選択

犯罪組織に命を狙われているバットンは、国家の証人保護プログラムで家族とともに隠れて暮らすことになるが……

別人

ホテル暮らし

家族
いろいろとストレスが

恐ろしい
重たいドラマ

淡々と描かれます

　犯罪組織の一員であるバットンは、仲間に嵌められて裏切り者に仕立て上げられてしまう。そのせいで、自分はおろか、家族の命さえも危険にさらされることになってしまった。彼は自分と家族を守るため、組織に不利な証言をすることと引き換えに、国の証人保護制度により身の安全を保障してもらうことにするのだが……。

　サスペンス映画を観ると、たまに出てくる『証人保護プログラム』。本作はこの制度にスポットを当てた、ありそうでなかった作品。
　ただ単純に警察が24時間体制で家族を守るというものではなく、家族全員が今までの人生を捨てて、名前も変えて、全くの別人として生きていかなくてはならない。そしてそのために秘密の施設で何日もかけて訓練をしなければならないという過酷な制度。
　高校生の長男は今までの成績も帳消しとなり、友達も恋人も失うことになる。そのせいで父親と衝突を繰り返す。
　まだ幼い妹は、事の重大さが理解できず、別人に成りすますゲームだと親から説明される。
　バットンの妻はそんな子供たちの手前、努めて冷静でいようとするが、ふとしたことがきっかけで夫に対して感情を爆発させる。
　当のバットンも、たまりにたまるストレスのあまり、あろうことか家族が組織に告げ口したのではと疑いを持つ。

　いやはや、鬼気迫る彼らの演技が本当に凄い。
　そして、彼らを指導する職員役にフォレスト・ウィテカー。彼らを助けるのはあくまで仕事と割り切り、穏やかではあるが妥協を許さない厳しさと冷徹さを見事に表現している。

　元々TV映画らしく、無名な作品ではあるけれど、個人的には見応えがあり、なかなかの佳作ではと感じた。

良作映画。
1999年度ゴールデングローブ賞作品賞ノミネート作品。日本劇場未公開。

【あらすじ】法廷で仲間に不利な証言をしたバットンは、国家の保護の下で別人として暮らすことになる。

【私見】古い映画は好きですが画面比が4:3が未だに慣れない。。なかなか面白い映画です。組の幹部として、組を取るか、家族を取るか。バットンは今まで手に入れたもの全て失って家族を選んだ。グッドフェローズでもチラついていた証人保護プログラムですが、この制度すごいですよね。居所がバレないように、パスポート、運転免許証、社会保障番号、名前に至るまで全く新しいものが交付される為、完全な別人になります。生活費や居住地等々は国家機関より支給され、ましてやSP付き。まさにVIP対応ですね。。