五月のミルの作品情報・感想・評価

「五月のミル」に投稿された感想・評価

sonozy

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3.8
ルイ・マル監督の1989年作。初見です。
タイトルとこのジャケットから、勝手に『地下鉄のザジ』の男の子篇的な内容をイメージしてました。笑;

主役のミルは白い自転車を大切にしている初老のミシェル・ピッコリさん。いい味です。

1968年の5月にパリで起こった五月危機/五月革命(ド=ゴール体制に対する学生・市民の反対運動)。
そんな中、南仏のヴューザック家では当主の夫人が急死し、長男のミル(ミシェル・ピッコリ)は親族を集める。

集まった皆さん、母の死の悲しみもそこそこに、五月革命の緊迫感もありつつ、遺産分配やら、身内間の自由恋愛やらのブルジョワ風刺的なコメディでした。

ミルは弟ジョルジュの妻リリーとイチャつくし、ミルの娘カミーユは公証人ダニエルと屋根裏部屋で何やらだし、レズの叔母クレールは連れてきた恋人(女性)マリーがジョルジュの息子ピエールといい感じになった腹いせにトラック運転手と皆の前で始めようとしちゃうし..
亡くなったお母さんベッドに3日も寝たままやないかい!笑

で、この大人たちのあれこれをずっとそばで見てる(ザジみたいな存在の)女の子フランソワーズがいるのも面白い。フランスのブルジョワの子供はこんな環境で育つのかと。笑

フランスの恋愛・性の自由さが花開いた?時代でしょうか。

ほっこり楽しめました。
otom

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4.4
伊丹十三のお葬式か今作か。革命と云う言葉が生み出す滑稽さが実に良く描かれている。良作。
colllina

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4.1
最近映画を観れていないのに結構強いのを観てしまったのだけど、
フランス語の先生が5月革命のことをさらっと教えてくれていたので楽しめた。

ルイ・マルのシニカルさが好きなのです。
マル映画に共通しているのか、いないのか、私はまだ3本しか観ていないので。

ロシュフォールの恋人たちを先日また観に行って(字幕とか色彩とかが恵比寿のときと
違った気がする、バージョンが違うのか)、
ミシェルピコリがなぜかあまりにも
気になってしまったため、(シモン・ダムはお気に入り)
ちょっと探してみたのです。

遺体が画面にさりげなく映りこむ構図がうまいなぁ。
ブルジョワのおかしさがなんともいえなくなる。
なんというか、ブルジョワたちは気持ち悪いのだけど、
そのブルジョワ特有の気持ち悪さが好きだなぁ。

あと、サントラがほしいなあ。
一向に効かぬ風刺 ルイ・マル「五月のミル」

この作品が公開された時には既にルイ・マルという名前に誰もが映画的好奇心がめっきり薄れており、とは言えジャン=クロード・カリエールという才能実績兼備の名脚本家の力をせっかく借りてるのだからせめてベルイマンの『ファニーとアレキサンドル』くらいに思ったほど悪くなかったという程度の感慨くらいもたらしてくれればと臨んだのだがそれも淡い期待だったようです。
この監督にコメディの才能が皆無なのは『地下鉄のザジ』という名の醜いフィルムで明らかですがロジェ・バディムとか呼ばれる女たらしと双璧のプレイボーイ時代があったのならスクリューボールコメディもどきくらいの仕上がりにしてくれればよいものを、どんなに贔屓目に見てもプレストン・スタージェスやエルンスト・ルビッチの足元にさえ到底及ばず結局『どんなくだらない映画にもひとつの真実がある』という鈴木則文監督の名言だけを信じて1時間40分という時間に耐えフランス映画の悪しき見本として後世の映画作家に回避するべき道を示唆してくれたんだな、と強引に自分を納得させました、とまで言えば言いすぎでしょうか?
521号

521号の感想・評価

-
フランソワーズの脚アップにする流れさらっとうまい
マリー=ロールが頬を打たれるのに移入するのもうまい

あとは脚本はたぶん、特に混みいったシーンなんかは、基本的に無骨というか、あまり洗練されていない印象
加えてルイ・マル作品に通じる、大人たちの素っ気なさはやはりここにも
それに対して子どもの無邪気さと危なっかしさを描くのはやっぱりうまい

アデルの相続からの落下のシーン、あのけたたましいコミカルさが実はルイ・マルの本領な気がしてならない
ザジでみせた一面は意外と彼のらしさだったのだと思う

山中の休憩のワンカット長回しは映画的というより舞台らしい、それ以外にもルイ・マルの演出は舞台の香りが漂うことが多々あるような気がする

一家と周りの人々が停滞を食らったのは、五月革命の地方への余波、この延滞が各々のエゴを引き出して、親和も拒絶も流動的なしばしの喜劇を呼び込んだ。
ルイ・マルのこういったの映画の王道と時事との掛け算におけるアイデアの豊かさには感服する。
goodbye

goodbyeの感想・評価

3.8
深刻な話と、日常のささいな会話が入り乱れる。
それぞれの死体との対話。
子供の無邪気さがピリリと効いていた。ミルと孫のやりとりが楽しい。
音楽のセンスがほんと良い。
ooospem

ooospemの感想・評価

4.5
ミルー!助けて!

階段を登るミルの母親は死にかけている。玉ねぎを切ったために、涙を流しながら。
ふらふらになりながら鼻歌を歌う。死を扱うテーマだが、これはもはや上品なコメディでは‥‥と作品の全体像を予感させるシーン。
案の定『五月のミル』は全体的に軽快なコメディタッチで描かれた作品だった。

わたしは『地下鉄のザジ』が大好きなのだけど、両者に通じるものは沢山あった。表向きの軽快さと、陰に潜む社会的な、皮肉っぽい視点が共生している。うわべの愉快さだけで笑ってばかりでいられないのがルイ・マルの奥深さ。


ブルジョワに対する皮肉も込められているだろう。しかしこれは、"人生を楽しむ"という生き方そのものへの賛歌のように見える。
母親が死んで親族が集まり、ガヤガヤ落ち着かない中やっとひとりになれたベッドの中で、涙を流すミルのシーンも、悪いけどどうもどこか滑稽である。フクロウがやってきた‥‥ほら、笑わせに来てる‥‥!

ミルの心情と性格をリズミカルに描きつつ、群像劇のような魅力も持つ豊かな映画だった。
音楽と、自由へのあこがれがつまったような映画。
舞台は五月革命時、フランスの片田舎。ドタバタ劇ながらシリアスさもあり掴みどころがないけれど、随所にみずみずしい感情や情景が光る。

DVDについてきた「ミルのまわりで音楽が」と題したライナーノーツもよかった。
老若男女のへだてなく、果ては貴賎や生死の境もあいまいになってしまうような一行。楽しげな合唱や軽やかなジャズの調べがそれを支えるのを観ると、成程お互いを結びつける音の響きが心に沁みる気がする。

ブルジョワだからそうなれるのだろうけれど、屋敷を母を芸術を自然を愛し、無邪気に川でザリガニを捕り、何度も食べ物を服にこぼす初老のミルが純朴で愛らしかった。
Machy

Machyの感想・評価

4.0
人間喜劇。割とフランスらしい映画。日本にはない風景も含めてゆったり楽しんでほしいです。

このレビューはネタバレを含みます

高校生の頃に、当時付き合ってた子とシネ・ヌーヴォーで観た。
「革命」をキーワードにしつつ、騒々しくも可笑しい映画。
デートで観るもんじゃないなと思った。
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