謎の連続女性失踪事件が人々を震撼させている香港。元刑事の探偵・ジョンストン(アンディ・ラウ)は、天才的な直感を持ちながらある事件で視力を失い、その後は警察に協力することで生計を立てている。ある日、そんな彼に憧れる女刑事(サミー・チェン)が、子供の頃に行方不明になった少女を捜し出してほしいと依頼。ジョンストンは彼女をアシスタントとして捜査を開始するが、自己中心的なジョンストンと奇想天外な調査に女刑事は振り回され、身も心もボロボロになっていく。だがやがて、少女の失踪が連続女性失踪事件と繋がり、事件は思わぬ方向へと転がり始める。ここでは『ＭＡＤ探偵　７人の容疑者』のように、目が見えない状態ながら、心の目で犯人の心理をプロファイリングしていく神業を持つ元刑事の探偵を主人公に据えている。物語はシンプルで、ジョンストンと女刑事の他に、刑事時代の同僚だったシトと、彼が密かに想いを寄せる丁丁くらいしか出て来ない。

　その中でアンディ・ラウとサミー・チェンの夫婦のような掛け合いのうまさはさすがに共演回数を重ねてきただけの凄みがある。出会いの場面で、ついついお酒を呑み過ぎたアンディを、サミーが仕方なく部屋に泊めるが、朝方尿意をもよおしたアンディが、入浴中のサミーの風呂場に押しかけるドタバタ劇は、2人の呼吸がぴったりでないと出来ない芸当である。彼が目が見えないことを疑い、彼の目の前でモノをちらつかせてみたり、彼の目がまったく見えないことを知っても、休日に2人で会う時は、黒のドレスで精一杯オシャレしたり、サミー・チェンの等身大の可愛さは今作でも健在である。今作においてもやはり恋敵は突然現れる。せっかくおめかしして2人で初めて出かける時に、デリカシーのないアンディはサミーを好きな人のいる社交ダンス教室へと誘う。アンディの意中の人が自分ではなく、丁丁だと知った時のサミーの落ち込みっぷりがまた可愛い。アンディもアンディでそのまま恋を押し進めるかに見えたが、とんでもない事実を知り、意気消沈する。

行方不明になった少女を捜す中で、少女連続殺人事件の深い闇に気付いた2人は、まずラム・シューを取り調べ、その後、10人以上の少女を殺したサイコ・キラーに突き当たる。『強奪のトライアングル』での奇天烈なレザーフェイスぶりを知っているだけに、この2人の役柄は交代したほうが良かったかもしれないが、恋の行方を描くコミカルな物語の中で、ふいに挿入される冷ややかな猟奇ミステリーはあまりにも歯切れが悪い。だが視力を失ったアンディが車を運転する場面は、心底あり得ない強烈なインパクトを放つ。最初はサミー・チェンの片思いだった恋が、いつしかアンディ・ラウの心を打ち、彼女のことが少しずつ好きになっていくというジョニー・トーの恋愛映画の鉄板の名場面である。

⚪概要とあらすじ
香港の鬼才、ジョニー・トー監督が『イエスタデイ、ワンスモア』で組んだアンディ・ラウ、サミー・チェンとタッグを組み、盲目の名探偵の活躍を描くサスペンス。

目の見えない探偵ジョンストン（アンディ・ラウ）はその類いまれな想像力のおかげで、名探偵ジョンストンと呼ばれていた。以前同僚だった刑事シト（グォ・タォ）の部下で、ジョンストンに憧れを抱く女刑事ホー（サミー・チェン）をアシスタントに、ジョンストンは少女の失踪事件の捜査を開始する。ジョンストンの想像を超えた捜査にホーが振り回される中、事件は大きく発展し...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“香港を震撼させる謎の失踪事件。盲目の面探偵が暴き出す、驚愕の真相－”

｢死ぬ｣

⚪感想
クライムサスペンスアクションラブコメディ作品。

とにかく盛り沢山なんだけどかなり見やすくまとまっていてゲラゲラ笑いながらサスペンスやラブストーリー、クライムを楽しめる。

ジャケットはかなりシリアスだけど全然そんなことない。

盲目である設定がとにかくあらゆる場面で活かされている。笑いにも危機にも。

主人公のジョンストンは盲目である代わりに豊かな想像力を兼ね備えている。
網膜剥離によって4年前に盲目になり真っ暗で何も見えない。

ジョンストンの想像の中での出来事が現実と重なり繰り返され、被害者や加害者たちと交わることで謎がどんどんと解けていく。
想像力の中で描かれた内容が事実の時もあれば間違いの時もある。

失踪事件だけではなく未解決事件を同時進行で追うので所々｢ん？｣となるけれど上手く解決するので分かりやすかった。

ジョンストンとホーの夫婦漫才がとにかく面白くて永遠に観ていられそう。
キャストの二人は『インファナル・アフェア』で夫婦役だったみたいだけど奥さんそんな登場しない気がしたからわからん。でも名コンビ。

ジョンストンを演じるアンディ・ラウ。『インファナル・アフェア』のイメージが強かったけどコメディーも余裕でできるんですねって感じ。本当に盲目かのような目線と動きにびっくり。
アンディ・ラウって超超超可愛いね。
ジョンストンとしてはかなり破天荒なんだけど憎めないし凄く可愛い。金にうるさいし、自由人だし、食欲旺盛。香港版シャーロック・ホームズってところ。

ジョンストンを支えるホー。ジョンストンに憧れを抱いているだけに基本なんでも許すし、やれと言われたことはやる。とにかく破天荒で自由気ままなジョンストンに振り回されるけど嫌じゃなさそう。かなり我慢強くて足が早い。いつも元気ハツラツなのがおもしろ可愛い。

コメディーとしての味付けがかなりいい塩梅でクライムサスペンスでありながら楽しい作品を観た感覚で終わる。

登場する食べ物がよく分からないけど全部美味しそうでこんな夜中に観てしまったものだからお腹が減って仕方がない。

エンディングのデュエットのような歌が作品に合っているし、歌詞も良かった。



⚪以下ネタバレ



物語の中国はホーの友人シウマンも関わっている失踪事件なんだけど物語が進むにつれて真相が明かされていく。

冒頭でジョンストンが液体を撒く犯人を見つけ尾行するシーンはハラハラドキドキ。見つけて電話するもシトの方がジョンストンを監視していて早かったので懸賞金を貰えず。
犯人に液体をかけられそうになって、｢イケメンだからは顔は〜｣みたいなことを言っていて直ぐにジョンストンが好きになった。
ホーのアクションも凄かった。
その後病院で腕を怪我したことに加え、手柄を横取りされて激おこなジョンストンが面白すぎた。靴まで投げるし、拾わせる。

ホーはジョンストンに憧れているらしく失踪事件の解決を依頼しアシスタントに。一緒に食事をした際、ジョンストンがグラスを落としそうになるもホーの華麗な手さばきで回避。事件の依頼を承諾したジョンストンだが50万ドルだった契約金がホーの家がお金持ちだと分かると100万ドルに。
ホーの家でのトイレ探しやピンポン玉での距離を測る行動が面白かった。

以来の途中ダンススタジオ前で美女を待つジョンストンとホー。実は盲目になる前に恋に落ちた女性が居た。ホーの力を得てアプローチしに行くも実は当時自分の相棒だったシトが彼女と結婚していた。しかもジョンストンは彼女に一目惚れをしていたけど彼女はシトに一目惚れをしていたという。自分がキューピットみたいになっていたし。
会いに行く車の中で逆さまの彼女の似顔絵掲げてニヤニヤしているジョンストン最高。
ホーはジョンストンのことがかなり前から好意を抱いているので彼女の元に連れていった時はオコだけどジョンストンが振られたのがわかった時は嬉しそうだった。その時点ではジョンストンはホーをめちゃくちゃブサイクだと思っていて｢友達に笑われるからブスはいや｣みたいなことを言っている。
シトは謝罪するもジョンストンがオコでジョンストンは高級料理店でフカヒレを食べて奢らせちゃうのが可愛かった。

カジノではかつて人を二人殺し、今も犯罪を続けている男を追い詰める。
ホーがめちゃくちゃ男を挑発するのがめちゃくちゃ面白い。カジノのおば様たちの真似をしてタバコ五本ぐらい吸ってひたすら罵声を浴びせる。だけど結局犯人が狙ったのは盲目のジョンストンの方で急に危機一髪ってなるんだけどジョンストンは冷静。カジノでのクシャミとタクシーでのクシャミが伏線となって気づく。そのあとは携帯で写真を撮って送ったり、食べ物を砕いて目潰しがわりにしたり、木に登って逃げたり。その後も危機が続いたけどホーの登場で難を逃れる。

失踪事件では失恋した女性が鍵ではないかと考え始める。それぞれ失踪した女性たちの状況をホーに演じさせる。時にはタトゥーを入れさせ、階段から突き落としたり、リストカットをさせたり、ビンタしたり。ビンタシーンはジョンストンだけホーに優しくしてもらい、ジョンストンは本気。最後にホーが本気でビンタして頬っぺを冷やしながらご飯。
全てを演じきったホーが役に入り込みすぎて目が腫れまくりの声ガラガラなのが笑える。そして犯人もタクシー運転手だと目星が着く。犯罪が起きていない期間から犯人を割り込み、一番食べ物が美味しいところにいる犯人のところへ。車の中で二人がイチャイチャしているのが観ていて幸せ。
犯人は狂っていて半裸に殺した女の子のテニスパンツとシューズを。ホーもジョンストンもやられそうなるが危ないところでジョンストンが瓶に落ちた銃をうち殺すことに成功。しかし、失踪事件の犯人によってホーが撃たれ命の危機に。盲目のジョンストンが車を運転するシーンは無茶だとは思うけど必死さが伝わってきて頑張れって思う。事件が解決しホーが血を大量に流し気を失いそうだったこともありジョンストンがホーを好きなことを告白する。通りに出ることができ、ホーの手術も無事成功したが犯人が隠して遺体にシウマンはおらず、失踪事件は関係なかったことが判明。

ジョンストンは一人で真相解明に。入院しているホーに連絡し｢愛してる｣と伝えるとホーの心拍数は異常な上昇。面白すぎて死ぬ。しかしそこでホーは想像力でジョンストンの死を予見し、超特急車椅子からジョンストンを追いかける。

シウマンの出来事については重要な部分が所々に入るので一括で。
シウマンの祖母や母は恋に落ちた男性を殺していた。死体を母は塩漬けにし、祖母は素揚げに。祖母に会いに行くも恋に落ちた相手のクローゼットの中に忍び込み引越しについて行こうとしていた。その後も追い出されるが追いかけ再びクローゼットへ。
シウマンは振られ悲しみタクシーに乗ったかのように思えたが実はクローゼットに隠れ27日間を過ごし好きだった人をブラジルまで追いかけた。すぐに会うのは危険と考え整形をし再会、結婚、妊娠するも彼は気が多く職場の女性と不倫を。怒った彼女は二人を殺してしまう。運悪くそこにジョンストンが来て難を逃れようもするもシウマンが破水。助けようとし刺される。そこへ失踪事件の犯人に撃たれ入院していたホーも駆けつける。ジョンストンは自分よりもシウマンの出産を手伝えと言う。シウマンは出産するも死亡。ジョンストンも死んだかに思えたが子供の性別を聞き女の子だと知りガッカリしていた。

シウマンは序盤で知らされずに登場する。彼女が好きだった男性が料理屋を開いていてそこの従業員と不倫していて問い詰めたり、そこで話したポルトガル語など伏線はあったかも。
シウマンのことを問い詰めた時に男がチャーハンやロブスター炒めの味が変わって焦っているっていう展開が好き。少しヤバいやつらしく今も昔も動物に虐待を加えていた。ホーが想像力で見たのはこの男性が殺鼠剤をジョンストンに食べさせ包丁で首を指すところだった。めちゃくちゃ見当違いだった。

最期はジョンストンとホーとシウマンの娘の三人でご飯を。かつてホーが靴が壊れ追いつくことの出来なかった犯人を万全の体制で追いかけて終わり。

入院シーンでジョンストンはホーをスーザン(男性に見える女性警官だったかな)似だと思っていたけれど顔を手で触ってみたら想像以上に美人で嬉しそうにしているのがほっこりした。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。

• #GYAO!2021
• #GYAO!2020

コメディタッチのミステリー
過激！！

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盲目の私立探偵ジョンストン。独自のスタイルでいくつもの事件を犯人逮捕に導いて来た。そんな時、武闘派の女刑事に迷宮入りした少女失踪事件の解決を依頼される。

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一目惚れした女性を親友？に奪われ、その女性にもからかわれる辛過ぎた笑

それにしても女刑事を叩いたり、突き飛ばしたり、手を切り刻ませたり、タトゥー入れさせたりと大分過激だった

テニスのスカート履いて眼球食べてた男、やばい😅

執着心こえー