⚪概要とあらすじ
天衣無縫で過激なまでに自由な心を持ったバヤと、典型的な生真面目中年男アルチュールが繰り広げる型破りなロマンス。

アルチュール・マルタンは、フランスに同姓同名が1万以上という名前のとおり、ごく平凡な40代の鳥類学者。珍しい名前の自由奔放な娘バイア・ベンマームードは、元ヒッピーのフランス人母とアルジェリア移民の父を持つ。バイアのセックスの目的は、“ラブ＆ピース”の信条のもと、右翼や保守派の男（＝ファシスト）と次々に寝て彼らを転向させることだ。バイアにとっては典型的な保守派男であるアルチュールも彼女の標的に。だが、あらゆる点で真逆の2人がホンモノの恋に落ち、各々の名前に隠された秘密も明らかになっていく...。

⚪感想
「じゃ 将来の私はロリコンか娼婦ってワケ？」

主人公の2人の子供から今に至るまでの出来事が交互に描かれる斬新な作品。

主人公の男性が父の若い姿を思え出せなかったために、若い頃の母と年老いた父が講義を受けていたり、現在に若い自分が登場して普通に会話していたりと面白い。
名前から紐解いてその家族に様々な歴史がある面白さ。

人種差別や移民、植民地、宗教、奴隷、政治、原発、戦争、ユダヤ人強制収容所など重い内容を詰め込んでるのに軽い感じで観られる。

政治や人種差別、宗教の部分がしっかり学んでないと分かりづらい感じはある。名前によってモハメドとかだったらイスラム系みたいなことは知ってるけど全てを知ってるわけじゃないからちょっと置いてかれた。日本人の名前にも歴史はあるけどその名前で宗教や迫害されていた人種っていう分類にはならないから理解が難しいと思った。
しっかり学びなおしてから観たらもっともっと面白いだろうなと思った。

主人公の女性バイアの突然の全裸には度肝抜かされた。しかもめちゃくちゃ可愛い。

主人公の男性アルチュールはイケおじで素敵。好きになってしまうやつ。
電化製品と同じ名前でめちゃくちゃいじられる。辛い。

フランス映画の良いオシャレさが詰まってるし、ちょっと早口な感じがまだ良い。
フランス語を大学で少しだけ学んでいたから「Salut!」や「Merci beaucoup.」とかが聞き取れて嬉しかった。

コメディ要素強めで、両親の対面や、カニ、投票、出産のシーンは笑った。

アイスクリームの伏線回収には驚かされる。

ユーモアたっぷりでちょっとほっこりな素敵な映画。
勉強し直してからまた観たい。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。

• #GyaO!2019
• #ロマンス

セックスで右派を左派に変える女の話。下らない事を言ってても、それぞれのキャラが真剣に語ってくるので「それはそれで有りだな」って納得しちゃうコメディだった。割と思想強めなので賛否分かれそうだけど好き。

• #歪ドラマ

フォロワーさんのレビューで気になり、GYAOにあったので何気に観てみたら、なんちゅう面白いんや！

基本は、堅物の中年男性と自由奔放な若い女性のラブコメディだと思うけど、描いてることが、フランスに留まらず世界中の困難な課題ばかりで驚く。

政治の右派左派、人種や民族や宗教による差別、不法移民、植民地支配、ホロコースト、ファシスト、子供への性暴力、、重たいものばかり。それもズバズバと。それを笑いに昇華するというのは、かなりセンスが必要と思うけど、軽くクリアしてる。さらに恋愛まで絡めてくるから驚く。

とにかく自由な彼女の戦略には恐れ入りました 汗。

笑えるけど、毒もいっぱい。でも、ユニークで面白いです^_^