五月のミルの作品情報・感想・評価

「五月のミル」に投稿された感想・評価

521号

521号の感想・評価

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フランソワーズの脚アップにする流れさらっとうまい
マリー=ロールが頬を打たれるのに移入するのもうまい

あとは脚本はたぶん、特に混みいったシーンなんかは、基本的に無骨というか、あまり洗練されていない印象
加えてルイ・マル作品に通じる、大人たちの素っ気なさはやはりここにも
それに対して子どもの無邪気さと危なっかしさを描くのはやっぱりうまい

アデルの相続からの落下のシーン、あのけたたましいコミカルさが実はルイ・マルの本領な気がしてならない
ザジでみせた一面は意外と彼のらしさだったのだと思う

山中の休憩のワンカット長回しは映画的というより舞台らしい、それ以外にもルイ・マルの演出は舞台の香りが漂うことが多々あるような気がする

一家と周りの人々が停滞を食らったのは、五月革命の地方への余波、この延滞が各々のエゴを引き出して、親和も拒絶も流動的なしばしの喜劇を呼び込んだ。
ルイ・マルのこういったの映画の王道と時事との掛け算におけるアイデアの豊かさには感服する。
goodbye

goodbyeの感想・評価

3.8
深刻な話と、日常のささいな会話が入り乱れる。
それぞれの死体との対話。
子供の無邪気さがピリリと効いていた。ミルと孫のやりとりが楽しい。
音楽のセンスがほんと良い。
ooospem

ooospemの感想・評価

4.5
ミルー!助けて!

階段を登るミルの母親は死にかけている。玉ねぎを切ったために、涙を流しながら。
ふらふらになりながら鼻歌を歌う。死を扱うテーマだが、これはもはや上品なコメディでは‥‥と作品の全体像を予感させるシーン。
案の定『五月のミル』は全体的に軽快なコメディタッチで描かれた作品だった。

わたしは『地下鉄のザジ』が大好きなのだけど、両者に通じるものは沢山あった。表向きの軽快さと、陰に潜む社会的な、皮肉っぽい視点が共生している。うわべの愉快さだけで笑ってばかりでいられないのがルイ・マルの奥深さ。


ブルジョワに対する皮肉も込められているだろう。しかしこれは、"人生を楽しむ"という生き方そのものへの賛歌のように見える。
母親が死んで親族が集まり、ガヤガヤ落ち着かない中やっとひとりになれたベッドの中で、涙を流すミルのシーンも、悪いけどどうもどこか滑稽である。フクロウがやってきた‥‥ほら、笑わせに来てる‥‥!

ミルの心情と性格をリズミカルに描きつつ、群像劇のような魅力も持つ豊かな映画だった。
音楽と、自由へのあこがれがつまったような映画。
舞台は五月革命時、フランスの片田舎。ドタバタ劇ながらシリアスさもあり掴みどころがないけれど、随所にみずみずしい感情や情景が光る。

DVDについてきた「ミルのまわりで音楽が」と題したライナーノーツもよかった。
老若男女のへだてなく、果ては貴賎や生死の境もあいまいになってしまうような一行。楽しげな合唱や軽やかなジャズの調べがそれを支えるのを観ると、成程お互いを結びつける音の響きが心に沁みる気がする。

ブルジョワだからそうなれるのだろうけれど、屋敷を母を芸術を自然を愛し、無邪気に川でザリガニを捕り、何度も食べ物を服にこぼす初老のミルが純朴で愛らしかった。
Machy

Machyの感想・評価

4.0
人間喜劇。割とフランスらしい映画。日本にはない風景も含めてゆったり楽しんでほしいです。

このレビューはネタバレを含みます

高校生の頃に、当時付き合ってた子とシネ・ヌーヴォーで観た。
「革命」をキーワードにしつつ、騒々しくも可笑しい映画。
デートで観るもんじゃないなと思った。
ルイ・マルのベストかしら。
フランスならではのピクニック映画で青々とした画面が魅力的だったなぁ。
ルイ・マルらしい。

翻弄されるブルジョワたちにクスリと笑う。
うわー。懐かしいな。
今はお洒落パッケージに
なっているんですね。

おじさんが満面の笑みで
沼に入っている前のんも、
印象的で好きだったけどなぁ。
(何やってんねん!って感じ)

ストーリーとリンクを感じるよ。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.0
『地下鉄のザジ』はストで地下鉄に乗れない少女のお話でしたが、こちらは革命に翻弄されるブルジョワのお話。五月革命に伴うストで、ガソリンは買えず、食料買えず、婆ちゃん死んでるのに葬儀もできず。裏で進行する大事件を尻目に一時の享楽にふけるブルジョワの姿は滑稽ですが、それを経ての「孤独」はなかなか哀れな気持ちにさせます。でも、子供にハッパ薦めちゃあかん。出川哲朗を超えるザリガニ芸が拝めます。
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