
現地長崎県でもあまり知られていない「石木ダム」計画。現地、川原(こうばる)の人々はこの大きな力にあらがって約半世紀もの間、たたかい続けて来た。かつて同じ地域に暮らしていた人々の一部は説得され、補償金をもらって地域から去って行った。今、残っているのは 13世帯 54 人あまり。虚空蔵(こくうぞう)岳を望む川原は今では非常に貴重になった美しい里山。四季折々に変化する自然の中でダム反対の活動は川原の人々の生活の中に溶け込んでしまった。夜中に異音がすれば飛び起きて確認に行き、暑かろうが寒かろうが毎朝工事予定地の前でバリケードを作り座り込む。それもこれもただただ普通に暮らしたいという思いだけ。ダムは利水・治水が目的だというがその根拠はすでに専門家によって大きなクエスチョンマークを突きつけられている。この映画は単にダムに反対する映画ではなく、私たちに普通に暮らすとは、ダム計画の当事者とは誰だろうか、というような素朴な疑問を優しく差し出してくる、一緒に考えましょう、と。



