ヴァル主演のアクション映画かと思いきやサスペンスホラー映画でした…。まあホラー映画の名作をあまり観てこなかった自分としてはそこそこ楽しめましたね。どちらかと言えば『ファイナル・デスティネーション』的な話だったのかな？

興味の持続もできてたしグロ描写もいい感じ（ガチなスプラッターホラーと比べるとまだまだ緩め）だったけど、ラストの捻りの展開はもう一声頑張ってほしいところだったかなぁ…。少なくとも死んだ娘が自分を殺した犯人の名前を知っている理由の描写がほしかった。殺される瞬間に名前入りの何かを見たとか、殺す相手にだけ名前を教えるタイプの猟奇殺人犯だったとか、そんな感じのやつ。

にしても全盛期と比べてかなり太ってしまったヴァル、見た目に合わせて昔とは違った役柄にちゃんと挑戦しているところに好感が持てますね！怖さ、不気味さ、醸し出せてたし存在感もバッチリでした。ただ本作はポスター詐欺が幾ら何でもやりすぎ、銃握ってこの文言は完全にアクション映画だと思うじゃん（文言自体は間違っていないし、タイトルの『エネミー』も的を射ている意外と上手い詐欺なのが余計に腹立つ）！

あと実質の主人公だった刑事役のディラン・ニールが『プレジデントマン 地獄のステルスコマンド』に出てくるチャック・ノリスの弟子役の人だったことにビックリ！まさかの拾い物となりました…😌

娘を変質者に殺され憂鬱な夜を過ごしていたアレックス刑事。突然、署に不気味な男が現れ、刑事達に向って殺人予告をする。以来、次々と所にいる警官達が凄惨な殺され方をしていく…というストーリー。
ヴァル・キルマー主演のサスペンススリラーです。
雨のクリスマス・イヴ。数年前に娘を殺されたアレックスは鬱々とした時間を過ごしていたが、突然署に殺人を自供する謎めいた男が現れる。名前を名乗らない男を警官達は「ミスター・ノーボディ」と呼び取り調べを始めるが、男が話す殺人の通りに警官達が凄惨な殺され方をしていく。やがて警官の一人が、かつてアレックスの娘を殺した犯人として逮捕し、リンチにかけて殺した浮浪者と似ている事に気付く、という内容です。
タイトルやジャケットはアクション映画のようですが、実際の中身は警察署を訪れた謎の男の超常的な力によって次々と警官達が殺されていくというオカルトホラーに近い作りの作品です。謎の男の言葉通りに警察署内の人間が死んでいくという展開は「デッド・ノート」とも似ていますね。
太って貫禄付いたヴァル・キルマーはジャケットの様にインカムつけて銃撃ってアクションすることはなく、ほぼ取調室で座って殺人予告してるか留置場内で口笛吹いてるだけです。彼の正体が主人公の娘の殺害犯として警官達にリンチされて昏睡状態になり、その後死んだ男が復讐に燃える幽霊として蘇った存在というのは結構序盤の方で明かされますが、ここはもう少し小出しにして引っ張った方が、この男の正体は一体何だろう？そしてその目的は？と興味が持続して良かったんじゃないかと思います。
男の供述通りに次々と警官達が殺されていく所は面白かったですね。手を縛られて鞭うちされたり、首吊りにされたりスコップで突き刺されたりとかつて男にしたリンチの内容が反映される所も面白かったですね。舌をハサミで切り取られたり、スコップで内臓抉られたりビニール袋被せられて切り刻まれて首切断されたり、臓物あたりにまき散らされて目玉抉り出されたりと結構グロいです。
ただ、主人公含めて善人が登場しないので登場人物に感情移入し辛いですね。主人公達は娘の居場所吐かせる為とはいえ、犯人と目した浮浪者拷問してリンチして昏睡状態に追い込んで、それ隠蔽してますし。中には後悔してる人もいて殺されるのはちょっと可哀想だったけど。主人公も「アンタが指示したから！」って言われて「娘の為だったんだ！」と言い返したり開き直るような言動するし。
終盤で明らかになるもう一個のどんでん返しには「逆恨みかよ！」とちょっと驚きました。根っからのクソ野郎だったんだな。
悪魔もそうだけどこの手の奴は名前知られることが弱点なんだな。
最後バッドエンドだろうと思ってただけにハッピーエンドだったのは意外でしたが、前述の様に主人公も善人とは言い難い人物だからちょっとモヤッとしたもの残りました。
アクション期待したら間違いなくガッカリしますが、オカルトスリラーとしてはそこそこ見れるのではないでしょうか。

スリラーなのか復讐劇なのか展開のしかたは面白かった
まぁ、まだ見れる作品