スウィート エンジェル マインの作品情報・感想・評価

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こぅ

こぅの感想・評価

4.0
人里離れ離れた森の中で繰り返される虐待と死の
歴史…。

カーティス・ラドクリフ監督のデビュー作で
埋もれた佳作【サイコ・ホラー】。

冒頭、森の中を必死に逃げる男…そして…

行方不明中の父の捜索で父が消息を絶ったカナダ
の町に辿り着いたポール(オリヴァー・ミル
バーン)は、町外れの美しい島でルシーン(マー
ガレット・ラングリック)という女性と出会う。
彼女は母親ミーガン(アルバータ・ワトソン)と
2人で農場に住んでいた。
ポールとルシーンは惹かれ合うがミーガンはそれ
を許さなかった…。

空撮や木造のトンネルを疾走するカメラワーク、
エレアコによる音楽、美しいがどこか不気味な
ロケーション。少しグロいシーンは現実では無く、
悪夢や妄想で描かれる。
娘よりも母親の方がセクシーだった。

【サイコ】+【シャイニング】など併せた不思議
なムードの心理ホラーだ。
初見より2度目3度目の方が味が出る⁈タイプの
作品なのかもしれない。


【哀しき余韻】を残すラストも良い。
行方不明になっている父親を探す旅に出た青年ポールがたどり着いたのは奥深い森の島。そこで二人きりで農場を切り盛りする母娘に出会うが…。

森の中で繰り返される虐待と死の歴史。母と娘は呪われた血によって固い絆で結ばれ、聖域に足を踏み入れる男たちを排除していく。

大して面白くなかったペスト×ホラー映画『シックハウス』を手掛けたカーティス・ラドクリフ監督のデビュー作ということにただただ驚きを隠せない。とんでもない映画を観てしまった…。間違いなく今年観た映画の中でベスト1位。

心寂しくも詩的で、まるで古いアルバムをめくるようなノスタルジーな雰囲気に終始包まれた悲しい悲しい物語である。オリヴァー・ミルバーンとマーガレット・ラングリックの演技もナチュラルで良かったなあ。

そして自然観察のために作られた長いトンネルがまた不気味だ。何故ならそれは聖域を侵す男たちが歩む死への道のりなのだから。

観終わった後でも余韻がひたすら押し寄せてくる忘れられない作品。埋もれるには余りにも惜しい。

ちなみにビデオ題は『猟奇殺人心理』という身も蓋もないウンコみたいなタイトルなのでこれを付けた人は正直に出てきなさい。