真っ黒こげ太郎

道化死てるぜ!の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

道化死てるぜ!(2012年製作の映画)
4.3
殺られたら、やり返す!

いつ(殺人ピエロ系映画の鑑賞を)殺るか?今でしょ!

お仕置きピエロの残虐かつクリエイティブな殺人技に注目せよ!




才能ゼロで子供嫌いな道化師スティッチーズことリチャード・グリンドル。
今日も今日とてトミー少年の誕生日パーティに訪問するが、悪ガキが仕掛けたイタズラが原因ですっ転び、顔面に包丁がぶっ刺さって死んでしまう!!!

それから6年、当時の悪ガキたちは皆ティーンエイジャーに成長し青春を謳歌していた。
が、6年前の誕生日パーティの時に目の前でピエロの死を目撃したトミーは悪夢に悩まされていた。

そんな中、クラスの皆でトミーの16歳の誕生日を祝うパーティが開かれる。
と共に、謎のピエロ軍団の黒魔術によって、スティッチーズが殺人ピエロとして復活!!!
パーティに乗り込み、かつて自分にイタズラを仕掛けた悪ガキ達に次々と復讐を果たしていくのだった。




悪ガキの悪戯が原因で死んだピエロが蘇り、復讐の為に悪ガキ共を殺りまくる、アイルランド産のスラッシャー・ホラー・コメディ映画。
監督は「ミート・オブ・ザ・デッド」のコナー・マクマーン(マクマホン)氏。

ピエロホラー祭り二発目は、タイトルオチってレベルじゃねーぞ!!なアイルランド産スラッシャーホラーを。
モロに某芸人のネタなこの邦題は、何でもニコニコ生放送の番組で決定したとの事。(マジでどうかしてるとしか言いようがない。w)


内容的にはどシンプルで「誕生日パーティーにガキの悪戯が原因で死んだピエロが、復讐の為に蘇って殺りまくり!!」という正にスラッシャーホラーとしてド直球な内容だ。

だが、前半は学生達のアレコレに尺が割かれており、本格的にピエロの殺戮劇が始まるのが後半40分からとやや遅め。
エグイ顔面ブッ刺しや金○もぎ取りといった残酷描写も展開されているもの、基本的に学生達のあーだこーだが垂れ流されてるだけなんで、テンポは遅い。


だが、殺人ピエロ君が乱入してからは、趣旨思考を凝らした残酷描写のオンパレードで一気に盛り返す!!!
腕チョンパや首チョンパは勿論、脳味噌をアイスみたいに抉り出したり、腸でバルーンアートを作ったりと、アイディア満載で弾ける様な景気の良いゴア描写が盛り沢山!!!
殺され役の数自体は少ないが、どれも特殊メイクでしっかり描かれ血も切り株も内臓デロリンも抜かりなくスプラッター映画好きなら満足できるだろう。
挙句「このゴア描写を見ろ!」と言わんばかりにスローモーションで丹念に描いている。流石だ。w

殺人鬼ピエロのキャラもコミカルで楽しく、小さい三輪車を必死に漕いだり、何故か主人公を追いかける際に高所で綱渡りをして落ちたり(フツーに追えよ)と、しょーもない子ボケの数々も見ていてクスッと来る。
(猫を気まぐれで(!?)叩き殺していたのはちょっとアレだったが。)

殺され役のガキ達も見事にクズキャラ揃いで、殺されても良心の痛まない面子なのも好感触。
ただ、その所為で何処までも”普通の青年”な主人公の影が薄くなってしまってる辺りはご愛敬。


ただ、前述の通り、ピエロの襲撃が始まるまでが遅いのが欠点。
合間に残酷描写も挟んでいるので飽きることは無いのだが、それでもピエロ大暴れはもっと早い段階で展開しても良かったんじゃないだろうか。
最も、今作は殺され役の数で言えば少ないので、早く始まったらスプラッターシーンの合間がダレたりしそうなので、難しい所ですな。


って事で、前半はちょっとアレだけど、後半からの殺人ピエロの残酷ショーは楽しく、間に挟んだ小ボケも中々良さげと、B級ホラーとしては上々の出来。
深い事を考えずにピエロの殺しテクや奇行っぷりを楽しむ分には申し分ないので、血みどろホラー好きなら是非どうぞ。

因みにエンドクレジットはNG集になっており、実にほのぼの。
…同日に見た他のピエロホラーもそうだけど、こういうのってNGシーンはお約束なんかねw

追記:最近知ったのですが、どうやら配信版では幾つかのグロ描写がモザイクやカットされてるらしいので、円盤を買うか近場やネットのレンタルで見た方がいいかもしれません。