現代アート写真家ダイアン・アーバスの半生をオマージュした映画。
映画の方も現代アートな感じのする映画。
現代アート映画を別の言い方にすれば、ナルシストが作った意味不明な映画。

写真家の妻（ニコール・キッドマン）が同じマンションに住む全身が毛に覆われる病気の人（ロバート・ダウニーJr）に性的な興味を持つ（『毛皮のエロス』というダサい邦題はここから来ているのでしょう）

そこから先は、現代アート映画（つまり意味不明）なので、説明が難しい。
大人版『秘密の花園』であり、
夫も子どももいるのに、フリークス（異型の人たち）ばかりに興味を示す女の話しでもある。

最初と最後にヌーディストクラブのシーンが入るけど、本編とヌーディストクラブの関連性がいまいちよくわからない。
裸でいえば、ロバート・ダウニーJrが海に入るシーンは、前後のストーリーを考えると全裸になるべきだと思うけど、なぜかここのシーンではパンツを履いている。
やっぱり意味不明。

ダイアン・アーバス（1923-71）は20世紀の偉大な芸術家とされる米国の有名写真家。
40年代から夫と共に『ヴォーグ』『ハーパース・バザー』『エスクァイア』などの雑誌で活躍し、その後は独立。

なんとスタンリー・キューブリックの先輩であり、キューブリックを指導したらしく、ダイアンの死後、キューブリックは『シャイニング』の作中で、彼女の作品へのオマージュを捧げている（双子の女の子）


この作品はアーバス本人へのオマージュであり、伝記映画ではないと冒頭に釘を刺している。
あくまでフィクションであり、彼女の豊かな心の軌跡を象徴的に描いているドラマ。

ダイアン役のニコール・キッドマンが美しい✨本当に綺麗なので吸い付けられるように魅入った🥺


1958年ニューヨーク。ダイアンは裕福な家庭で育ち、優しい夫と18歳で結婚して2人の娘に恵まれ、何不自由のない生活を送っていたが、夫のアシスタントという作業に物足りなさを感じている日々だった。
そんな時、マンションの階上に覆面をした男が引っ越して来る。
ダイアンは以前からフリークな人たちへの関心が深かったので興味が尽きなくなっていく。
夫に仕事を休んで近所の人々を撮影してみたいと申し出て許され、ある日、上階を訪ねると、そこにはマスクを被った男が快く招き入れてくれた。
その男はライオネルと言い、全身毛で覆われている『多毛症』だった。ライオネルのフリーク仲間たちに会ったり、ライオネルと過ごす時間は今までにない高揚感で溢れていく。妻であり母であるのは重々承知だが、身体の内から発する欲望を抑えられなくなっていく...


ライオネル役のロバート・ダウニー・Jrがまた可愛らしい眼差しなので親近感が湧くし、物腰しが柔らかいので自然体になっていくダイアンの気持ちも分からなくない。

謎に満ちているのだが...
とても幻想的な世界観で私は魅了されました✨

• #邦題問題

変わり者、
抑圧された好奇心。
そして興味から変わる
無垢なる愛…。

実在の写真家ディアン・アッバースの空想なる伝記。事実とは異なるフィクションであるが、彼女が何故、心の翼を伸ばし、その世界へ羽ばたいたのかを描く、無垢な女性の姿を描いた佳作だ。

毛皮王である両親に育てられた良家の娘ディアン。写真家の夫を手伝いながら、二人の子に恵まれ、何不自由のない生活を送る彼女。彼女には抑圧された好奇心があった。普通でない事への憧れ、興味。少女の持つ感受性豊かな好奇心がそのまま残っていた。それ故…引っ越してきた覆面の謎の男に惹かれ、彼を訪ねてしまう…。

こう書くと題名とともにエロスを感じることだろう。だがこの作品、男性がそれを望み、見るべき映画ではない。寧ろ、女性に見ていただきたい映画だ。序盤、抑圧された心の表現としてエロス的な心象表現を表すカメラワークがある程度で、この作品がエロいと感じる方こそ、フリーキー(変態)だろう…。

彼女の興味は、普通でない者、変わり者(フリークス)に注がれる。彼女の実在の写真を見て貰えば分かる。フリークスと言う映画を見ている方もわかるはずだ。彼女は自らの心に従う。まるで彼らの純粋無垢な心に寄り添うがごとく…。だが家族をないがしろにしていく、そこには批判もあるだろう。だが、そこに彼女の幸せがあったとすれば、良かったのかもしれない。

演じるはニコール・キッドマン。不思議な役を繊細に演じる。その序盤から変化していく心を豊かな表情で表していく。彼女はこの難役を見事演じる。

そして彼女の心の扉を開く多毛症の紳士、我等がアイアン社長、ロバート・ダウニー・Jr。彼がメソッド俳優なんかもうやらないよと言う前の作品。まさにメソッド俳優の面目躍如な作品。顔は毛に覆われ、目だけで演技する。ある種人生を達観した役故に、叫んだり喚いたり一切しない、落ち着いた声で染み入る演技。その純粋な目に女性はやられるかもしれない。

近作の美女と野獣を私は見ていない。随分前に白黒のものしかみていないため、比べることはできないが、これはもう一つの美女と野獣の形な気がする。その無垢なる精神が。

でこれ、R18なんですよ。何故なんだろう。確かに題名はそうなんだけど中身は全く違うのに…

え？じゃあお前はなんで借りたんだって？そりゃあねぇ

エロいと思って借りましたよ(^^)で別の意味で当たりだったと(^^)

• #失われし20年を求めて