渋谷・ユーロスペースの特集企画「アキ・カウリスマキが愛するフィンランドの映画」で鑑賞。
チラシのあらすじは次の通り。<1970年代、息子が見つけたある手紙によって、絵にかいたように理想的な家庭が崩壊してゆく。両親の離婚、引っ越し、父の再婚、そして暴力。二人の息子は親の事情にふりまわされながら大人になるが…。>
繊細で、思慮深く、傷つきやすい主人公の兄に対し、弟は陽性であっけらかんとしている感じのありがちな兄弟像。兄は、両親という暴れ馬に振り落とされそうになりつつも、自分を見失わないように手綱を握りしめ、バランスをコントロールする様が“カウボーイ”なのかも。何故、「ラスト」なのかはわからないけれど。
家庭崩壊に関しては父親がクズにしか見えないのだけれど、兄弟が小さい頃はとても良き父親だったりするから始末が悪い。一方、可哀想で同情の余地がある母親だったが、次第に追い詰められていくと子どもとの関係も…。そして兄弟が成長すると、父親はやはり、それなりに…。
親の都合に翻弄されるという点については、誰しも共感できる部分があるような気がするし、自分自身も親として子どもを翻弄しているだろうなあとも思う。
生きづらそうな雰囲気が漂う長男は、人生という荒野を一人で行かなければならないと…。女性が主人公だったら、もっと違う物語になるのかしら。
●物語(50%×4.0):2.00
・父親のダメ男ぶりが際立つ父親、引きずる母親。こんな両親のもとでは生きづらいだろうなあ。
●演技、演出(30%×3.5):1.05
・成長した長男がカッコイイ。
●画、音、音楽(20%×3.0):0.60
・可もなく不可もなく、だったような気が…。