ウディアレンらしい作品。

元ギャングの主人公とストリッパーだったその妻と仲間たちは、銀行の並びにあるピザ屋があった店舗を借り、穴を掘って銀行の金庫から金を盗もうとする。
店を借りて何もしないのは怪しいということで、妻が始めたクッキー屋が大流行りして成金になってしまい…

ウディアレンが主役のウディアレン監督作は、当たり前だけれど似たような感じになるのね。あの独特の雰囲気と動きがそう思わせられるのかな。
ヒューグラントが出てるとなんか面白そうに見えるマジックってあると思うの。
うちの家内はウディアレンが嫌いでヒューグラントが好きなんだけど、逡巡しながらチラ見してました。気持ちはわかる。

深夜のウディアレン三本目
皮肉づくしなのに脱力系っていう矛盾してるけどしっくりくる世界観が私のツボ全押し。次も次も観たくなってしまう、ウディアレンが子供のように足に絡みついて離れてくれません。
壁から水が噴き出るシーンが大好き。フランチャイズ展開には笑ってしまいました。
なんてハッピーな世界なんだろう！

• #おいしい生活

ウディ・アレンがちょっとおバカな元ギャングでとんでもない銀行強盗を企むという、他の作品とは少し違うキャラクターが面白い。
本当ダメダメなレイは、皿洗いでコツコツ稼ぐ事が耐えられず、昔やった銀行強盗をやろう！と仲間を募り、妻のフレンチーと共にカモフラージュのクッキー店を営むことになるのだが・・・

銀行強盗じゃなくって、フレンチーのクッキーが大人気となってしまう前半のコントみたいな前半は笑えますが
貧しくて教養のない夫婦がひょんな運命の悪戯から「成り上がり」のセレブに
なかなか皮肉な後半はちょっと切ない。
フレンチーは確かにレイと同じく育ち悪くて趣味悪いかもしれないけど、クッキー作りの天才で、ちゃんと上昇志向を持った女性だっただけにこのレイと共に生きなければ違う運命もあったのかも？とふと思っちゃいましたが、この作品が伝えたかったのはその更に奥にある夫婦のあり方や向き合い方について。
大人として未熟な2人と共になんか成長できた気分になりました。

前半と後半全く違う視点でコミカルなウディ節で楽しませてくれる本作。
インテリ生活に辟易したレイが、
「高級料理は飽きた。化学調味料で味付けされたギトギトの中華料理がいい」
とかそういうふか〜く共感しちゃうセリフも含めて好きでした。