名探偵ゴッド・アイの作品情報・感想・評価

「名探偵ゴッド・アイ」に投稿された感想・評価

★ 白杖と昭和歌謡曲と連続失踪事件と

問題作『MAD探偵』と繋がった物語。
…と伺ったので鑑賞しましたが、実際には「主人公の特殊能力が同じ」なだけ。世界観や物語は直接つながっていませんでした。

そして『MAD探偵』と違ってコメディ要素が強い…とも耳にしていたので、それを念頭に置いて鑑賞したのですが…うーん。想像以上にアクが強いというか…昭和の香りがするというか…。

物語の根底に流れている価値観も。
美醜や面子を大切にし、男尊女卑を煮詰めた感覚。これも昭和の香り…というか、香港(中国)ならでは、なのでしょうか。主人公がヒロインに強権的なのは不快感が募るばかり。まったく共感が出来ませんでした。

これは物語として致命的でしたね。
コミカルな演出が目立つ作品なので、現実との縁(よすが)は登場人物たちの感情。その部分で躓いてしまえば、待っているのは睡魔の誘惑だけなのです。

また、本作のキモである“盲目”の必要性。
これも正直なところ、首を捻りたくなる始末でした。中立的な(ポリコレ的な)立ち位置を望んでいるわけではありませんが、やはり作品としての“意味”が欲しかったところ。

ただ、そんな中でもキラリと鈍く光る輝き。
それは根底に流れる猟奇的な腐臭。
冷蔵庫の中に肉片が詰められ、古い瓶の底には白骨が転がり、殺鼠剤であぶくを吐く…そんなグロテスクな日常風景。

考えてみれば、これも“昭和”。
確かに昔は地上波でエロもグロも放映していましたし、笑いも涙も恐怖もひとつの皿に盛りつけてありました。そんな“ごった煮”の感覚。とても懐かしい気分になりましたよ。

まあ、そんなわけで。
土曜ワイド劇場を彷彿させる合成ゴムの臭いに満ちた作品。ジョニー・トー監督らしいハードボイルドを期待すると肩透かしだと思いますが、昭和歌謡曲のような雰囲気が嫌いでなければ…試してみるのもアリだと思います。

また、鑑賞するときの注意点として。
本作には食事の場面が多く出てきますので…深夜の鑑賞は太る原因になるかもしれません。

あー。鉄板焼きに行きたい。

このレビューはネタバレを含みます

 全盲の元刑事の探偵と女刑事が少女失踪事件を追いかけつつドタバタする話。

 冒頭、洗剤巻きちらし男を捕まえるために盲目の主人公が尾行をする。そこに女刑事も一緒に捕まえようとする。この冒頭の紹介シーンからしてホングコングコメディ全開で、アンディ・ラウさんのハイテンションなお芝居が堪能できる映画でした。
 女刑事の依頼で少女失踪事件を捜査するのが本筋。けれども基本はドタバタ劇をベースにしたミステリーなので、このテンションについていけないとキツイ映画だと思いました。

 主人公の名探偵は事件の加害者被害者の気持ちになっての妄想がビジュアル化して事件の関係者と妄想上で会話したりしますが、この手の推理物ではよくあるものでそんなに目新しさを感じることができませんでした。その妄想でひらめいて犯人に迫っていく。
 けれども途中から少女失踪事件は忘れ去られ、カジノをしたり失明する前に恋していた美人さんとダンスするのに忙しかったりとかなり中だるみしてしまいました。その場その場では主人公のキャラクターでの魅力で引っ張ってくれてますが、本筋はいっさい進んでいないという。

 そして失踪した少女たちは失恋した人ばかり、そこからタクシー運転手が犯人だ! と無茶苦茶な推理で真犯人に迫って行って容疑者が上がり、アクションシーンへと展開してきます。ここも無茶苦茶で主人公、車運転しちゃってます。
 コメディにミステリーでありラブコメである無茶苦茶な映画ですが、130分引っ張られるジョニー・トー監督の勢いで見せてくれる映画で面白かったです。
『痩身男女』のコンビで送る『盲探』。ジョニー・トゥらしい色々盛り合わせ。面白いのか面白くないのか微妙なセンス。またアンディ・ラウのくそ真面目な演技が!でも結果満足して終了。心に残る数々のシークエンス。一つのジャンルに捕らわれず複雑な後味を残すトゥ節を堪能。香港映画らしいな…としみじみ。あ、香港の女優さんたちの体を張った演技に拍手。悲愴な気配で食べ続けたアンディにも!
滝和也

滝和也の感想・評価

4.0
助けてー!殺されるー!
主人公が何度も悲鳴を上げる!

盲目の名探偵が
凄まじいカンで犯人に
迫る衝撃の珍品?!

「名探偵ゴッド・アイ」

流石映画秘宝で押されていた推理サスペンスの傑作だけあって凄まじい破壊力、力づくで捻じ伏せてくる作品でした(笑)。

元刑事である盲目の探偵ジョンストンはそのカンと冷静なプロファイリングによる推理で犯人逮捕に協力していた。その力を目の当たりにした女刑事ホーは小学校時代に失踪した友人の捜査を依頼。アシスタントとして捜査を開始するが、その先にあったものは、猟奇的な連続失踪事件だった…。

盲目と言う設定だけでも飛び道具なのに、アンディ・ラウ演ずるジョンストンの俺様キャラ、更にドMとしか思えないホー刑事とのコンビが更に事態を混乱させ、コメディなのか、マジなのか迷って見ている間に猟奇場面がぶち込まれ、まさかの伏線がばら撒かれていた事に気づかず、呆気に取られた内に終了すると言うまるで力ずくでぶん投げられたような…。ある意味新鮮で面白かったとしか言いようがない作品。

冷静になってみればバディものでラブコメなんだけど、それだけで括れない異常なパワーを感じました。アンディとホー刑事演じるサミー・チェンのコンビが抜群に上手くテンポを作り、トンデモナイ話を成立させちゃってます。

サミーの一途さと言うか、可愛さと言うか、最早ドMの域に突入するキャラが引っ張り、盲目故にあからさまにピンチを引き起こす俺様のジョンストンのキャラと徹底した演出が融合し、恐ろしい終盤へと誘ってくれます。あの犯人登場あたりからは正にカオスとしか言いようがなく…。最終場面のカオスと言ったら史上最高レベルでした。

ジョンストン自体はプロファイリングと徹底した被害者への同化と言う推理方法で犯罪者に近づいていくのですが、こちらもかなり力ずくで(笑) ストーリーテリングも決して滑らかではなく、異常な感じで進みますので我慢は必要かと(笑)

でも、私は大好きです(笑)溢れる熱気とパワーに押されて加点です。そう何かオカシイ…そんな作品です。
aaaaa

aaaaaの感想・評価

4.0
アンディ・ラウ、サミー・チェン主演作品。
監督は巨匠ジョニー・トー!

網膜剥離が悪化して全盲になり、刑事から名探偵となったジョンストン、香港警察の女刑事ホーとの珍捜査を描いた、ラブサスペンスコメディ!
コメディとは言え、全編ブラックな笑いが多く、残酷描写もかなり多いので、見る人をかなり選ぶ作品かも。
アンディとサミーは、今まで色々な作品でも名カップルとして演じてきたけど、今回は相当ストレンジなラブストーリー。
アンディとサミーの実況検分は、もはや霊感やオカルトとしか言えなくて、全編笑わせてくれる。
アンディが超美食家と言う設定で、全編ひたすら食べまくってるお腹が空く作品。今回は三枚目の役ですね。

ジョニー・トーも、かなり気合を入れて作ったせいか130分超えの長尺。 若干物語を詰め込み過ぎた感じもするかな。
とは言え、ここ近年のアンディ作品では一番面白く、目が離せない作品。事件の真相はあまりにも意外な方向に。
変わったラブストーリーが好きな方にはオススメ。
まぁみ

まぁみの感想・評価

3.7
コミカルでユーモア満載っ!!
盲目の探偵と腕っ節が強くて
とても可愛い乙女な助手と
事件を暴いていく作品⤴⤴
推理ものとしてもとても面白く
探偵の女心の分からなさや
めちゃくちゃなことをされても
追いかける助手のヒロインが
強烈に可愛いかったです♡
韓国映画では、とても斬新に
感じました(^-^)
ジョニー・トーとアンディ・ラウ、サミー・チェンの組合せならと期待しすぎた。この映画のジャンルは何?みたいなまとまりのなさ。アンディはコミカルだけの役は似合わないと思った。
てぃだ

てぃだの感想・評価

4.6
 超面白い。「失恋した少女」ばかりを狙った失踪事件を追うために、わざわざヒロインを10回も蹴り飛ばしたり階段から突き落としたり張り倒したり罵倒したりタトゥー刻んだり失恋に追い込む展開に大笑いwwwwやりすぎ。その極端すぎる「やりすぎ」さがとても気持ち良い一本。この探偵はとにかく料理をひたすら食べて食べて食べまくることで捜査する。見終わった後に中華料理がしこたま食べたくなる。「イケメンは顔が命だ」とか「イケメンには美女がお似合いだ」とかナルシスト満載な盲目主人公が独りよがりな恋に走り失恋する展開にも大笑い。目が見えない主人公が必死で車を運転しながら愛を叫ぶ展開には思わず泣く。続編求む。
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 謎の連続女性失踪事件が人々を震撼させている香港。元刑事の探偵・ジョンストン(アンディ・ラウ)は、天才的な直感を持ちながらある事件で視力を失い、その後は警察に協力することで生計を立てている。ある日、そんな彼に憧れる女刑事(サミー・チェン)が、子供の頃に行方不明になった少女を捜し出してほしいと依頼。ジョンストンは彼女をアシスタントとして捜査を開始するが、自己中心的なジョンストンと奇想天外な調査に女刑事は振り回され、身も心もボロボロになっていく。だがやがて、少女の失踪が連続女性失踪事件と繋がり、事件は思わぬ方向へと転がり始める。ここでは『MAD探偵 7人の容疑者』のように、目が見えない状態ながら、心の目で犯人の心理をプロファイリングしていく神業を持つ元刑事の探偵を主人公に据えている。物語はシンプルで、ジョンストンと女刑事の他に、刑事時代の同僚だったシトと、彼が密かに想いを寄せる丁丁くらいしか出て来ない。

 その中でアンディ・ラウとサミー・チェンの夫婦のような掛け合いのうまさはさすがに共演回数を重ねてきただけの凄みがある。出会いの場面で、ついついお酒を呑み過ぎたアンディを、サミーが仕方なく部屋に泊めるが、朝方尿意をもよおしたアンディが、入浴中のサミーの風呂場に押しかけるドタバタ劇は、2人の呼吸がぴったりでないと出来ない芸当である。彼が目が見えないことを疑い、彼の目の前でモノをちらつかせてみたり、彼の目がまったく見えないことを知っても、休日に2人で会う時は、黒のドレスで精一杯オシャレしたり、サミー・チェンの等身大の可愛さは今作でも健在である。今作においてもやはり恋敵は突然現れる。せっかくおめかしして2人で初めて出かける時に、デリカシーのないアンディはサミーを好きな人のいる社交ダンス教室へと誘う。アンディの意中の人が自分ではなく、丁丁だと知った時のサミーの落ち込みっぷりがまた可愛い。アンディもアンディでそのまま恋を押し進めるかに見えたが、とんでもない事実を知り、意気消沈する。

行方不明になった少女を捜す中で、少女連続殺人事件の深い闇に気付いた2人は、まずラム・シューを取り調べ、その後、10人以上の少女を殺したサイコ・キラーに突き当たる。『強奪のトライアングル』での奇天烈なレザーフェイスぶりを知っているだけに、この2人の役柄は交代したほうが良かったかもしれないが、恋の行方を描くコミカルな物語の中で、ふいに挿入される冷ややかな猟奇ミステリーはあまりにも歯切れが悪い。だが視力を失ったアンディが車を運転する場面は、心底あり得ない強烈なインパクトを放つ。最初はサミー・チェンの片思いだった恋が、いつしかアンディ・ラウの心を打ち、彼女のことが少しずつ好きになっていくというジョニー・トーの恋愛映画の鉄板の名場面である。
じゅんP

じゅんPの感想・評価

5.0
不器用さやリスタートをこんな風に肯定されたら、もう一生ジョニー・トーについていくしかない。どれだけ嬉しくさせてくれるんだ。

2人の時間を紡ぐためだけに費やされた全時間・空間。想像力を欠いたら人は目減りするし、逆も然りですね。

香港版の圧倒的に正しいジャケのBlu-ray欲しい…。
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