ベストムービー用。西部劇枠。

ワイアットアープの英雄譚
生い立ちから「OK牧場の決闘」の復讐戦まで。ケビンコスナーの夢と野心を詰め込んだ約3時間半
正義のあり方と伝説を描きたかったのだろうか

「ダンスウィズ〜」「ウォーターワールド」などコスナーの理想とする英雄譚の一遍
豊かな大農場で生まれ、父の気高さを追うところから物語りは始まる。やがて最愛の妻や兄弟を失う悲しみと怒りから、法と復讐の間で揺れ動く姿が描かれる。

ランニングタイムの長い作品だが、壮大なセットとロケを敢行。割合で言えば派手なガンファイトは少なく、同時期の「トゥームストーン」と比べるとかなり地味な作りになってある
しかし、英雄譚としてあるべきヒーロー像が確立しているせいか軸はぶれない
それはコスナーが映画俳優に求める信念にも近いのだろう

とは言え、街中での銃撃戦、不倫相手に肩入れする保安官を英雄として拝めない部分はある
保安官を辞職したのち復讐鬼となった闇の部分も描かれてはいるが
喧嘩と法の執行が曖昧な世界で、君臨するアープを聖人君主として語るには、こそばゆい

あと、便宜上10-20代の純愛時代もコスナーがやるので、そこはちょっと恥ずかしいかもしれない

コスナーのアープはもちろん、アープの厳格な父をジーン・ハックマン、友情に熱いドク・ホリデイをデニス・クェイドが好演


入れ込みとは裏腹に、本国でも大コケ
最近も西部劇の大作シリーズがポシャらせてしまったコスナーだが、本作もその系譜
結果としてコスナーのキャリアにも影響を残した本作だが、彼が映画に追い求める何かを感じさせる一本でもある

名前とイメージ先行で正義のヒーロー映画を想像してた。どこまでが史実なのかわからないが淡々と物語が進み盛り上りが今一つのような気がする。
アープ兄弟であったり、一家の物語でした。やっぱ男前は何を演じても格好いい。