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小川のほとりで/スユチョン

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小川のほとりで/スユチョン

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小川のほとりで/スユチョンの作品紹介

小川のほとりで/スユチョンのあらすじ

演劇祭が間近に迫るソウルの女子大学。校内の恋愛スキャンダルの穴埋めをするため、テキスタイルアーティストであり、講師として働くジョニムは、有名な俳優で舞台の演出も手がける叔父のシオンを臨時の演出家として招聘する。演劇祭に向け寸劇作りがスタートするが、学生たちの恋愛事件の余波や、先輩の大学教授とシオンとの新たな恋の予感など、10 日の間にさまざまな出来事が巻き起こる。

小川のほとりで/スユチョンの監督

ホン・サンス

原題
수유천/By the Stream
公式サイト
https://mimosafilms.com/gekkan-hongsangsoo/
製作年
2024年
製作国・地域
韓国
上映時間
111分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ミモザフィルムズ

『小川のほとりで/スユチョン』に投稿された感想・評価

kuu
3.8
『小川のほとりで / スユチョン 』
原題または英題 수유천 / By the Stream
製作年 2024年。上映時間 111分
映倫区分 G 製作国 韓国

韓国の名匠ホン・サンスが、ソウルの女子大学を舞台に演劇祭をめぐる学生と大人たちの恋愛模様を描いた群像劇。

画面を流れる水は、激しく岩を穿つ奔流ではない。
都会の片隅をそっと進む細い水脈。
ホン・サンス監督が紡いだ『小川のほとりで』は、ささやかな緩流に、人間の生を映し出すポートレート。
日常という名の、代わり映えのしない、けれど二度とは戻らない時間の堆積。
その愛おしさと滑稽さが、秋の光に透かされて美しくきらめいている。
  
物語は驚くほどシンプルで親密でした。
女子大学で美術を教えるチョニムは、あるトラブルをきっかけに、長年疎遠やった叔父のシオンを大学の演劇祭の演出家として招き入れる。
かつて名を馳せたものの、今は地方でひっそりと書店を営む風変わりな叔父。
彼らの再会に、シオンの熱烈なファンである同僚の教授が加わることで、静かだった水面に思いがけない波紋が広がり始める。
 
アンサンブルを支える顔ぶれは、まるで古い友人の集まりのよう。
チョニムを演じるキム・ミニは、余計な装飾を削ぎ落とした透明な佇まいで、ロカルノ国際映画祭の最優秀演技賞を手中に収めた。
クォン・ヘヒョ演じる叔父は、人生の苦みと可笑しみを深い皺の間に滲ませ、チョ・ユニの存在が作中に絶妙な軽やかさをもたらす。この三人が食卓を囲み、酒を酌み交わすとき、映画はあるひとつの季節そのものへと変化していく。
 
今作興味深いんは、チョニムが手掛ける織物のモチーフが、そのまま映画の構造と重なり合っている点で、縦糸と横糸が規則正しく交差するよに、この映画もまた、似たような会話と景色の反復によって編み上げられています。
さらに、学生たちが演じる劇中劇には、歴史や社会的な抑圧といった重厚な影が忍ばされており、これが監督自身の映画作りに対する密やかな批評としても機能していた。
 
この映画の背景には、表現することへの尽きない思索が横たわります。
チョニムが毎日小川のほとりでパターンをスケッチするよに、誰もが、自分の生という舞台を即興で演出している。
時代のメインストリームから外れたよな人々が、ただそこに集い、語らう。
それは現代社会に対する、静かなるアジジテーションのようでもありました。
 
今作品は哲学者アンリ・ベルクソンが説いた純粋持続、つまり細切れにできない地続きの時間そのものの映画化だと思います。
時計が刻む記号じゃなく、誰かと過ごす中で伸び縮みする主観的な時間。
水が器の形に従うように、我々もまた、対面する相手によって少しずつ異なる自分を演じ分けているんやと、映画は教えてくれます。
 
この映画が提示する景色はどこまでも潔い。
作中、語られる何もないという言の葉は、虚無ではなく、すべての執着から解き放たれた豊かさの裏返し。
小川のせせらぎに耳を澄ませるとき、自分という存在もまた絶え間なく移り変わる世界の一部なのだと気づかされる。
ただ流れに身を任せ、今という季節を慈しむこと。
それだけで、人生は十分に美しい。。。


演劇祭が間近に迫ったソウルの女子大学。講師として働くテキスタイルアーティストのジョニムは、校内で起きた恋愛スキャンダルの穴埋めをするため、有名俳優で舞台演出も手がける叔父シオンを臨時の演出家として招く。演劇祭に向けて寸劇作りが始まるが、学生たちの恋愛事件の余波や、先輩の大学教授とシオンとの新たな恋の予感など、10日の間にさまざまな出来事が起こる。

ホン・サンス監督の公私にわたるパートナーである俳優キム・ミニがジョニム役で主演を務め、2024年・第77回ロカルノ国際映画祭で最優秀演技賞を受賞。共演にもホン・サンス監督作の常連俳優が集結し、ジョニムの叔父シオンを「WALK UP」のクォン・ヘヒョ、シオンを慕う大学教授を「あなたの顔の前に」のチョ・ユニ、三股をかけてクビになった演出家を「旅人の必需品」のハ・ソングクがそれぞれ演じた。日本では、2024年・第25回東京フィルメックスでは「スユチョン」のタイトルで上映。ホン・サンス監督のデビュー30周年を記念して5カ月連続で新作を上映する企画「月刊ホン・サンス」の第2弾作品として2025年に劇場公開。
4.2
 ホン・サンスの公式的には前作となる『WALK UP』はもう何から何まで無理な映画で、個人的にはこれまで観たホン・サンス作品の中でワーストだと思っている。アパートの階段を昇る度に、キャストたちの関係性がリセットされるというアイデアそのものがもう無理で、おそらくカンタン・デュピューの『地下室のヘンな穴』辺りにインスパイアされたであろうどうしようもない小品で、書いた批評すらアップしていない(アップする気もない)。その後の『水の中で』は全編ピンボケの変な映画で、続く『イン・アワ・ディ』は英語字幕のみで金だけは取るという狂った鑑賞方法で観たのだが、独特のワビサビとアイロニーは確かにあった。然しながらそれらの映画は日本では公式に上映になっていない。おそらく配給側もこれでは上映できるレベルにはないという判断なのだろうが、ある種それは正しい。然しながら近年公開になった『小説家の映画』も『WALK UP』も劇場公開出来るクオリティにあったとはとても思えない。私が最後にホン・サンス作品で傑作だと思ったのは、2020年の『あなたの顔の前に』まで遡る。正直言ってホン・サンスのヘタウマな世界は飽きてしまったというのが本音である。すると今回の丸の内TOEIの上映前にロビーでは、見たことのないご婦人が大声で「私はホン・サンスの映画はもう卒業したわ」と話していてデジャブだと思った。あなたと私は同類です。

 然しながら今作を嫌々ながら観て考えを改めた。今作は『あなたの顔の前に』以来の傑作である。ソウルの女子大学をベースにした映画は、かつての有名俳優であるチュ・シオン(クォン・ヘヒョ)の姪っ子で大学講師のジョンイム(キム・ミニ)が演劇の演出のオファーを掛けるところから始まる。そうしてこの地にやって来たシオンは、すっかり大人になったジョンイムの姿に感銘を受けつつも、ジョンイムの拗らせた人間関係に不安を隠せない。気付くとここにはまたしてもハ・ソングクが登場する。通行証を返す返さないのやりとりは捧腹絶倒で、会場から爆笑が漏れた。大学で講師をするジョンイムの上司に『それから』以降のホン・サンス作品には欠かせない存在になったチョ・ユニが登場し、またしても『WALK UP』とコインの裏表のような関係には嫌な予感を持つが、今作ではクォン・ヘヒョのスッとぼけた味わいが何とも絶妙な空気を醸し出している。ジョンイムもジョンイムだが、シオンもシオンで、要は抗えない血による男と女ののっぴきならない緊張感だけがそこに存在するのだ。のっぴきならない男女の三角関係こそが主軸だが、今作には4人の若い大学生が新味として登場する。その朧げな触感ははぁ、ホン・サンスも遂に濱口竜介を観てしまったのねと。おそらく濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』か『親密さ』辺りに触発された雰囲気がプンプン漂う。家内制手工業で、全てを自分の手でやり始めたホン・サンスはモノクロよりも断然カラーが凄い。あの緑の色味が心底ローファイで堪らない。
440
4.1
ビール一杯のアルコールが1時間30分で抜ける訳ないw

年の瀬からとんでもない特集を組んでくれたもんだよミモザフィルムズ。
「月刊ホン・サンス」なんつう何とも鑑賞欲をかき立てるプログラム。
しかも溜まっていた新作を一挙5作品も観れちゃう贅沢極まりないひと時を毎月味わえるとは…。
しかし1作目だった「旅人の必需品」を予定が合わず鑑賞出来ませんでしたが、キム・ミニ&クォン・ヘヒョ主演となっちゃ予定をこじ開けてでも行かなあかんやつだと思いましたので、今作から参戦させて頂きました。

女子大の講師として働くジョニムは学内で開催される演劇大会に参加するため、生徒たちと準備をしていた。
しかし、演出をしていた男と生徒たちの間で恋愛の揉め事が起こってしまい、その男性と生徒3人が不参加となってしまう。
困ったジョニムは俳優で舞台演出も行っている叔父のシオンに臨時で演出を頼み、残された4人の生徒たちと共に10日間の舞台準備が始まるというお話。

今回は思ったより自虐ネタがなかったものの、会話、お酒、浮気、タバコ、会話中のズームイン、謎の行動といういつも通りの武器で勝負されてました。
ここまで来ると「待ってました!」と画面に向かって声をかけたくなるくらいの高揚感。
この様式美に魅せられてしまったからもう止められない。
ホン・サンス作品の中では今作ちょっと長めではありますが、居心地の悪さや笑っちゃうシーンが満載で序盤から俺にはたまらない展開でしたね。

まずはジョニムがお世話になっている大学教授ウンニョルとの会話シーン。
そもそもウンニョル教授役のチョ・ユニさんと叔父シオン役のクォン・ヘヒョさんは実際に夫婦ってのでもう面白い。
キム・ミニの居心地悪そうな演技がどれもツボで心をガッチリ掴まれました。
その後、3股をかけていた演出の男とジョニムとの会話はこれぞっていうホン・サンス節で笑った。

映画としてこの作品は作られた劇中劇もしっかり見せてくれるし、その後女子大生たちの語りシーンもグッときて他の作品よりも濃厚な気がします。

また、映画として盛り上がりそうな場面(三股男と女子大生のバトルや演劇後の校長とジョニムの会話シーン)をわざと描いていない感じも作品の空気感を壊さず、見手が妄想で楽しめるようにしているあたりも流石だなぁと思いました。
このバランスが神なんだよな。

今回のキム・ミニもお美しくて、困り顔にうっとりでした。
落ち葉でパタパタする所がベストシーン。

そして次はピンボケ映画でしょ。
またすげぇ世界に連れてってくれるんだろうなぁ。
来月もめちゃくちゃ楽しみです。

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