【第90回アカデミー賞　長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート】
ヤンス・フォード監督作品。ベルリン映画祭パノラマ部門に出品、サンダンス映画祭でも審査員特別賞を受賞した。

胸が締め付けられるドキュメンタリー。黒人の男性が撃たれて亡くなったのに白人の加害者は不起訴になったという事件を追った作品。

もちろん犯人に腹が立つのだが、それ以上に陪審員の描写が強烈だった。全員白人、お喋りしたりゲームをしている陪審員もいたという。被害者の母親がそれを強く訴えていてもらい泣きしそうになった。

アメリカに巣くう人種差別をストレートに描き出した作品。「正当防衛」というその判断は正しかったのかを問う。オーソドックスなつくりだが人物のアップが印象的に使われ、こちらに語りかけてくるようだった。

• #第90回アカデミー賞

黒人問題のドキュメンタリー。

殺された黒人の妹が監督なこともあり、ある意味ドキュメンタリーとして失敗しているように感じた。

客観性が弱い。
言いたいはよくわかる映画だった。

黒人男性が妹を乗せて運転中
白人男性の無灯火レッカー車に突っ込まれた。
白人側は
警察沙汰にしないなら
自分は修理屋だから車を直してやるという。
後日、友人と修理工場へ行き
その場で白人男性に射殺されてしまった事件。
なのに、加害者は不起訴。
ドキュメンタリー。

同行した友人は外にいて
事の成り行きを見ていないが
事件の前に
「アイツがお袋をバカにした」と怒っていたらしく
その事で口論になったよう。

黒人と白人の事件では
黒人だからこんな目にあったという論調になりがちだけど
全てがそうではないはず。

なんだけど
これは明らかにおかしい。

初動から白人を擁護した警察

撃ったのは明らかなのに
手錠もかけずパトカーどころかリムジンに乗せた。
何でリムジン？？？
乗り込む前に白人と警官は
かなりの時間話してたという

一緒にだった友人は連行され
署で体の大きさを窘められてばかりで、何が起きたかも
教えてもらえず…
おそらく何とか黒人の友人に
何らかの非をでっち上げようとしているように思える。

起訴するかどうかの大陪審は
全員が白人だったというのも
たまたまなのかね…？

要するに白人側は
正当防衛を主張したのだが
その事について司法は
ハナから掘り下げる気など
無かったと思える。
チャチャっと終わらせた感じ

後でわかるのは
白人側は
車を盗み部品を売りさばくという前科があった。
それを被害者ウィリアムが
咎めてもいたらしい。
撃たれる前に揉み合いも無く
いかなり撃たれていた。
それで正当防衛？ほんとに？


殺された兄が
人を脅したりするような人物ではないという思い。
家族と友人によって
彼の人となりが語られる。

事件へのやりきれなさ…
それだけではなく
夢半ばで命を絶たれた1人の男性のドラマとして響く力作