ハロウィンの夜、そのビデオを観てはいけない！


今年もハロウィンですねえ🎃
渋谷での週末の狂騒は若干控えめだったらしいですが、そもそもハロウィンはコスプレしても許される日ではありません。
怖い映画をピザでも頬張りながら観てキャーキャー騒ぐ日なのです！
（↑これも違う！）

そんなわけで本作、邦題からは全然わかりませんでしたが、ダミアン・レオーネが手掛けた「All Hallows' Eve」の続編なんですって。
何故か続編のみが日本へ上陸をはたしています。
さて、昨今の怖いピエロの人気にあやかって国内盤DVDが発売されたアート・ザ・クラウン先輩が前作では大活躍していたのですが、何と今回は登場せず。
代わりに、マイケル・マイヤーズを気取ったカボチャ仮面が出てきますが果たしてアート・ザ・クラウン先輩不在で大丈夫なのか？！

・・・・・って、大丈夫じゃなかった（汗）
いやはや、前作もアート・ザ・クラウン先輩以外は割とどうでもよい出来でしたが、本作は更にパワーダウン。
前作の３編から8編と短編の数は増えたものの、それぞれの尺も短いので内容も薄くなってしまったのか、標準的なレベルに達していないものが多くて退屈でした。
加えて、オープニングとクロージングも明らかに退化していて、何の捻りも無いことに逆に驚きです。
唯一、（前作でも不思議だった）いまどきVHSデッキを普通に所有しているという疑問に対して「ホラー映画はVHSで観るべき」という確固たるポリシーを持った女子であった、というエクスキュースを提示している点は面白かったですが、同時に「なんだよ、その強引な理由は」と呆れたのも事実。
別にもう呪われたDVDで良いんじゃね？と思ってしまいましたよ。

まぁ、ともかく。
ハロウィンの夜に一人きりの女子が外を覗くと、こちらをじっと見るカボチャマスクを被ってナイフを持った男が。
男は玄関ドアの前に一本の汚れたVHSテープを置いてゆきます。
止せばいいのに、何の逡巡もせぬままビデオを観始める女子。
いやいや、普通は怪しすぎて観るの悩むものでしょ（汗）！

で、そのテープには女子をビビらす8編の恐ろしい映像が収録されていました。
以下、それぞれの短評となります。


第1話「ジャック・アタック」3.１点
ハロウィン。姉弟がカボチャの飾り🎃を仲良く製作中。
カボチャをくり抜き、中身を取り出す。
まだ幼い弟くんは「脳みそみたいだ」と大興奮。
カボチャの種をレンジでチンして、それをオヤツに食べたところ事態は急変！
弟くんが白目をむいて倒れてしまったのだ。飼い犬が心配そうに吠える中、お姉さんは種が喉につまったと推測、弟くんの喉に包丁をつきたてる。
すると、弟くんの腹が尋常じゃないほどに膨らんできて・・・

とりあえずグロい。
本作通して、唯一のグロさ。
でも、同じような話なら「ハロウィン2016」にもあったような気がするし、あちらの方が単純に面白かったですね。


第2話「ラストハロウィン」1.5点
仮装をした子供たちが「お菓子を頂戴」と家をまわる。
ある家の主人はモニター越しに「お前たちにやる物などない。帰れ」と冷たく突き放す。
それでも食い下がる子供たち。
「何かあげれば」と言う妻に、男は頑なにに首を縦に振らない。
それは一体何故なのか・・・？

これは、お話の内容は分かるのですが世界観の設定がよく分からないので終始、観ていて霧がかかった様。
絶望的なのは良いですけれど意味不明でオチも弱い。


第3話「供え物」1.０点
車を走らせる親子。
やがて深い森の奥に到着する。
年老いた父親は、ある者への「供え物」を用意していたが、「肉」を忘れてきたことに気付き、激しく動揺するのであった。

酷い親父系。
正直、つまらなかったです。
父親が何故、あの行動に出たのかが説明不足な気がして、モヤモヤします。
結局、恐ろしい何かが何者なのかもサッパリ分からず、それにもモヤモヤしました。
何も見せてくれないという事は、こちらに想像の余地さえ与えてくれないんですよね。


第4話「ディセント」3.２点
会社の同僚が待ち合わた時間になっても現れないので、主人公が家を訪ねると同僚が血まみれで死んでいるのを発見してしまう。
しかも殺人犯もまだ家の中にいた！
クローゼットに隠れ、息をひそめる主人公。
その時、階下に置いてきた携帯が鳴り始め・・・

前半と後半でクッキリ分かれる短編で、本作の中ではマトモな出来。
緊張感があるし、口笛や携帯の着信音も効果的に使っています。
でも、オチは途中で読めちゃいますね。
同じプロットのが「世にも奇妙な物語」に既にあってもおかしくない（苦笑）


第5話「マゾヒスト」3.６点
カーニバルに遊びに来た３人の少年。
とあるアトラクションのオヤジに呼び止められる。
それは「マゾヒスト」というゲームであった。
回転盤に磔にされた男はマゾなので、どうぞトゲトゲボールやナイフを投げて喜ばせてやってくれと言うのだ。
気弱な少年はやめておくと拒否するが、他の2人は嬉々として凶器を投げつける。
悲鳴をあげる男のマスクがとれると、気弱だった少年は・・・

メチャ、テンポが早い。
なので余計に尺が短いが、それで正解なお話。勢いがあります。
あんなモノをぶん投げるのはレ●ー●●イ●ぐらいかと思っていましたが（苦笑）、惜しむらくはグロさは無いってところ。


第6話「ボーイズライフ」1.５点
父親を戦争で亡くした母子。
父親を失ったからなのか、夜にひとりで寝るのを異常に怖がる息子に手を焼く母親。
「怪物なんていないのよ」
そう言って今日も寝かしつけたが、息子が仕掛けた罠に何かがかかるのであった。

子供の頃、誰しもが感じたであろう「クローゼットの怪物」や「ベッドの下の殺人鬼」をベースとしたお話。
息子の妄想に疲れ果てる母親は、それでも息子のためにある行動に出るのですが、短編の割には丹念に母子関係を描いて好感はもてます。が、オチがこれなら長すぎでしょう。
まさか本当にこんなありきたりなオチだとは思わず、逆に驚きましたよ（汗）


第7話「トリッカー氏の楽しみ」3.7点
檻にいれられたドクロの仮装した者。
鎖に繋がれた者。
そして、彼らの生殺与奪の権利を持つ者。
それは、ハロウィンの飾りつけに異様な拘りを持つキチガイオヤジであった。

これは異様な世界観が好みでした。
とにかくヒドイ。
出だしが謎で興味をひくし、ザラついた映像の質感も雰囲気に合っていて良いですね。
田舎町に本当に居そうで怖い。


第8話「アレクシア」2.9点
SNSの画面を注視する男。
ディスプレイに映し出されているのは元カノのサイトであった。
やがて、現在の彼女からメッセージが届く。
「彼女は自殺したのよ。いい加減に忘れて。そのページも削除したほうが良いわ」
そう、男が振ったことを苦にして元カノのアレクシアは自殺していたのであった。
悩んだ末に男は削除をクリックした。
だが、そこから異変が始まる。
ディスプレイに映ったものは、アレクシアの不気味な姿であった。

完全にJホラー。
貞子かよ（苦笑）！
不気味さは出ていますけれど、どこかで見たような演出しかないし、新鮮味ゼロ。
だからこそ安定感はありますが・・・
オチも普通すぎですが分かりやすいので、お子様や夏の怪談番組が好きな方にはウケそうでしたね。


前作も短編自体はハロウィンと殆ど関係なかったのですが、本作はハロウィンが舞台なのとそうじゃないのと混在しているので何となくまとまりも無いし、テープを再生すると次々と短編が流れるだけなので非常に淡白。
もうすこし奇をてらってくれても良さそうなものなのに、やる気も面白味にも欠ける残念な仕上がりでした。
なお、点数は各短編の点数を足して割った平均点です。
プロローグ及びエンディングに関しては総合して1.3点。
何の驚きもないのが逆に凄い（汗）

ハロウィン🎃に観るにしても、オススメしかねます。
あまりにも暇なハロウィン🎃でしたら、3.0以上のだけ観ても良いかもしれません。


アマゾンプライムビデオにて

• #オムニバス
• #ホラー
• #ハロウィン

全部で8本のオムニバスホラーです。

あらすじは
①カボチャの種を喉に詰まらせた話
②お菓子を貰いに来た子供を追い返したら酷い目に合う話
③父の墓のお供え物を忘れた話
④殺人を目撃した女性。6週間後殺人犯とエレベーターで鉢合わせるが…
⑤人が縛られてる所に物を投げて遊ぶアトラクションの話
⑥怖がりな息子が家に怪物がいると言い始めた話
⑦ハロウィンの飾りつけを頑張るおっさんの話
⑧死んだ元カノのSNSを見る話

④がぶっちぎりで1番良かったです。
設定が面白いし、オチも好み。

つまらない作品もありましたが、全体的には面白い作品が多く、最後まで退屈はしなかったです。

オムニバスホラーが好きなら楽しめると思います。

• #オムニバス

１話目の姉貴の思い切りの良さに惚れるｗ。
「何だったのよ結局」な話ばっか。読後感ポカンで腹も立たない。
ちょいちょい人間観がユガんでる監督が撮ってそうなエピソードもありクスクス。今後何かの映画で名前を見かけたら「あーあン時の」って思うことにするわ。
そのための記録。
いいかげんに撮ってる感じがしないのは不思議。