午後じゃん！　(アフターやん！)😅


たまにある夜勤シフトの日。🎑
勤務を終え 朝方に眠りについて午後に目が覚めると、たまに独り言でこう言ってしまう。😰

関西在中のフォロワー様。
悪気は御座いません。勘弁してください。

ずっと前から楽しみにしていた作品。
静かに公開されるから見過ごすとこだった。
「THE BATMAN」でペンギンに扮していたコリン・ファレル。
本作はアメリカ🇺🇸では「THE BATMAN」と同じ日の3月4日に同時公開された。

人型ロボットがベビーシッターを務める近未来。
ジェイクも幼い娘の子守りをA.I.ロボットの『ヤン』に任せていた。
ある日 ヤン が突如 動かなくなってしまう。
家族同然のヤンを救うべくジェイクは様々なアプローチを試みる。しかし。
人間と機械の共存は可能か・・・

スピルバーグの傑作「A.I.」と「エクスマキナ」を東洋のブレンドを加えて混ぜ合わせたような・・・
なんとも不思議な感覚が味わえる作品。
これは「LAMB/ラム」以上に賛否両論が巻き起こるかも。

ある批評家が『まるで小津安二郎がSF映画を作ったかのような味わい』と評していたが まさにその通り。
まるで『瞑想』しているかのような静かな作品。

オープニングはとても良かった。
家族4人で楽しくハードなネット上のダンス大会に挑んでいて激しく踊る。
他の参加ファミリーも一緒に。
そのから一転。ガラッとトーンが変わり静寂的な近未来の中で家族は模索する。
壊れた『ヤン』を直そうと。

終始 盛り上がる事なく正直『美味しくもまずくもない。』
コリン演じる父親ジェイクは お茶っ葉屋🍵を営み お茶を深く愛する役柄なのだが、ホントにこの作品は『お茶🍵』のような作品。

きっと東洋人と西洋人では本作の感じ方が全然違うのだと思う。

そしてラストは。

なんか知り合って親しくなった異性の友人に
『もう、あなたとは これっきりね！さよーならー。』
って言われた感じ。
えっ！　終わり！　😵
エンドロールが流れた瞬間、ビックリした。

決して つまらない作品ではなかったが あまりにも個性的で独創性が強い作品なのでちょっと恐ろしくて人にオススメするのは難しい。

ここからネタバレ‼️



ラスト。
女の子が中国語でかなり長く何かを喋っていたのだが、なぜかその部分だけ字幕が出て来なかった。
なんでだろう？
その意味を『中国人』にしかわかって欲しくない。
ってこと？

とにかく。不思議な作品でした。　😅

寝不足厳禁！ 十分に睡眠をとって劇場へ。



2022年 10月21日 公開初日 9:50〜
TOHOシネマズシャンテ screen 1
💺224 席
客入り　50〜60人。

今年で開館35周年を迎えた
シャンテ・シネ こと TOHOシネマズシャンテ。
一時は閉館の発表もあったのだが、多くのファンからの熱いリクエストにより閉館を免れた経歴も。
長きに渡って映画ファンから愛されている
『元祖！ミニシアター』‼️
私も33年 通っています。😅

来週月曜日から始まる『東京国際映画』で日比谷の街は『映画』で一色！😊

"彼は人間になりたかったのか？"

"いかにも人間っぽい質問ね…"

人型AIロボットが家族の一員となっている近未来…

ある日、ヤンが動かなくなった…

何とか修理しようとしていたジェイクは、ヤンの体内に一日数秒間だけ撮影できるチップが埋め込まれ、膨大な量の動画が保存されたメモリがある事を知る…

それはまるで銀河系宇宙の様なヤンの記憶…残された映像に映るのは、何の変哲もない日常…でも、とてつもなく愛おしい日々…やがて、ジェイクはヤンのある秘密を知ることに…

"RRR"というとてつもなく熱い英雄譚を鑑賞直後にチョイスした本作は、小津安二郎的SF…"動"の"RRR"に対し"静"な本作。

坂本龍一の刹那系旋律に眠ってしまうのではないかと一抹の不安を抱きつつ鑑賞…

ところが、自分でもびっくりなのですが、ストーリーが進んで行く内に"ポロリ"と涙が…

AIロボットのヤンが記録していた動画には、何の説明もなく、穏やかな日常が残されているだけなのに、そこにロボットが抱くはずのない愛情が確かに見えてきまして、その美しさと愛おしさに心が揺れてしまったのです。

単純に人間やロボットのアイデンティティを描いているのではないと感じさせます。

残された家族の喪失と再生の物語の様で、SFという設定を借りた多様性についての話の様で…
中々奥が深い…

ロボットが残した記憶を見る事で残された家族は自分自身の人生を深く見つめ直す事になるのですが、映画を観ている観客も自身の人生を深く掘り下げていくように感じたのです。

だから、ヤンの記憶に私も自分の人生を見つめ直し涙したのでは？…と思ってしまう…

もう一捻りあるのではと思わせながら、訪れる突然の終わりに逆に深い余韻を感じさせられました。

『アフター・ヤン』
原題 After Yang
映倫区分 G
製作年 2022年。上映時間 96分。
アレクサンダー・ワインスタインの短編『Saying Goodbye to Yang』を原作に描くSFドラマ。
近未来を舞台に、ある家族と人型ロボットの絆を描く。
『コロンバス』などのコゴナダが監督を務め、坂本龍一がオリジナルテーマ曲を手掛けている。
コリン・ファレルをはじめ、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤらが出演する。
余談ながら、ラスの修理工場の掲示板に貼られた記念品から、この物語の舞台が60年にわたる米中戦争の後であることがわかる。

人型ロボットが一般家庭に普及した近未来。
茶葉の販売店を経営するジェイク(コリン・ファレル)は、妻のカイラ、中国系の養女ミカ、ロボットのヤンと共に暮らしていた。
だが、ある日ヤンが故障して突然動かなくなってしまう。
何とか彼を修理しようとする中で、ジェイクはヤンの体内に定期的に数秒間の動画を記録する特殊なパーツが組み込まれていることを知る。。。

今作品は、インディーズ・スタジオのA24が製作したもうひとつのAI映画『エクス・マキナ』（2014年）を彷彿とさせる。
人間とサイボーグが並存するデジタルダンスのシークエンスで幕を開ける。
そこからコゴナダ監督は未来的な禅の世界を構築していき、優しい視聴覚体験が続く。

父親ジェイク（コリン・ファレル）が、家族が愛するAIヒューマノイド、ヤン（ジャスティン・H・ミン）の謎の故障を調査する姿を追う。

コゴナダ監督は、ヤンの記憶と映画のリアルタイムの筋書きをシームレスに行き来させながら、登場人物に深みと複雑さを与えている。
彼と撮影監督ベンジャミン・ローブの瞑想的なピローショット(映画のストーリー進行のただなかに取り入れた、大抵は静止状態の、一見したところ偶然にそこにあるような静物、シーン、風景のロングショットのこと)は、当然、表面的には静止しているように見えるが、美しい緊張感を生み出している。
例えば、哲学的な動揺がすぐ下で渦巻いている一方で、茶葉が茶葉を蒸らして広がる様子にカメラを休ませる。
意味の層が幾重にも折り重なり、『アフター・ヤン』は単に美的感覚に優れた映画というだけでなく、じっくりと時間をかけて練り上げられたメッセージを吸収しようとする観客の心に刻み込まれる作品となっていた。

今作品の女性キャラは、よく描かれてたけど、残念ながら男性主人公をサポートするために存在している。
ジェイクは、回避的で陰気な家長としてほとんどのシーンを占める。
妻のカイラ（ジョディ・ターナー＝スミス）は彼と対等な存在として描かれている。
彼女は自分の考えを話し、印象的な1対1のシーンではヤンと共感的なやりとりをする。
しかし彼女は結局のところ、結婚生活の『平和』を保つために自分を抑えなければならない、感情的に成熟した妻という家庭内のステレオタイプに押し込められたまま。
エイダ（ヘイリー・ルー・リチャードソン）は、もっぱらヤンの恋の相手として機能し、彼についての神話を解明する。
ヤンの記憶のモンタージュにとって重要な役割を果たすエイダは、リチャードソンの力強い演技のおかげで繊細な弱さを感じさせる。
しかし、エイダがヤンについて明かす重要なことが、ジェイクとの会話を通してしか伝わらないのは残念かな。
エイダとカイラの間でこのようなシーンが設定され、女性キャラクターが男性との関係だけでなく、女性同士の関係も持てるようになれば、もっと面白かっとは思う。
今作品には、頭を殴られるような場面はなかった。
アイデアは微妙やけど、それを理解したのを見ると、さほどでもない。
その核心は、自分の人生の意味や価値、つながりの価値といった深い概念を考察するものやけど、多くのことを議論させながらも、答えを強要するようなものではない。
今作品は、登場人物たちが様々なことに対処する形で問いを投げかけ、全員がある種の高次の理解に達するものの、明確な終結はない。
個人的には今作品が大好きだと云いたいが、問題点もあった。
そのひとつは、ちょっとスローだったこと。
すべてが綿密に計画され、美しく撮影されていたが、これがやっと1時間半であることを考えると、もっと長く感じられた。
確かに、短編小説が原作なので、脚本家兼監督はストーリーにもっと多くのことを加える必要があったか、代わりにスタイルと芸術形式に焦点を当てたかのどちらかやろうな。
とても良い映画で、ここしばらく観た中では間違いなく良い作品のひとつです。
『クレイジー・リッチ!』（2018年）や『シャン・チー/テン・リングスの伝説』（2021年）など、アジア系アメリカ人を主人公にした主流映画は、より多くの観客にアピールするために、おなじみのファンタジー（そして時にはステレオタイプ）に頼っている。
これとは対照的に、コゴナダはSFを利用してアジア系アメリカ人の経験のより本格的な寓話を作り出していた。
2つの国の間に挟まれ、根無し草のような感覚を持ち続けているヤンの悩める自己同一性には個人的に共感する。
そして、アメリカの人種的風景の中でヤンの居場所はどこにあるのか。
コゴナダ監督は、多民族家族の中国人AIとしてのヤンの二重性に、このディアスポラ的状況を見事に捉えている。
一家の養女である中国人の娘ミカ（マレア・エマ・チャンドラウィジャ）以外に、ヤンと最も強い絆で結ばれているのは、イギリス系ジャマイカ人俳優ターナー＝スミスが演じるカイラ。
一方、イギリス人とベンガル系インド人のサリタ・チョードリーが演じる博物館の学芸員でAI歴史家のクレオは、ヤンの記憶を正当化することで、ヤンの人間性を支持する最初の人物である。彼らのヤンへの愛と支援は、肌の色を超えた連帯を示し、我々を他の人種グループと対立させようとするアジア人のモデル・マイノリティ神話に背中を押す。
この連帯感と包容力は、親密なシーンの中でミクロなレベルで発揮されていた。
ヤンはミカに、中国の発明である『接ぎ木』（異なる根を組み合わせて新しい植物を作る植物学的技術）について教える。
白人の父と黒人の母の養女でありながら、本当の親がいないちゅう理由で学校でいじめられる中国人の少女という、彼女の共存するアイデンティティが、彼女をより強くするのやと。
緑豊かな庭園を背景にしたヤンのメッセージは、ミカだけでなく、私自身にも語りかけてくる。
自分の中国人としてのアイデンティティを、この国の多民族景観の外側に浮遊させるのではなく、その一部として考えるよう促してくれるから。
実際、映画全体を通して綿密なヤンの描写は、中国人の特質を遠ざけるのではなく、むしろ力づける。
ヤンとミカの日常生活の中で中国人がいかに互いを大切にしているかを垣間見ることができる。　柔らかな午後の日差しを浴びながら、陶器の皿の上で皮をむいたミカンが2つ3つ並んでいる一瞬のショットに彼の中国語の愛情表現なんかなぁと。
今作品の中国語の表現に加え、日本人作曲家アスカ・マツミヤによるピアノを中心とした音楽は、伝説的な坂本龍一がメインテーマを作曲したことによって支えられている。
『ラストエンペラー』（1987年）でアカデミー賞を受賞し、惜しまれつつも示寂した坂本は、実験的で内省的な作風を維持し、コゴナダの楕円形のアプローチによくマッチしている。
しかし、このサウンドトラックの背後にあるスター・パワーを知ることも刺激的でした。
んで、今作品のラスト、ミカが北京語でヤンに弔辞を述べ、『Glide』を歌う場面で、個人的に映画によってこれほど露わにされたと感じたのは久しぶりだと気づいた。
(余談ながら、幼いミカが歌う『Glide』って曲は、実は岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』（2001年）に収録されている。)
コゴナダの非常に印象的なストーリーが一周し、アジアン・アメリカンの体験を直感的に残してくれた。
個人的には好みの作品でした。