多様な目の作品情報・感想・評価

多様な目2013年製作の映画)

Per altri occhi

製作国:

上映時間:94分

3.9

あらすじ

登場するのは、理学療法士、企業家、彫刻家、ミュージシャン、テレフォンオペレーター、退職者、チェロ弾きの学生。彼らに共通すること、それは目が見えないことだった。ヨットやアーチェリーなどのスポーツをする人もいれば、写真を趣味とする人もいる。彼らの前向きな生き様を見つめることで、驚くべき世界が新たに開けてくる。

「多様な目」に投稿された感想・評価

まさわ

まさわの感想・評価

4.2
イタリアの視覚障害者10人のドキュメンタリー。ヨットやスキー、写真、チェロ、野球、アーチェリーなど趣味を謳歌している皆さんの力強い言葉の数々にハッとした。
「目が見えなくて可哀想と言われることもある…でもわたしのほうが能力もあって幸せかもしれないわよ?」と笑った女性。「障害者はみんなそうなの?」とよく言われる、でも障害にも個人差があるし自分以外がどう感じてるかなんて知らないよ!と爆笑しながら話してくれた夫婦。「障害と本人の気質は別物なのに、なぜだか障害者を善良なひとと決めつける」と言い切る音楽家。
前半、視覚障害のある彫刻家が母子像を彫っていた。マリア像なのかなと思ってた。後半に彫刻家の妻子が登場し、妻は彼と結婚するとき周囲から「でも彼はあなたの顔を知ることができないね」と言われたそうだ。しかし「彼はわたしたちの顔を知ってる。見えてますよ」と答えた後に映し出された前述の母子像が、驚くほど妻子に似てて、涙が出た。そう、夫には妻と子の顔がちゃんと「見えて」いる。
Kaoru

Kaoruの感想・評価

3.6
イタリア映画祭にて鑑賞。

実体験の中から自分と深く向き合い何度も何度も考え抜いてひねり出された言葉はどうしてこんなにも聞き手の胸を打つのでしょうかしら。

10人の視覚障害者がただただひたすら自分の日常を通じて感じたことを語っているドキュメンタリー。目の見えない人の話なんて、目の見えた日々から事故などの転落、そして幸せを見つけるという作品が多い中で、この作品は全然違う。ここに出てくる人たちはとっくのとうに目が見えない状況を受け入れてしまって毎日を楽しく生きている。当然監督がいるから様々な指示や指導があったにせよ、全て本人たちの思い思いの言葉で語られる内容に驚愕してばかりだったわ。

チェロを勉強しながらアルペンスキーでメダルを獲ったジェンマは「(点字の本だから)暗い中でも読めるし、車でも酔わない」と笑って言うし、ピアニストのルカは世界中を旅しながら、ひたすら写真を撮り続け(目が見えないにも関わらず!)「視覚が奪われると聴覚が研ぎ澄まされるというけれど、そうじゃなく心が研ぎ澄まされる」と言うし、クラウディオとミケーラは夫婦揃って周りの人が好奇の目を向けてくることを笑いながら話す。なかでも彫刻家フェリーチェが指の感触ひとつで大理石から人を生み出す凄技に感動しないでいられなかったわ。

お涙頂戴はなし、気の利いたストーリー展開や面白さはなし。多くを語るほど親切な監督ではないけれど、全てリアルにいきている人々の日常と言葉ということに感動です。
AS

ASの感想・評価

4.0
障害をハンデにしていない点。飽くなき向上心には頭が下がる。嫉妬さえしてしまうほど有意義な人生を彼らは歩んでいる。
時折、画面がブラックアウトするのが印象的