いつか行くべき時が来るの作品情報・感想・評価

いつか行くべき時が来る2012年製作の映画)

Un giorno devi andare

製作国:

上映時間:110分

3.4

「いつか行くべき時が来る」に投稿された感想・評価

失恋したばかりで、それだけでなく自分の進むべき道についても悩んでいた時期に見て、さらに憂鬱の奈落に突き落とされた本作。数ヶ月は引きずったかな。何かから逃げるようにイタリアからブラジルに渡り、そこでまた傷つき動けなくなっていく主人公の姿が自分と重なり、今はそこで丸太みたいに転がっていても、いつか勇気を振り縛って旅立たなくてはいけない、『いつか行くべき時が来る』というタイトルがそのまま自分に言われているようで。

rai cinemaのオンデマンドで本作を見つけて、久々に見直してみようと思ったのだけど、またあの憂鬱の海に溺れるのが怖くて再生のクリックができない。結局、あの失恋をまだ完全に克服してはいないし、自分の進むべき道についても不安だらけだ。いつか、正面から向き合う勇気を持てることを願って。

***

いくつかのシーンを見返していくうちに、映画をもう一度見たいという気持ちが湧いてきた。あの時は自分を重ねすぎて、憂鬱なばかりな映画だと思っていたけど、今見るととても美しい映画だった。まだ言葉を十分に理解していなかったから、とても感覚的にストーリーを理解して、当時の自分の心境に共鳴する感情を強く感じてしまったのかもしれない。

ポルトガル語のゆったりとしたリズムの心地よさとハンモックに身を埋める感覚への憧憬。キリスト教の宣教者たちを中心に現代社会との接触を持ちつつあるアマゾンのコミュニティに始まり、近代化された大都市のフィットネスクラブと、そこに隣り合わせるスラム街、そして誰もいない白い島。そこに時折差し挟まれる冬の北イタリアの風景。そういったブラジルを巡る様々な現実を丁寧に映し出しながら、見失った人生の意味を探し求める女性の姿を静かに見つめるまなざしがいい。

2016. 50
Clara

Claraの感想・評価

3.2
途方もない悲しみを抱えた30歳のアウグスタは、新たに生きる意味を求めてブラジルへ向かう。
母の友人である修道女が行うアマゾンでの布教活動に同行したり、都市スラム街で生活をして過ごす。
その中で、現地の人々との交流などが、少しずつ自分を取り戻すきっかけになる。
しかし、スラム街で親しくなった人の子どもが、突然亡くなってしまう。
それを機に、彼女はまた苦しむようになり、1人孤島で過ごすようになるが、親しくなった人が物資を提供しに来てくれたり、遊びに来た子どもと触れあうことで、また1歩進みだす。

アマゾンの厳かな自然を堪能できる、美しい映像。
ブラジルが抱える貧困や人身売買などの問題を見てとれる作品を、日本で目にする機会は少ないから、貴重な1本かと。

主人公が抱える悲しみの真実や、スラム街での赤ん坊行方不明事件の真相など、検討はつくが、本当のところはどうなの?と謎が残る点がチラホラ。
観る側に解釈を託しているのだろう。

病院でのブラジル式の祈りの言葉が素敵だった。
生かされていることに深く感謝するような祈りで。