「私は幸せになりたいだけ。愛してるならほっといてよ。」

大人の恋愛映画。なんだか結婚が嫌になってしまった笑

こんなクソな男がこの世にいるのか？と疑問を抱いたが、結局のところ、男はみんなクソなんだという結論に至った。

幸せにも賞味期限はありますよね。

弁護士として働くトニーはスキー場で大怪我を負い数週間のリハビリを受けるために専門施設へ訪れた。リハビリをする中で、トニーはジョルジオと過ごした波乱に満ちた自分の人生を振り返り、足の怪我と共に心に負った怪我も治そうとする。

ぜひ！！

あぁぁ〜〜
無性に腹が立つッ〜〜
女を幸せに出来ないタイプの男。
捻くれてるねじ曲がってる。
不幸にして喜ぶタイプ。
最低。

　スキー事故で負傷したトニー、リハビリに励みながら、ジョルジオとの出会いから今に至るまでの日々を振り返る。激しく恋に落ち結婚し、妊娠するが・・そこには愛だけでは超えられないたくさんの試練があり・・・

　今、足が動かずリハビリに励む。ドキュメンタリータッチの冷めた描写で、その落胆の日々を綴り、幸せしかなかったジョウジオの出会いから回想していく。そこにはきらびやかな笑顔、未来しかない二人の幸せな日々があり、今と対照的に映すことでその時がいかに幸せだったかを感じさせる。二人の出会いは運命的で、すぐ恋に落ち、結婚。トニーを演じるのはエマニュエル・ベルコ。今と過去の表情の違い、前髪アップにするだけで年齢や疲れをしっかり感じさせる表情になっている。ジョルジオはヴァンサン・カッセル。浮気ばかりで女の天敵みたいな男。だけどいつだってサプライズを忘れず、女の喜ばせ方を知ってる魅力的な男を絶妙な感情の起伏を見せながら演じている。脇役にはルイ・ガレルもおりしっかり存在感を放っている。

　物語としては今と過去が同時に徐々に時間を進める形で描写。今の状態も徐々に回復に向かい、友達が出来、トニーにも笑顔が戻ってくる。不幸の中にも些細な喜びや幸せが漂っており、逆に幸せしかなかった過去にも問題が徐々に起こり、今が過去を超えていく。愛しているがそれが生活となると、愛だけでは割り切れない問題が起こる。しかし時に”愛”がそれを超えてしまう。何度もゆるし何度も離れてはくっつき、結局離れる事が出来ない。イライラむずむずさせられながら、言葉では表すことのできない”愛”を見る。どうしうもなく憎たらし。でも愛してる。それが破滅に向かうとわかっていても、なかなか前に進むことが出来ない大人達の愛の形。

　しかし確かに二人の愛の軌跡は小さな形となりこの世に残された。愛し愛された濃厚な年月は全く無駄ではなかった事を、その存在を眺めるたび感じさせるのだろう。愛とは脆く危険で、違う自分を作り上げてしまう。しかしその小さな存在を前にすればごまかしは利かない。そうしてその存在をみればどれだけ愛されていたかがわかる・・