浪人生の風呂田潤の家は歯科医院で地方都市にある。風邪で歯科医大の受験に失敗し予備校の特待生となった彼であったが、この夏は欠席を続け部屋でネットゲームばかりしているひきこもり生活を送っていた。潤は決められた道を歩むことに疑問を感じていたのだった。歯科医だった父は潤が2歳の時に死去した。現在は母と祖父、そして海外から帰国した叔父の久が歯科医師として家が継がれている。ある日、潤は父の遺品の中から見つけた手紙で、父が臓器提供者であったことを知る。手紙は提供を受けた7人の患者からの感謝の内容だった。それは家族の間で潤だけには秘密とされてきた。大事なことなので大人になったら話すと。予備校の講師達や潤の後輩の女子高生ななが心配して潤の部屋を訪れるが、懐疑的な潤は彼らをぞんざいに扱う。家族にもイラ立つ潤はしかし、ほとんど記憶にない父の、臓器提供とは何だったのかを考え始める。
物語は、生まれたときから自分が死ぬ日(デスデイ)を知っている世界で、人々は何歳のデスデイに死ぬかわからない中、暮らしている。主人公(森田剛)の数奇な人生を切り取ったもので、3部構成されてお…
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>>続きを読む神の島・奄美大島を舞台に、二人の少年少女の初恋と成長を通して描かれるのは、限りある時間の中で人が持つべき「生きる覚悟」と、人生に真摯に向き合う者たちの愛と無常。 魂が浄化されるような壮大な…
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