セピアカラーの20世紀初頭 ロシア・サンクトペテルブルク

青みを帯びたセピアから黄色へと変化する瞬間の爆発音なのかと思ったカメラで撮影するときのフラッシュの発光音が衝撃

ブルジョア階級のリーザと医者の養子となったシャム双生児のトーリャとコーリャたちは全くの無表情のやくざなヨハンによって人生を狂わされる

偏愛というかフリークス・SM好きの人間たちの野心の餌食にされる

小さな出来事が少しずつ崩壊していく方向に原因と積み上げられる
鬱屈したままほどける事がなかった
変態性のなかにノスタルジアを描いてるのを違和感ありながらもトーリャとコーリャの歌声に響いてくるものがあった

何度か流れていたモデスト・ムソルグスキー「展覧会の絵」を久しぶりに聴きました
愛をシンプルに表すのは難しい

1998年のロシア映画。
有名なトッド・ブラウニング監督の「フリークス」のような映画だと思ってDVDを借りてみたら全然違いました。
劇中にシャム双生児が登場します（おそらく本物のシャム双生児ではないと思う）
昔の無声映画を意識したような編集で、セピア色の画面が特徴的でした。
コミカルな演出なのですが、かなりネガティブなストーリーで、そこはとても好みの映画でした。

ロシアンエロティシズムと書いてたら観るでしょう！しかしそんな下品なものではなく全編ノスタルジックなセピア調で芸術的でした。二つの家族に謎の男が忍び寄り翻弄される話だが、めちゃくちゃされる訳でなく元々の変態部分を引き出されて自ら崩壊するという感じ。

盲目の母はSMの餌食(とはいっても尻を叩かれる程度)、結合双生児の息子達も全裸写真を撮られたり片方アル中にさせられたり(こいつら主役級)。でも全く嫌がってないどころか徐々に興味深々に。「フリークス！」って呼ばれちゃってるけどね！この息子達の歌声が美しすぎてこれだけでも観る価値あり。ちなみにショタチン見れます。

多くは語らず字面だけで状況を説明したりとサイレント映画ぽくもあり、この背徳感と退廃的な街の様子だったりとどこか異質でエロティックなロシアからの佳作。様々な皮肉や暗喩があったと思うんだけどちょっと私には難解でした！

• #性的倒錯
• #結合双生児