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暖流 (再編集版)
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『暖流 (再編集版)』に投稿された感想・評価

さぶりどんの誕生日という事で。
三四郎

三四郎の感想・評価

4.9
日本映画史に燦然と輝く恋愛メロドラマの最高傑作。美しく高貴な令嬢を地でいく高峰三枝子のクールな雰囲気とドライなセリフ回しが光り秀逸。

この映画より美しいラストシーンを未だ嘗て見たことがない。
頬に溢れる涙を見られないように、見せないように打ち寄せる波の海水を両手にすくって顔を濡らし、振り向いて渡されたスカーフで顔を覆い「すみません」と言い残し海岸線(砂浜)を走り去ってゆく…。美しすぎる、ただひたすらに美しい…。

当時の青年たちが『暖流』を見て、「君は啓子(三枝子)派かぎん(光子)派か」と人気を二分し、彼女らどちらかを憧れ幻と胸に抱きつつ戦場に散っていったという伝説が残る。それほど影響を与えロングランの大ヒットとなった作品だ。

この映画は、人間の複雑な心理を丁寧にスクリーンに描き出した作品である。キザな徳大寺が三枝子に言いよる場面では、思い通りにならぬ悔しさと怒りを枝を折ったり、それを振り回すことで強調している。わかりやすすぎて笑ってしまうが、メロドラマには極端な演出がつきものであり必要不可欠なのであれで良いのだ。
最も興味深い心理描写の演出がなされているのは喫茶店の「白黒対照」シーン。白黒映画だからこそ描ける世界がそこにある。


【喫茶店シーン分析】
窓外にニコライ堂を眺められる喫茶店で、啓子(三枝子)は婚約者笹島(徳大寺)の元愛人で看護婦の堤から話を聞き、「笹島と堤の関係についての噂」は本当かどうか自分で確かめる。この時、啓子の洋服は縞模様となっている。これは「婚約者の噂・疑惑」の真偽を確かめる啓子の複雑な心理描写と言えるだろう。堤の方は黒地の着物だ。その他小道具について考察すると、テーブルクロスは啓子側が白、その上に置かれたコーヒーカップも白、対する堤はそれらが全て黒となっている。どこまでも潔白な啓子と、笹島に遊んで捨てられ、自殺まで考えた暗い過去を持つ堤、この二人のコントラストがそのシーンを見るだけで明確にわかる。

次に、同じくニコライ堂を眺める喫茶店で啓子とぎんが向かい合い、テーブルを挟んで会話をする場面。ここでも同じ演出技法が使われているが、もう少し複雑になっている。無論コーヒーカップ、テーブルクロス、服装はすべて白黒対照である。
具体的にそこから読み取れることは、会話と時間の流れと共に二人の気持ちが徐々に変化していくということだ。
二人の前にコーヒーカップが運ばれて来た時、キャメラが映しているのは啓子には黒、ぎんには白のコーヒーカップが運ばれてきたということ。
しかし、二人が話し始めた時、コーヒーを飲むために啓子もぎんも取っ手のある方を右側にするためコーヒーカップを半回転させる。するとコーヒーカップの色が逆転し、啓子が白、ぎんが黒となるのである。つまり、このコーヒーカップは半分が白、もう半分が黒に塗られたものなのだ。そしてこのワンシーンは、以下のことを鮮明に印象づける。
啓子は白い洋服、白いコーヒーカップ、白いテーブルクロス、そして彼女の顔が映されたとき、白い花(花はテーブルの上の花瓶に生けてあるもの)も画面の枠内に映っており全てが白で統一されているということ。白で統一されているのにはもちろん意味がある。この時啓子は、日疋(佐分利)から告白され、それを承諾するか否か保留にしている情況だ。しかし、啓子本人もこの告白を満更でもないと思っており、幸福を感じている。よって明るい白でその心理状態を描写していると言える。
一方、ぎんの方は対照的に黒く映る和服、黒いコーヒーカップ、黒いテーブルクロス、黒く映る小さな花となっている。何故なら、彼女は日疋を愛しているが、日疋からは疎まれ避けられているように感じているからだ。そして、病院を移ろうとさえ思い詰めている。
二人の会話の中で、ぎんは日疋に対する熱い思いを語り、それを感じとった啓子。この時二人の視線がぶつかり火花が散ったと同時に意思疎通したのである。啓子は席を立ち、黙って窓からニコライ堂を眺める。旧友ぎんの力になろうと思い始めているのだ。ここでバックにショパンの「別れの曲」が流れている。つまりこれは啓子の胸中の暗示。ぎんも立ち上がり、二人で窓際に並び立つ。そして、啓子は、ぎんが座っていた席の方へ腰かける。黒いテーブルクロス、黒いコーヒーカップのある側に。ぎんは白いテーブルクロス、白いコーヒーカップのある側の席に腰を下ろす。ここで、二人は微笑み合い、お互いコーヒーカップを交換する。ここで啓子は黒いテーブルクロスに白いコーヒーカップ、ぎんは白いテーブルクロスに黒いコーヒカップとなる。啓子はコーヒーを飲むために取っ手のある方を右側に持ってくるので再びコーヒーカップを半回転させることになり、黒いテーブルクロスに黒いコーヒカップ、ぎんは白いテーブルクロスに黒いコーヒカップとなる。
この後のシーンは、二人を交互に正面から映しており、彼女たちの胸元にあるコーヒーカップの白と黒の境界がわかるようになっている。彼女たちのお互いの恋愛を思い合う複雑な心理描写を白黒のコーヒーカップにより表現しているのである。

今までの場面で描かれている二人の心理描写から読み取れる内容をまとめると、
優勢だった啓子が日疋を一途なぎんに譲ろうと考え始め、ぎんは、啓子の表情を読み取り、啓子も日疋を好きなのだと知り複雑な気持ちと共に敗北を感じる。
しかし、最後、啓子側は洋服以外すべて黒色なのに対し、ぎんのテーブルクロスが白であることからも暗示されるように、最終的に啓子は日疋をフリ、ぎんと会って話をするように忠告する。日疋は啓子にフラれたその帰り道、自分の家の前にいたぎんと話し、彼女の自分に対する愛情を知り、ぎんとの結婚を決める。
しかし、ここで忘れてはいけないのは、啓子の洋服は白のままであったことだ。つまり、彼女自身は自分の意思通りに行動し、彼女の理想を貫いたのである。喫茶店シーンにおける最後、啓子側のテーブルクロスとコーヒーカップが黒に統一された時、ある決意を固めた彼女の正面を捉えたキャメラは胸元にあるコーヒーカップを映していない。胸から上を映し、彼女はこう言うのだ。「石渡さん、任せてくださらない?…わたくし、日疋さんに言うわ」

この一連のシーンで重要な心理描写の演出は「白黒対照」であること以外にもある。例えば、テーブルクロスに置かれた花瓶に生けてある花の色と大きさ。テーブルを挟んで話す女性二人の表情を交互にアップさせた時、花は必ず顔のサイドに映り、それぞれの心情を表すものとなっているのである。

何故、啓子は日疋をぎんに譲る気になったのか。
佐分利演じる日疋が体現したのは、近代の、いや当時最先端をいっていたビジネスマンの手法である実力主義。三枝子演じるモダンな令嬢啓子が体現したのは、優等生的理想主義。つまり、佐分利のガツガツとした書生上がりの手段を選ばぬスマートさに欠けた実力主義は、中産階級以上(ブルジョワ)の洗練され、自己意識、独立心を持った三枝子の優等生的理想主義にとっては相容れぬものであり、拒絶される結果となったのである。
まるこ

まるこの感想・評価

3.8
戦前の映画

昔の奥ゆかしい美学っていうのかな。
みんなぷんぷん色気あって
本当に素晴らしい。

病院の再建をさせる男と
そのお嬢さん
そして看護師、医者

ただ、私はラストはうーんかな。
この時代にはきっと合ってて
これも美学のうちだと思うけど。

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