▪️Title : 「初恋」
Original Title : ※※※
▪️Release Date:2020/02/28
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-095
▪️My Review
もう無茶苦茶、めちゃくちゃ面白い！！三池×歌舞伎町×Unidyバイオレンス全開です。
フォロワーの方の推薦もあり鑑賞しました。
“良きあの頃”の東映への憧れを匂わせる心憎い演出に拍手です。東映が、『孤狼の血』での反響を受け、「東映が作るべき映画はこういうものだ」との思いを新たにして創り出した作品です！！
クレジットは「最期に出会った最初の恋。いま、人生で最高に濃密な一夜がはじまる」まさしく濃密な一夜です。
監督は三池崇史で、自身初のラブストーリーとなるオリジナル作品。サスペンス、コメディ、ロマンスなどのあらゆるジャンルがミックスされた映画で、三池ワールド全開です。個性豊かで魅力的キャラクターが多数登場しますがプロットはシンプルでとても面白い作品です。
ほんと、絶え間なく続く常軌を逸したエンターテインメント、テンポの良さにシュールな笑い。俳優陣のマッチしすぎた演技は流石です。
物語は。。。
天才プロボクサー・葛城レオが、負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫したことから人生の歯車が狂い、アンダーグラウンドの世界で巻き起こる濃密な一晩に身を投じていく様を描きています。。。
その個性豊かな魅力的な俳優陣ですが、
負のスパイラルで転落していく悪徳刑事を大森南朋、エキセントリックな本性をむき出しにしていくヤクザの策士・加瀬を染谷将太、愛する恋人の命を奪われ、復讐に燃えるヤクザの女・ジュリをベッキーが演じ、クレージーに振り切ったテンションで見る者の熱狂を煽っています（特にベッキーの演技は鬼気迫る！！）。また、内野聖陽の存在感はバツグン！！“やくざに朝陽は似合わない。。。”ラスト付近の台詞はグッドですね。
そして、すべての発端となるヒロインのモニカには、3,000人の中からオーディションで選ばれた新人小西桜子が大抜擢。繊細な役柄を初々しくも大胆に表現し、新人ばなれした度胸でこの大役を演じきっています。
しかし、本質は喜怒哀楽の全てが詰まったとてつもなくピュアなラブストーリー。“良きあの頃”の東映ならではの怪作です！！

▪️Overview
三池崇史監督が窪田正孝を主演にメガホンを取った自身初の恋愛映画。天涯孤独の身で類まれな才能を持つ天才ボクサーの葛城レオは、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれた。医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられ、自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩くレオの目に男に追われる少女モニカの姿が飛び込んでくる。ただごとではない様子からレオが反射的にパンチを食らわせた男は、ヤクザと裏で手を組む悪徳刑事・大伴だった。モニカは親の虐待から逃れるため歌舞伎町に流れ着き、ヤクザにとらわれていたという。レオは彼女を救うことを決意するが、その選択はレオがヤクザと大伴から追われる身となることを意味していた。レオ役を窪田、大伴役を大森南朋、モニカ役をオーディションで選ばれた新人の小西桜子がそれぞれ演じるほか、内野聖陽、染谷将太、ベッキー、村上淳、滝藤賢一、ベンガル、塩見三省らが顔をそろえる。（引用:映画.com）

東映作品でここ10年で観ていて面白いと思った作品は2つ。

「孤浪の血」とそして本作「初恋」。

劇場で見た時に三池崇監督最高傑作なのではないかと思った。そして始まってまもなくこれは三池流「トゥルー・ロマンス」だなと思ったら、やはりそれが原点の一つの発想だったようだ。

今作の魅力は何といっても役者陣。

ボクサーでありながら死期を告知され絶望の中1人の女性と出会うことで激流に巻き込まれる窪田正孝。今まで彼の良さがよくわからなかったんだけど、何だろう凄くいい。硬派さとシャイさと切れ味に加えピュアネスが伝わってきて青春感溢れていい✨

そして3000名の1のオーディションを勝ち取った囚われのヒロインモニカにど新人小西桜子が「初恋」が単なるバイオレンス映画にならない絶望無垢な純愛たる心臓部分。ほぼ演技未経験の彼女の揺らぎ、震え、戸惑いが直に伝わってくる。父親の借金の肩代わりにヤクザに売られドラッグ漬けになった彼女が幻覚で慄き、怯え、窪田正孝扮するレオと出会い、どん底からの光まで手を伸ばす、この暴力に満ちた世界観にレオとモニカの新鮮かつ絶望的な青春逃走劇に気持ちがONされる。

そして周囲をがっちり囲む役者陣がぴたり。古き良きというか時代遅れの「仁」に生きる内野聖陽が日本刀片手に暴れまわる。

やさぐれマル暴の大森南朋とグラサンクールヤクザの村上淳もいいが最高過ぎるのは染谷将太の古きヤクザ像をバカにしまくった「仁義」無用の裏切り策士ぶりとにやけた存在感。

ピンポイントではチャイニーズマフィアの美女構成員役の藤岡麻美が素晴らしい。高倉健に憧れているが今の日本ヤクザに幻滅しつつも「仁」を重んじる女マフィアの孤高のカッコよさ、短いシーンだが鮮烈な印象を残す。

そして最後にもうスタンディングオベーション並みの振り切れ方で全編突っ走るベッキーの役者としての完全覚醒のインパクト。好感度No.1からゲス不倫の末に元の自分に戻ろうとしてもそこに居場所はない、いや同じ道には興味ないと腹を括ったのか、現役女優陣ぶち抜きのキレっぷりを見せてくれる。

最近は原作クラッシャー的なイメージしかなかった三池崇のやりたいこと全部乗せをしたらVシネ時代のキレキレ感と王道エンタテイメントのダイナミズムが融合した。

そんな三池監督が暴れる風呂敷をがーっと広げた企画プロデュースの紀伊宗之さんは「孤浪の血」で完全に東映の生きる道はここにしかない、と改めてこの企画を仕掛けたのだろう。

東宝には川村元気がいるが、東映には紀伊宗之がいた。監督の作家性を爆発させる度量を持った映画人として今の時代とても貴重だ。

その昔、紀伊さんとは一度だけ飲みの席にご一緒したことがあるがその時に大変失礼なことをした。宴の終わりの頃、もう1人お世話になっていた人から「いざとなったら紀伊さんに相談するといいよ」と言われ、私はなぜか即座に「結構です」と答えてしまった。。眼光鋭い目で見据えられつい😅笑。

でもきっと彼は決して武闘派プロデューサーではなくもの凄くクレバーな人だと思う。後日映画マーケティングに関する講座で彼のプレゼンを拝見する機会があり、驚くほどのびっちり数字とロジックが書き連ねてどこにも隙が無い。元々興行畑だけあって映画は数字を叩きださなければ意味がないとビジネスに徹底して厳しく、それでいて歴戦の監督と対峙できる現場力もある。ということはやはりインテリヤクザタイプのように思える。

この三池×紀伊企画は、東映の原点にして新時代に突き付ける現代ヤクザのバイオレンス映画として閉塞した重苦しい今の風潮を2時間脳内から完全に吹き飛ばしてくれる爽快なエンターテインメントだ。

コロナストレスで鬱屈している、我慢している方が多い中、この映画で脳天直下に電流を直撃させて頭がスースースッキリすること間違いなし！

さて、紀伊プロデューサー手がける「孤浪の血2」は今年一番楽しみにしていた邦画だ。血が滾るような傑作を期待したい。

『初恋』映倫区分PG12.
製作年2019年。上映時間115分。

余命わずかと医者に宣言されたボクサーが、偶然出会った少女と運命的な恋に落ちる一夜を描いた三池崇史監督が窪田正孝を主演に迎えて描いた奇天烈何でもアリのオリジナルストーリー作品かな。
後半30分位はチョイとスプラッターに観れなくはない。

天涯孤独の身で類まれな才能を持つ天才ボクサーの葛城レオは、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれた。
医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられ、自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩くレオの目に男に追われる少女モニカの姿が飛び込んでくる。
ただごとではない様子からレオが反射的にパンチを食らわせた男は、ヤクザと裏で手を組む悪徳刑事・大伴だった。
モニカは親の虐待から逃れるため歌舞伎町に流れ着き、ヤクザにとらわれていたという。
レオは彼女を救うことを決意するが、その選択はレオがヤクザと大伴から追われる身となることを意味していた。

レオ役を窪田正孝主演に、
大伴役を大森南朋に、
モニカ役をオーディションで選ばれた新人の小西桜子は置いといて、
内野聖陽、染谷将太、ベッキー、村上淳、滝藤賢一、ベンガル、塩見三省らが脇役を固めて、三池崇史監督と来たらオモロイやろと見始めた。
個人的ですが三池監督は小生には当たり外れが多いです。
せやし、ギャンブル依存傾向が治らない小生は、今作品を観るまでドキドキ賭けて観ました。
窪田正孝は、肉体的にはボクサーちゅう設定で身体を仕上げてきてるし、かなり頑張ったのは見えるし、ボクシングシーンを抜いたら、観てる側にこいつヤるんちゃうかって想像や妄想できるし、やはり、ボクシングシーンはいりまへん。
とは云え全体っとしてはクスッと来るとこ混ぜ混ぜ挟んで決して悪くはなかったっす。
アニメ・カーアクションはいりまへん。
あと、頻繁にチャイニーズ女子が孔子の『仁』を口にだしてるがなんやねん。
三池くんは何をしたいんだか。
ベッキーも、もうほとぼりさめてんのやし、ガンガン出てきてほしいものやと思ってた頃に、今作品で観て、予想以上に良かったり
内野聖陽の任侠は彼の持ち味(顔と雰囲気)は存分に発揮してるように思えました。
窪田正孝が主役なんやろけど、ベッキーはいまだに個人的には好きだし、内野聖陽にしても、染谷将太にしても演技がうまいさかいに、主役を喰われてもうてる感じは否めないかな。
W主役の小西桜子も気張ってたけどこちらはベッキーに喰われちまってるし、相撲で云うなら『ものいい』で審議に入れば、小生のベッキー推しが入ってるし取り直しとなればわからん勝負やけど(何の話やって)思いっきり押切でベッキーと軍配はあげてしまった。
お時間があり、観る映画を探してる方にはオススメとまでは云わないけど、全くの損した映画ではないと書いときます。