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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

年老いた美術商が主人公。ある日娘から職業体験として孫息子を画廊で数日預かって欲しいと懇願され、渋々引き受ける。その最中、主人公はオークションのリストで作者不明の絵画を目にする。それがロシアの巨匠の作品だと気づいた主人公は、孫とともに調査に乗り出すのだが...という話。フィンランド映画。

名画の謎を追いつつ家族の絆を描く話なのかと思って観たら、そのどちらも中途半端に感じた作品。かなり地味。
家族を顧みず仕事ひとすじに生きた主人公が名画を前に最後の賭けに出るのだが、鑑識能力は高いものの、その不器用さ故に資金繰りがうまくいかない。家族ドラマとしては孫息子や娘とのふれあいで失われた時間を取り戻す描写はあるものの、結局商売のために家族を利用し、その期待を裏切ってしまう。しかも商談も成功しないという悲しさ。だが、最後に美術商としての眼力の正しさは証明され、子どもらにその証を遺すことができた点は共感できた。
オークション主催者がものすごく胸糞悪い人物。
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