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親密さ
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目次

親密さの作品紹介

親密さのあらすじ

恋人同士でもある令子と良平は新作舞台の上演を間近に控えた演出家。コンビで演出をする彼らのやり方は、段々と限界に近づいているように見えるが、稽古を繰り返す間に2人の日常や想い、そして社会はゆっくりとだが、確実に変化していく。まるでほんのひと時、電車同士が並走して別れ去るまでの間のような、彼らの生活を描き出す。

親密さの監督

濱口竜介

親密さの出演者

平野鈴

佐藤亮

原題
製作年
2012年
製作国
日本
上映時間
255分

『親密さ』に投稿された感想・評価

菩薩
5.0
私は貴方ではなく、貴方は私ではない。

私は貴方の為に生まれて来たのではないし、
生きているわけでもなく、
貴方は私の為に生まれた来たのではないし、
生きているわけではない。

だから私が思う貴方は貴方ではないし、貴方が思う私は私ではない。

でもそもそも私は私ではないし、
貴方は貴方でもないかもしれない。

私には私の世界があり、
貴方には貴方の世界があり、
私には私の世界のルールがあり、
貴方には貴方の世界のルールがある。

でも私は貴方になりたいと思うし、
貴方にも私になって欲しいと願ってしまう。
私は貴方になれないし、
貴方は私にはなれないと分かっていながら。

私は一人で生きていく事が出来る。
貴方は一人で生きていく事が出来る。
でも私は一人で生きていくのは寂しい。
貴方は一人で生きていくのは寂しい?

集団と個、そして自分と他者の関係。暴力、その定義と意義。人生は幾らでも遅らせる事が出来る、諦める事も出来る、けれども人は必ず、死ぬ。それは酷な事かもしれないが、人を殺さず、自分を殺さず、そんな道を模索する選択肢が、我々には残されいるのも事実。

私は貴方が望む私でいられるであろうか。
貴方は私が望む貴方でいてくれるだろうか。
私は貴方を知りたい、貴方に私を知ってもらいたい、そう願ってしまうのは、罪な事だろうか。
境界線、それを踏み越える事、私の世界に貴方を招き入れ、貴方の世界に私が参加する事。


自分が毎日考えに考え抜いて、それでも全く答えが出ない事に、この映画は一筋の光を与えてくれた。文句無しの人生ベスト。私はこんな映画を観たいと思って生きて来た気がする。そしてまたこんな映画と交錯出来る日を夢見て、生きていけそうな気がする。やはりどうしたって、夜は明けるのだ。
4.5
 令子(平野鈴)と良平(佐藤亮)の2人はルーム・シェアしながら、演劇の夢に満たされ、共に夢を追っている。卒業公演に作られた良平作の演劇に2人は出演予定だったが、突如裏方に回ることを決意し、実行に移す。その時点での良平の反応は今作の主人公を演じられぬ悲しみでいっぱいだ。自分が劇団の長であると自覚する彼のエゴイスティックな行動は時として場に波風を立てる。恋人の令子を前にしても、良平の想いはどこか煮え切らない。彼氏としても作家としてもどこか煮え切らない表情を見せる良平の素を聞き出そうと、令子は様々な企てを考え、実行に移すのだが、一向に良平の閉じた殻は破れない。そのうち隣国で戦争が起こり、演じるはずだった男は出兵し、代役が舞台に上がる。実は濱口の東京藝大入学は一発合格ではないとトークショーで聞いたことがある。一度目の課題「戦時下の日常」で、見事に落ちた。その時の苦い経験が今作の出兵する描写に活きた。それは『ドライブ・マイ・カー』の岡田将生離脱からの西島秀俊の再登板とも無縁ではない。俳優養成の専門学校・ENBUゼミナールの演技コースの修了作品としてスタートした企画から生まれた約4時間の長編映画はまた、新作舞台『親密さ』を共同演出する2人を描く前編と、実際の舞台の上演を記録した後編の2部構成で描かれる。

 田園調布から新丸子への類まれなるロング・ショットの魔力に引き寄せられる。深夜未明から朝を迎えるまでの2人の道程。それは真っ暗な闇から少しずつ朝日が昇るまでの克明な記録でもある。様々な課題を積み残したままの舞台のスタートだが、ENBUゼミナールの学生たちの表情がそれぞれに素晴らしい。むしろ前半の自分たち自身を曝け出した戸惑いよりも、その後の舞台の場面で他人を演じるパートの方が生き生きとしている。トランスジェンダー的な違和を抱える者、そして郵便局員の男に秘かな思いを寄せる女。モノガミーと所有の間を易々と越えて行く女性。演出家として客席から見守る令子の姿は磔にされた状態だが、彼女の頬を伝う涙には少しも嘘はない。あれから数年後という表現は濱口竜介の習作期に頻繁に用いられた表現だが、気が狂いそうな日常の状況の中、どうにかしてここに留まろうとした令子は偶然、田町駅の山手線ホームで男と出会う。濱口竜介には幾つもの印象的な列車の場面があるが、クライマックスの陶然とした場面は奇跡のような瞬間が宿る。この終幕がもたらした圧倒的なカタルシスは2000年代の邦画史上、類を見ない。「言葉は想像力を運ぶ電車」という言葉は、濱口竜介にしか吐けないある種の才能だと考えている。私は濱口竜介の代表作は『ハッピーアワー』か今作だと思っている。今回は下北沢のオールナイトで観たが、何度観ても凄まじい傑作である。
一
3.5
『寝ても覚めても』『ハッピーアワー』の濱口竜介監督作品

ずーーっと観たかった作品で観る手段を模索している中、ようやくオールナイト上映で観る事ができました②

255分で四時間以上ある作品なので覚悟はしていましたが、オールナイトの二本目というのもあってさすがにどっと疲れが来る…笑

第一部のラスト間際の超長回し、第二部の知的で美しい詩のオンパレード、そして格段に短い第三部はクライマックスを含めて全てが文句なし素晴らしかった

しかしさすがに四時間以上ある作品でありながら、華のある役者さんたちでもなければ画面も移り変わりが少ない上に、物語に大きなアクセントがあるわけでもなく、ひたすら続くのは地味すぎる役者さんの地味すぎる会話

そんなこんなで本作を超える五時間超えの『ハッピーアワー』のように、時間を感じさせないほどどっぷり浸かれるストーリーではなかったというのが正直なところ

ただし時折挟まれる金言のような素晴らしいセリフ回しには鳥肌が立つほど感動したし、濱口監督は電車の使い方がとにかく巧すぎる
このラストを観られただけでも、四時間じっと耐えながら集中して観て良かった👏🏻

2021 劇場鑑賞 No.005

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