む為だけの映画なんですかね？！
巨乳で目の保養にはなりましたけど（笑）

ま、二度と見る事は無い映画です。