ロバート•シオドマク監督作品2本目の鑑賞。
40年代のフィルムノワール、尺もサクッと観易くてどんどんハマりそう。

同年に制作された『幻の女』がとても面白かったので、美しいヒロインは同じエラ•レインズだし、主役はアカデミー主演男優賞俳優で監督も熟すチャールズ•ロートンの組み合わせに興味津々で鑑賞しました。

ロートンは『情婦』『大時計』と比べるとやや小品になるものの、いやこちらも出突っ張りであの体型を活かした彼らしさだからこそ楽しめる良作でした。

殺人事件が2つ起きるが、その現場や死体処理を直接見せない仕掛けが上手い。本当に殺したのか？が曖昧なままラストまで持っていく流れがお見事。



◉あらすじ
1902年のロンドン。煙草商店の支配人フィリップは人付き合いは良く穏やかで優しいのだが、妻コーラとの仲は冷えきっていた。嫉妬深くて口喧しいコーラを息子も嫌って家を出て行く始末。父と息子の関係は良好。ある時、職を探して来店した淑女メリーから頼られ2人はお互いに大切な存在となっていく。
しかし、浮気がバレてコーラが昂りメリーを世間に知らせて貶めると言うため、離婚を切望すると怒りまくるのだった。
翌朝、コーラは階段から落ちて亡くなる。無事に葬儀を終えてメリーと再婚するが、警部補が訪ねてきてしつこく階段の現場検証をするのだった。
また隣人の酒飲みで暴力夫シモンズから「コーラが亡くなる前夜、激しい夫婦喧嘩の声が聞こえた。保険金も入るし、若い美人と再婚。出来すぎじゃないか？警部補に伝えても良いんだぞ」とゆすられる。とうとうシモンズに睡眠薬入りの酒を飲ませるのだった...
息子夫妻と一緒に新天地カナダで人生を再出発することにして、家族で船に乗るところへ警部補がやってきて新聞の記事を見せる。それはシモンズが川で溺死の記事。警部補は「彼の妻を逮捕するよ」とだけ伝えるのだった。シモンズの妻は何の罪もない優しい女性。フィリップは家族を残し1人下船する。チャップリンさながらステッキを振り回しながらトボトボ向かう先は...



観る者はフィリップを絶対的に応援してしまう。
殺害しているのだろうが、死体を全く見せない演出が上手い。同情してしまうほどの状況とフィリップの人柄の良さに鑑賞者は靡く作り。
ラストは警部補の粘り勝ち？被疑者を油断させ泳がせておき、良心の呵責に苛まされるよう責めていくやり方はコロンボのようかな？
これもしっかり面白かった。

• #のんchan_シオドマク

ラストまで一気に見れた。
チャールズロートンの一挙手一投足に目が離せず。保身やら良心の呵責やら、まあ、表情で繊細に魅せる魅せる。

冷めた夫婦。妻は我が道を行く面倒なタイプ。
息子まで母に愛想を尽かすほど。
離婚を決意後、ある事件が。
容疑者となった夫。事件は事件を呼ぶ。

容疑者が二つの意味を持つ。
ただ冷静になると、、、
主人公は、、、ダメだろ😓。
なぜかラスト哀愁漂わせていたが、、、

エラレインズ演じる後妻は使い方がもったいない印象。これといった見せ場はなかったなあ。

ただ短時間でサクッと見れた！
うん、総じて楽しかった。

妻を事故死に見せかけて殺してしまう夫を描いたチャールズ・ロートン主演ロバート・シオドマク監督のフィルムノワール。

チャールズ演じる主人公の夫は誰に対しても優しく善良。それに対して妻は口うるさく冷え切った関係ながら夫がなんとかそれを修復しようとしても否定ばかりで息子さえ彼女を嫌う程。

そんな中出会ったエラ・レインズ演じる若い女性は妻とは対照的に素直で自分を尊敬してくれ、ますます妻の醜悪さが際立つわけですが彼女と頻繁に会ってることが妻にバレ、あの女の人生もめちゃくちゃにしてやる！と脅されたことで殺人に至るわけです。

その後主人公を脅してくる隣人の男も彼の妻をDVしてたりと、人を殺めたとはいえ主人公の肩を持ちたくなる作風で、国外逃亡の為船に乗る当日、殺してはいないものの自分が関与しその後亡くなったある人物を殺した犯人として浮上した人物（←ややこしい）を知ってからの終盤は主人公がその人物に同情的だったこと＆警察もギリギリまで船中に居たことで逃亡するのか否か、はたまたそれ以前に捕まるのかという主人公の状況に目が離せませんでした。

殺人をはっきり描かない演出故、予想外の真相が明らかになりそうで無いですがある秘密を抱えたまま息子らが家にやってきた所では猫を使った「ソファー」のミスリードも有ったりとフェイント的な見所も有り。