＊昨日の、リアル"ハングオーバー"の続きは少々長くなったのでコメント欄に載せました。ご心配頂いた方、その後が気になる方は覗いてみて下さい。

「エターナルズ」のジェンマ・チャンが出演していると知って鑑賞。監督はスティーヴン・ソダーバーグ。メリル・ストリープ、キャンディス・バーゲン、ダイアン・ウィーストというベテラン女優達を揃え、豪華客船を舞台にしたロードムービー。

有名な小説家アリス・ヒューズ（ストリープ）が、英国の文学賞を受賞した。編集者のカレン（ジェンマ・チャン）は、授賞式への参加を促すが、アリスは飛行機での移動を拒否。カレンから、豪華客船での移動を持ちかけられ、アリスは旧友2人と甥っ子同伴なら、と渡航を決断する—— 。

旧友でありながら、出会うのは30年ぶり。売れてから人が変わったと評されるアリスと、金に抜け目がなく、アリスとの確執があるロベルタ（キャンディス・バーゲン）、おっとりした性格ながら、時に大胆な言動を見せるスーザン（ダイアン・ウィースト）の3人組。

ベテラン女優達ならではの、軽妙に見えて腹の底には何かを抱えた会話劇が、終始小気味良い。

実際の豪華客船に2週間、最小限のスタッフを伴い、監督自ら最新の小型カメラを回したとの事。即興演技も多分に含まれているのだろう。

いつしか壊れてしまっていた3人の友情。辛いけど、割り切るのが大人。

ん〜〜、ほろ苦い。

同時進行で描かれる、アリスの甥タイラー（ルーカス・ヘッジズ）とカレンとのロマンスが良いスパイスになっている。

ん〜〜、甘酸っぱい。

この旅は、ほろ苦さと甘酸っぱさの"あいのり"だ。

最後までカネの亡者のロベルタには閉口したけど、キャラとしてはめちゃんこ面白い。

賛否両論あるようだけど、30年来の友情のリアリティを辛辣に描いていて、ギクシャクした感じのイヤ〜な雰囲気が好み。

鑑賞後は、まさしく上質な船旅に出て、還ってきたような余韻が残る。

最近おババ様達が好きで、シャーロット・ランプリング一強だったけど、メリルも好きだし、ダイアン・ウィーストもキュートだった。

• #2021akirunaway

人気作家の主人公は
50年も友達の2人と甥っ子を連れて
豪華客船でアメリカからイギリスへ🛳
船内は色々な娯楽があって
楽しそうでした🛳
プラネタリウムもあるのね🌟
客室の豪華なこと✨
豪華な船旅憧れます😊
長く友達でも最近のことは分からないし
どう思ってるのかも分からないし
一緒に過ごして楽しかったのかね？
ラストはしみじみしないし
あっさりでしたね😅

• #riekon洋画2022

米国、大西洋岸中部。ニューヨーク州。
アリスは［オールウェイズ・ネバー］でピューリッツァー賞を受賞したベテラン作家。
出版社からは続編を期待されているが、アイデアが浮かばずに難航していた。
その一方で、フットリング賞の授賞式のためにイギリスに行きたいのだが、健康上の都合で飛行機には乗れない。
エージェントをしているカレンの提案で、クイーン・メアリー2で大西洋を横断する豪華客船の旅へ。
アリスは続編のインスピレーションが欲しくて、大学時代の旧友を2人招待することにした。

監督は『オーシャンズ11』のスティーヴン・ソダーバーグ。
脚本は、デボラ・アイゼンバーグ。ベテランの短編小説家。
2020年公開。メリル・ストリープ主演のコメディ・ドラマです。

【主な登場人物】👭
［アリス。ヒューズ］🏊🏻‍♀️📕🖊️
主人公。70代の女性作家。縛られるのが嫌いな自由人。
起床。朝食。原稿を書く。プールで泳ぐ。夕食。就寝のくり返し。
脚本家の分身だと思われる。

［ロバータ］
金髪のミディアム。吊り目メイク。お肉もりもり。
豪華客船＝金持ち。パートナーを探しに来ている。必死。

［スーザン］
金髪ショート。のんびり。控えめ。大人しい。声が可愛い。
世当たり上手。
問題に蓋をするって意味では、他の登場人物と傾向が同じなので、作家の分身の1人ではある。

［カレン］
出版社のエージェント。
36才。働く若い女性の代表。

［タイラー・ヒューズ］
甥っ子。26才。可愛い。みんなの要望を聞いて、手伝う役。
この子がいなと何も成立しない最重要人物。ほぼ、主人公。
全員の女性の聞き役なので、ずっと映っている。

［ケルヴィン・クランツ］
ミステリー作家。眼鏡で二重顎。通行人のような風貌だが、大御所。
すごくいい。

［ミッチェル］アフリカ系。

【物語の流れ】🗣️🥂
70代の女優が3人集まって色気むんむん。(たまらん)

［クイーン・メリー2］🛳️
イギリスのクルーズ客船。総トン数151,400トン。全長345m。2003年の建造当時、史上最大サイズ。(でかい。海に浮かぶ巨大ホテル)
客室は全部で1,363室。ダンスフロア、映画館、プラネタリウム。スパ・クラブにスポーツセンター。あらゆる設備を取りそろえた海に浮かぶ快適居住空間である。

1000室以上が窓のある部屋なのに、甥っ子のタイラーだけ狭い倉庫のような部屋でワロス。

ニューヨークからイギリスまで8日間の船旅。とは言え、海を横目にデッキを一周するだけでも10分かかるので運動不足とは縁遠い。

［ふくろうの王国］📙
ウェールズ出身の女性作家、ブロードウィン・ピュー作。映画に登場する架空の小説。
内容は、中盤の講演でアリスが説明してくれる。
ちなみに、フットリング賞も架空。この名前を笑わずに言うだけでも難しい。

朝食はアリスの部屋で。タイラーと会話する大事な時間。

登場人物が少ない上に、主人公は部屋に籠って執筆活動。そして2時間近くの長丁場。不安しかない。

プリンセス・グリルでの夕食は、3人が集まるので花がある。
愚痴と教訓。年寄りの無限雑談。

会話しながら、船内の施設を楽しんで回るだけ。何も頭に入ってこない。

物語が動くまで1時間かかるが、講演のシーンが素敵。これは股開くわ。
ここまで壮大な前振りだった。
理論的に説明されて、的を射ていると、何より気持ちいい。

そして、何事もなかったかのように雑談と思い出話しに戻る。
流れてゆく海面。モノポリーなどのテーブルゲーム。緊張感のない老人ホームのような空間。眠くて何も考えられない。

物語の鍵を握っている2人が具体的な対話を避けるため、一切話しが進まない……。

この物語は、ひたすら溜め。とは言え、溜めている間は雑談なので苦労はない。
やっと、議論が白熱しだすと、タイラーの顔を映しつづけるカメラ。
(そこまで作家の内面を表現しなくていいから)

イギリスに到着。船を降りて、ホテルでくつろいでも何も変わらない。食事しながらの雑談はつづく。

終盤。やっとアリスとロバータの腹を割った話し合いに。思わず噴き出す。
講演の時もそうだったけど、話しそのものより、メリルの顔芸が面白くて笑ってしまう。インパクトを残すのが上手い。賞レース向き。

【感想】🧳⚓
退屈なんだけど、最後まで観るのが苦じゃなかった。何も起こらないから、辛い場面もない。
こんなに最後まで、すっと観られるのも珍しく、後味もいい。
単に噛み合ってないだけな気もするけど。

ただ、音楽だけ『007』にそっくりで違和感。カジノでアクションが始まりそうで、聞いていて落ち着かなかった。

お喋り、読書、執筆、旅行、老後、海、色恋の思い出。これらでぴんとくれば楽しめる。

豪華客船での旅行なんて、金持ちの老人から写真を見せられて、思い出話しを聞かされるだけだったけど、この映画観ていると魅力的な時間に思えた。

【一夜明け】🪦💐
20代ぐらいの話しかな、と思った。
けど、劇中でもそうだけど、問題が起こっても向かい合うのが苦手で、先送りするタイプの人だったら、70代でも自然なのか、とも思う。

わたしも「小説にしていいよ」とか「本にしてよ」って話しをいくつか聞かされた経験があるけど、電子書籍にすることはできても、脚本を書いた人のように大学の教授にまで上り詰められるわけではないので「それって、やっぱり実力なんだよなぁ」と思うと、この話し自体が、中盤の講演のシーンに直結していて、やっぱりよく書けている。

映画と、文章を書くことが好きな人だったら楽しめます、と締めくくろうとして、主人公のアリスのようなタイプって「映画評論家に多い」ってことに気づいて、オーディエンスの評価と裏腹に、映画評論家の点数が異様に高いから「共感性が高いのだろう」と妙に納得できてしまった。

• #hasisiの老後