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アイス
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『アイス』に投稿された感想・評価

菩薩
3.5
まさに非常に極左暴力革命主義的映画、要するに乱暴かつ無軌道で奔放で懐疑的。同じく巨大な敵を相手とするもの同士が連帯を目指しつつも、結局は各々の主導権争いに終始している間に自滅していくその過程への超接近。革命的遊戯?遊戯的革命?むしろ闘争の本質よりも幼稚性を暴露してる様に見えてしまった節があるが、時代のうねりの揉まれる若者の葛藤の姿を正しく切り取った作品なのかもしれない。未来人やらロボットの下りがなんとも言えない余韻を残す…。革命、未だならず、か。
1960年代末期の革命運動を早々に総括し爆弾テロを予見したインディペンデントの社会派スリラー。監督は「ルート1 USA」(1989)のロバート・クレイマー。製作母体は同監督らが創設した反体制映像集団“ニューズリール”※。

1969年から数年後のアメリカ。独立革命組織全国委員会の若きメンバーたちは都市ゲリラの戦略会議を続けていた。メキシコ解放戦線が米政府相手に抗争を続ける中、彼らは春季作戦による世界革命を目指していた。しかし各国の同志とはまだ連帯できてはいない。委員会リーダーのロバート(ロバート・クレイマー)は地下新聞や自主制作ニュースフィルム上映により市民をオルグし、ゲリラ部隊は遂に「待機車・本部ビル・送信所」の爆破テロに成功する。一方、副リーダーのジム(ポール・マクアイザック)は政府情報を掴んでいる地下組織STMと同盟交渉を続けていた。しかし冬の山岳アジトに潜伏したメンバーたちは、やがて内的葛藤と不安感に支配されていく。。。

アメリカ版「天使の恍惚」(1972)と呼びたいところだが、本作は同時代の若松プロやゴダール=ジガ・ヴェルトフ集団の革命プロパガンダとは立ち位置を異にする。同じく革命闘争の内情を当事者として描いているのだが、本作では彼ら“ニューズリール”の未来シミュレーションを描き、早くも革命運動の限界を総括している。そもそもクレイマー監督の初志が“権力にコントロールされない真実のニュース映像を自ら撮影し上映(報道)する”ことだったので、そのジャーナリズム精神を顧みれば本作の在り方は必然的な帰結点だったと思う。結果、本作の内容を“敗北主義”と批判する声が内部で挙がり“ニューズリール”は分裂、クレイマー監督は脱退することになる。

都市ゲリラによる爆弾テロは東アジア半日武装戦線を、雪の山岳アジトは連合赤軍を想起させる。両者は数年後、日本における革命幻想を決定的に崩壊させた。実際、本作で分裂したニューズリールの数人は、同年に結成された武力革命組織ウェザーマン(後のウェザー・アンダーグラウンド)に参加し爆破テロを起こすことになる。

※「ワン・バトル・アフター・アナザー」(2025)でディカプリオが属していた過激派“フレンチ75”のモデルが”ウェザー・アンダーグラウンド“。

ジムが最後に電話で言及する組織STMについて。劇中では「State Transmutation Movement(国家変成運動)」と発音している。「革命」ではなく「変成」なのがポイントで、基本的には体制維持派=軸足は権力側と言える。焦りによりそれに気付かぬジムたちが、いつしか政府権力に取り込まれることを示唆して物語は終幕する。クレイマー監督が自らの革命運動を氷(アイス)のように冷静に自己批判してみせた事に感心する。

とは言え、心情左派として現在を生きる自分としては、劇中で再現される“ニューズリール”の反体制プロパガンダ映画が非常に興味深かった。

題名は「虚偽意識」。
虚偽意識とは、支配者から抑圧されている大衆が「自分たちを苦しめているはずのシステムや価値観」を、あたかも「正当で当たり前のこと」と勘違いさせられている意識を指すマルクス主義用語。同作では虚偽意識のサンプルを挙げていく。面白かったのでメモしておく。

■権力者が大衆に植え付ける虚偽意識の例
「不平等は原理上解消できない」
「経済維持には節約と増税が必要だ」
「悩み 忍耐 苦痛は 神の善に救われる」
「国民の自由 財産 自由企業を 共産主義者が奪おうとする」
「黒人から職を奪われたら失業する」
「この国を守る時が来る」

これら虚偽意識を植え付けられた人民は不自由さを自覚しない。
やがて虚偽意識は冷笑主義に転化する。

「家事や育児で多忙だから考える暇はない」
「役所には逆らえない」
「頼れるのは自分だけだ」
「親も私も働き者だった 生活苦は本人のせい」
「職業改善の努力はされている」
「まだ行動の時じゃない」
「闘争も社会変革も無理だ」
「専門家じゃないし分析しようがない」
「目的は良くても手段が・・・」
「全面的自由なんて夢物語」
「理想社会の追求なんて無意味」
「批判なんてできない」
「社会は良くなってる」


※“ニューズリール”とは
1967年にニューヨークで結成された「映画を武器」として扱う映画制作配給の活動家集団。インディペンデント映画の先達ジョナス・メカスが自身のスタジオを活動拠点として開放した。母体は1960年代アメリカにおける新左翼の最大組織SDS(Students for a Democratic Society /学生民主社会運動)。SDSの急進派が1969年に武闘革命組織ウェザーマンを結成する。
Juzo
4.9
近未来のアメリカを舞台に、地下革命組織の活動を追う政治映画。武装闘争や内部の葛藤を描きながら、革命という理想とその現実の重さを静かに浮かび上がらせていく。
ロバート・クレイマーの演出はドキュメンタリーに近く、手持ちカメラや即興的な演技によって、まるで実在する運動を記録しているような生々しい空気が漂う。運動の内部にある迷いや分裂をじっくりと見せていくのが印象的。
1960年代の政治的緊張や革命思想がそのまま映し出されたような作品。時代の空気を強く感じさせるラディカルな一本。

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