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スユチョン
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目次

スユチョンの作品紹介

スユチョンのあらすじ

ソウルの女子美術大学を舞台にしたこの映画は、もうそれほど若くはない大学講師のジョンイムが、かつてはその分野で有名だった叔父のチュ・シオンに大学の演劇祭で学部の学生たちの寸劇を演出させようと大学に招へいするところから始まる。演劇祭への準備が始まり、その過程でシオンはジョンイムの上司で彼の大ファンである女性教授チョンと親しくなっていく……。本作は『A Traveler’s Needs(英題)』に続く今年2作目のホン・サンス監督作品。登場人物たちが食事をし、酒を酌み交わす場面で重要なことが示唆されることが多いホン作品だが、この作品もその例に漏れず、川沿いにある鰻料理店で多くの進展や転回が起こる(また、川沿いの店ではないが、演劇祭の打ち上げの席で学生たちが独白する場面は不意に訪れる感動的なシーンだ)。ジョンイムは織機で繊細なパターンの織物を作る新進の芸術家であり、そのことがこの作品の主題の一つである演劇の考察と共に、作品にもう一つのレイヤーを与えている。ロカルノ映画祭のコンペティション部門で上映され、主演のキム・ミニが最優秀演技賞を受賞した。

スユチョンの監督

ホン・サンス

原題
수유천/By the Stream
製作年
2024年
製作国
韓国
上映時間
111分

『スユチョン』に投稿された感想・評価

4.2
 ホン・サンスの公式的には前作となる『WALK UP』はもう何から何まで無理な映画で、個人的にはこれまで観たホン・サンス作品の中でワーストだと思っている。アパートの階段を昇る度に、キャストたちの関係性がリセットされるというアイデアそのものがもう無理で、おそらくカンタン・デュピューの『地下室のヘンな穴』辺りにインスパイアされたであろうどうしようもない小品で、書いた批評すらアップしていない(アップする気もない)。その後の『水の中で』は全編ピンボケの変な映画で、続く『イン・アワ・ディ』は英語字幕のみで金だけは取るという狂った鑑賞方法で観たのだが、独特のワビサビとアイロニーは確かにあった。然しながらそれらの映画は日本では公式に上映になっていない。おそらく配給側もこれでは上映できるレベルにはないという判断なのだろうが、ある種それは正しい。然しながら近年公開になった『小説家の映画』も『WALK UP』も劇場公開出来るクオリティにあったとはとても思えない。私が最後にホン・サンス作品で傑作だと思ったのは、2020年の『あなたの顔の前に』まで遡る。正直言ってホン・サンスのヘタウマな世界は飽きてしまったというのが本音である。すると今回の丸の内TOEIの上映前にロビーでは、見たことのないご婦人が大声で「私はホン・サンスの映画はもう卒業したわ」と話していてデジャブだと思った。あなたと私は同類です。

 然しながら今作を嫌々ながら観て考えを改めた。今作は『あなたの顔の前に』以来の傑作である。ソウルの女子大学をベースにした映画は、かつての有名俳優であるチュ・シオン(クォン・ヘヒョ)の姪っ子で大学講師のジョンイム(キム・ミニ)が演劇の演出のオファーを掛けるところから始まる。そうしてこの地にやって来たシオンは、すっかり大人になったジョンイムの姿に感銘を受けつつも、ジョンイムの拗らせた人間関係に不安を隠せない。気付くとここにはまたしてもハ・ソングクが登場する。通行証を返す返さないのやりとりは捧腹絶倒で、会場から爆笑が漏れた。大学で講師をするジョンイムの上司に『それから』以降のホン・サンス作品には欠かせない存在になったチョ・ユニが登場し、またしても『WALK UP』とコインの裏表のような関係には嫌な予感を持つが、今作ではクォン・ヘヒョのスッとぼけた味わいが何とも絶妙な空気を醸し出している。ジョンイムもジョンイムだが、シオンもシオンで、要は抗えない血による男と女ののっぴきならない緊張感だけがそこに存在するのだ。のっぴきならない男女の三角関係こそが主軸だが、今作には4人の若い大学生が新味として登場する。その朧げな触感ははぁ、ホン・サンスも遂に濱口竜介を観てしまったのねと。おそらく濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』か『親密さ』辺りに触発された雰囲気がプンプン漂う。家内制手工業で、全てを自分の手でやり始めたホン・サンスはモノクロよりも断然カラーが凄い。あの緑の色味が心底ローファイで堪らない。
たむ
4.0
東京フィルメックスのクロージングはホン・サンス監督作品です。
いつもの感じと言えば感じなのですが、いつも以上に映像が、荒い。
古いデジタル作品を観ているような、学生映画か自主製作のような映像のルックです。
今回もカメラが動かない長回し、会話劇で、男女の関係を描きます。
相変わらずどうしようもない方々が出てきます。
芸術に関わっている方々はみんなこんな感じなのか、とホン・サンス監督作品を観るたびに思いますが、このろくでもなさがクセになるわけです。
作家性というのは面白いものですね。
Nove
4.0
ホン・サンスの基本的な作りに変わりはないが、新たな要素もいくつか感じる。
秋の大学の美しい景観、小川の岸辺でのひと時、そしてその先に通じる漢江。
場所と時代を繋ぐ、時空を越えた世界を創り出す小川のせせらぎは、キム・ミニを通して表現される。
この時を経て、芸術家に出来ることとは何か。
今言わなければならないことを、忘れてはならない。

第25回東京フィルメックス2024
クロージング作品

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