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五月のミル
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目次

『五月のミル』に投稿された感想・評価

4.7
【革命の余波】

ルイ・マル監督×ミシェル・ピコリ主演の1989年のヒューマン・ドラマ作品

〈あらすじ〉
1968年5月の南フランス。ヴューザック家の女主人が亡くなり、子供たちや親族が集まって来る。だが、彼らの話題はパリで始まった五月革命と遺産配分の心配ばかり。長男のミルは「家を売ろう」と語る娘カミーユと弟ジョルジュに怒りを爆発させる。さらに母の遺言で小間使いのアデルが相続人に含まれていると知り、一同は驚愕。翌日、革命の影響で葬儀屋までがストをする中、ミルたちは葬儀を延期してピクニックに興じるが…。

〈所感〉
もっと政治性の強い深刻な感じの作品かと思いきや結構ユルくて、良い作品だった。ルイ・マル監督は『鬼火』くらいしか見た事なかったが、ロメールやイオセリアーニっぽい牧歌的な雰囲気が漂っていて好みだった。五月革命に揺れる1968年の南フランスの田舎町を舞台に、母の葬儀のために田舎の家に集まったブルジョワ一家の人間模様が描かれる。遺産相続の話になると、やはり兄弟間でも意見が分かれ、一瞬シリアスな空気が流れるが、革命によるストの影響でガソリンも食料も葬儀屋もどこも立ち行かないことを知ると、ヤケクソのように亡き母親の遺体を横に置いたまま享楽・性愛に興じる姿はまさにイメージ通りのフランス人といった感じで良かった。オープニングでミルがミツバチに包まれたり、文字通り体を張ってザリガニを採ったり、軽快に自転車に乗ったりと、ミルは本当にこの場所を、そして木と水を愛しているのだなと微笑ましかった。クレアが皆の前でいきなり服を脱ぎだして男と愛し合うシーンはフランス人といえど刺激が強くて笑った。馬鹿騒ぎしている中、一人で黙々と穴を掘っているおじいちゃん偉い。革命の余波はこうした辺鄙な場所にも間違いなく伝わっており、その緊急時の張り詰めた空気感が漂いながらも、彼らなりに今できる楽しみを見つけていることがとても人間的で良い作品が見れたなぁという実感がある。
学生時代にVHSレンタルで鑑賞して以来。HD版DVDが存在したのでレンタル。

1968年にフランスで起きた「五月革命」を時代背景に、平穏な田舎町を舞台に、亡くなった老女の葬式のために集まった個性豊かな親族たちの人間模様をシニカル描き出す・・。

ルイ・マル監督と聞くと、どうしても「死刑台のエレベーター」のような初期の作品群に見られるヌーヴェル・ヴァーグの先駆者的なイメージが強いが、本作や「さよなら子供たち」のような晩年の作品では、奇をてらわない落ち着いた円熟味溢れる演出で、良い意味で“分かりやすく見やすい”内容となっているなあと感じた。

それでも、いくらフランス映画と言えど、1989年にゲイの若い女性キャラクターを登場させるなど先見の明が見られて流石と思わせる。
タイトルだけだと、てっきり可愛い子役が主役かと思うが、ミル役は頭も禿げ上がったフランスを代表する名優ミシェル・ピコリという皮肉も面白い。

会話の中で五月革命や共産党、学生デモなど政治的な話題も多く出るが、特にフランスの近代史に詳しくなくても、フランス映画が好きな方なら純粋に楽しめる内容だと思う。

まだ幼い子供がいる前で真っ昼間から大人たちが堂々とSEXについて論議したり、ヒッチハイクで乗せてもらったトラック運転手をそのまま屋敷に居着かせたり、老女の亡骸を前にしても誰一人涙を見せることもなく、中には唐突に悪口を言ったり・・といったフランス人らしい鷹揚かつ個人主義的な考え方も興味深い。

本作に限らず、フランスの田舎町を舞台にした作品は、やはり、緑溢れる大自然に囲まれた長閑な風景が美しい。大きなテーブルを囲み親族一同でブランチする、豪華でなくとも様々な食材が並んだ色彩に満ちたテーブルは見ているだけで食欲をそそられる。蝋燭の灯りの下でのディナー、大木の下でのピクニックなど、本作でも皆で食事を摂るシーンが随所に登場する。

特にドラマチックな展開があるわけでもないストーリー内容ではあるが、会話劇中心なので、フランス語が分かればもっと楽しめたであろうな。例えば、日本語字幕が少々古いなあと思われる部分もあり、“色魔”とか、今の若い人に通じる言葉なんだろうか?

自分自身、アンティークには全く興味はないが、家具が遺産相続の対象になるという、田舎とはいえフランスのブルジョワ階級の豪邸ならではの豪華絢爛な内装も見どころの一つ。

個人的にはミルがザリガニを捕るシーンが、コミカルでありながらもショッキングで一番印象に残った。
3.5
#1211
1988年 フランス🇫🇷映画
監督はルイ・マル
「死刑台のエレベーター」「地下鉄のサジ」

五月革命最中のフランスの田舎町、母の葬儀のために集まったブルジョワ一家の様々な人間模様を描く。

1968年5月。パリは五月革命が勃発している。そんな時、南仏、ヴューザック家夫人が突然の発作で亡くなる。長男のミルは早速家族に連絡するが革命騒動でてんやわんやの状態。集まったのはミルの娘カミーユとフランソワーズたち3人の子ども、姪のクレールとそのレズビアン友達マリー・ロール、弟のジョルジュと彼の後妻リリー。
しかし彼らの話題は革命と遺産分配のことばかり。
おばあちゃんの死なんかそっちのけでドンちゃん騒ぎ、一方で革命の行方も気になる。  
観ているこちらは隣の部屋に放置されたような死体の処理が気になるのだが。

葬儀に集まっているのに、死体はそこに放置したまま、酒を飲んで、おしゃべりして、踊って、至る所で、相手も入り乱れて愛を語る。愛し合うことに貪欲なさすがフランス🇫🇷。とても彼らの感覚がわからない。見知らぬ他人が入って来ても警戒することなく一緒に食事をする。ブルジョワ感覚なのだろうか、とにかくのんきだ。

彼等のどんちゃん騒ぎと並行して、5月革命の方も状況がどんどん変わっていく。しかし彼らにとってそれがどれくらいの深刻な問題なのかもよくわからない。
ただブルジョワであるため革命によって標的にされた過去の歴史がしっかりDNAに残っているのだろう。いつ共産党がこの家を没収しに来るかわからないという恐怖は、ドゴールが逃げ出した情報が入ると、家を捨てて、山へ全員で逃げ出す。やっとそんな感覚なのかとわかる。
 ドゴールが絶大なる支持を得たとの情報で5月革命の嵐も去り、どんちゃん騒ぎも終わる。遺産相続にサインをして、皆が元の生活に戻って行ったあと、一人残されたのはミルだった。ラストのシーン、ミルがお母さんの面影を見つけ、二人踊るシーンを見て、やっと気持ちが落ち着きホットした。
でも、この映画そんな映画なのだろうか。

ミル役を好演したのは、フランスを代表する名優ミシェル・ピコリ。
私が初めてフランス映画を体験したカトリーヌ・ドヌーブ主演映画「めざめ」の相手役だった。「なんでこんなハゲと!」のイメージが強く忘れられない役者。

2023.05.30視聴246

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