
東京に住むごく普通の女子高校生、鹿角華蓮(石井杏奈)は、幼少期の記憶の断片が不意に脳裏をよぎり、しばしば意識が飛んでしまう奇妙な記憶喪失癖に悩んでいた。そんなある日、韓国への修学旅行のためにパスポート申請用の戸籍抄本を手にした華蓮は、自分に“ 由”という姉がいたことを知る。しかも由は4歳の時に死亡し、華蓮は“松本”という家から今の両親に引き取られた事実が判明。本当の親はどこにいるのか。なぜ、自分は養子として出されたのか。そのすべてを知りたい華蓮は嘘をついて修学旅行をキャンセルし、出生地の福岡へ旅立つ。そのルーツ探しに協力してくれた青い瞳を持つ同級生、穂刈怜(栗原吾郎)とともに現地調査を行う華蓮は、失われた記憶のピースをたぐり寄せながら、想像を絶する真実に迫っていく――――。
キットは両親の遺灰を埋葬すべく、30年ぶりに祖国であるベトナムのサイゴン(現ホーチミン)に足を踏み入れる。彼は6歳のとき、家族とともにベトナム戦争後の混乱を逃れてイギリスへ渡った”ボート難…
>>続きを読む東京の大学に通うため、広島から上京して一人暮らしをすることになった璃子は、二月のある日、シングルファーザーの肇と二人で部屋探しに歩く。そこで出会う人々とのふれあいが二人の心にかけがえのない…
>>続きを読む日本人の父と韓国人の母の間に生まれた一卵性双生児の姉弟の空(そら)と海(かい)。現在、中国・上海に暮らすイラストレーターの空は、出版社に勤める日本人の男性、望月(阿部力)と出会う。異郷の地…
>>続きを読む新宿~箱根を往復する特急ロマンスカーでアテンダントとして働く鉢子。ある日、彼女はある中年の男性客とトラブルを起こし、その上男に母親から届いた手紙を読まれてしまう。鉢子の母が自殺を考えている…
>>続きを読むカフェを営む亮介(松坂桃李)の日常はある日突然崩れ去った。男手ひとつで育ててくれた父親が余命わずかと診断され、結婚を控えていた千絵(清野菜名)はこつ然と姿を消してしまったのだ。新しい家族を…
>>続きを読む一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送る名越進。ある日突然、医学生・伊藤学が名越の前に現れる。「記憶ないんですよね?」――そして期限7日間、報酬70万円を条件に第六感が芽生…
>>続きを読む60歳を過ぎ、ひとりきりで静かな引退生活を送るトニーの元に、見知らぬ弁護士から手紙が届く。あなたに日記を遺した女性がいると──。その女性とは40年前に別れた恋人ベロニカの、母親だった。思い…
>>続きを読む© 吉野朔実・小学館 / 2020「記憶の技法」製作委員会