現地長崎県でもあまり知られていない「石木ダム」計画。現地、川原(こうばる)の人々はこの大きな力にあらがって約半世紀もの間、たたかい続けて来た。かつて同じ地域に暮らしていた人々の一部は説得され、補償金をもらって地域から去って行った。今、残っているのは 13世帯 54 人あまり。虚空蔵(こくうぞう)岳を望む川原は今では非常に貴重になった美しい里山。四季折々に変化する自然の中でダム反対の活動は川原の人々の生活の中に溶け込んでしまった。夜中に異音がすれば飛び起きて確認に行き、暑かろうが寒かろうが毎朝工事予定地の前でバリケードを作り座り込む。それもこれもただただ普通に暮らしたいという思いだけ。ダムは利水・治水が目的だというがその根拠はすでに専門家によって大きなクエスチョンマークを突きつけられている。この映画は単にダムに反対する映画ではなく、私たちに普通に暮らすとは、ダム計画の当事者とは誰だろうか、というような素朴な疑問を優しく差し出してくる、一緒に考えましょう、と。
2016年6月19日、沖縄県那覇市。米軍属女性暴行殺人事件の被害者を追悼する県民大会で、稲嶺進名護市長は言った。「我々は、また命を救う“風かたか”になれなかった」。「風(かじ)かたか」とは…
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>>続きを読む東京都杉並区。57万人が暮らす緑豊かな街で、行政主導の再開発、道路拡張、施設再編計画が進んでいた。そんな状況のなか迎えた2022年6月の杉並区長選挙。住民たちは、ひとりの候補者を擁立する。…
>>続きを読むベラルーシに生まれ、フランスを拠点とするコズロフ監督は北方領土・国後島を訪れ、その現状を見つめる。日本人が残した生活用具を掘り起こす男をはじめ、国境政策に翻弄された住民たちの生活は決して安…
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>>続きを読む「女性にとって世界最悪の場所」と呼ばれる、コンゴ民主共和国・東部ブカブ。女性たちはこの地に埋まる鉱物資源の利権のために、武装勢力から性暴力を受け、恐怖に怯えているのだ。そんな被害女性たちを…
>>続きを読む僕が生まれる前、1984年に香港が1997年に中国に返還される事が決まった。2014年、香港にはいまだに民主主義はない。自分たちで香港の代表を選ぶ「真の普通選挙」を求めて若者が街を占拠した…
>>続きを読む2015年4月、約9000人の犠牲者を出したネパール大地震。写真家・石川梵は震災直後、ジャーナリストとして初めて現地へ入り、ヒマラヤ奥地の震源地・ラプラック村にたどり着いた。壊滅した村で石…
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