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『レターズ・ホーム』に投稿された感想・評価

reb
3.2
「フランス映画と女たち2026 デルフィーヌ•セリッグをめぐって」日仏学院で鑑賞。

アメリカの詩人シルヴィア•プラスが、母オーレリアに宛てた696通の手紙をもとにした舞台を、シャンタル•アケルマンが映画化。
母をデルフィーヌ•セリッグが演じ、姪のコラリー•セリッグが娘を演じる。

プラスは成人してからの大半をうつ病に苦しみ自殺未遂を繰り返し、30歳の時睡眠薬をオーバードーズしてガスオーブンの中に頭を入れ、一酸化炭素中毒で亡くなる。

手紙を朗読し合うプラス母娘はとても親密な関係で、母の期待に応えようとする娘と、娘の輝かしい成功を我がことのように喜びもう一度人生を生き直す母。
2人の境界線は曖昧になり、共生関係のようになっていく。

顔立ちはあまり似ていないが、セリッグと姪の104分のコラボは素晴らしく、目が離せなかった。

そして同時期に撮られたアケルマンの「家からの手紙」を思い起こさせる。
そこには親子という関係を超えた深いつながりと束縛を感じるが、それが創作の糧となっていたのは間違いないだろう。

本作の39年後、アケルマンもまた自ら命を絶ってしまう。
才能に溢れながらも女性として社会的立場や抑圧と戦い、そして死を選んでしまったことは、なんとも口惜しい。
未見のアケルマンの作品だったがYouTubeにて発見。1986年テレビ用の舞台記録として制作されたとのこと。名作「家からの手紙」と混同されやすい(レビューもちらほら?)
詩人のシルヴィア・ブラスが、アケルマンの大学時代から30までの自殺するまで母親へと宛てた手紙をベースにしたストーリー。母と娘の掛け合いのような物語が手紙を通して、饒舌に演じられていくインスタレーション。
個人的にはYouTubeの難解な訳に翻弄されたが、アケルマンの心の内を可視化することに本作の意義がある。デュラスに負けず劣らずの激しさを感じた。このアプリにはない1996年作品の「シャンタルアケルマンによるシャンタルアケルマン」という彼女の独白形式のドキュメントと併せてみると興味深かった。
文鳥
3.6
母から娘に向けた手紙が延々と読まれていく。そこに映るのは街並みや鉄道、バスや車からの景色など誰かがどこまでもどこかに移動している。遠くに住んでいる娘に会いたいが、なかなか帰って来ず、手紙の返事だってろくに返さない(そんなこともない)。そんな母の憤りと、その文章から読める娘の母に対する態度と思想は映画的な余白でしかない。街の中で遭遇する人々はやっぱりみんなカメラに対して何かアクションを起こす。笑ったり、怪訝な顔で見返したり。そんな中で地下鉄で女の姿がうっすらと見えた時に、私は「ああ、これが娘か」と、ぼんやりとした像にさまざまな思いを勝手に馳せた。最後は街から離れて船に乗り、どこまでも遠くに去っていくのだった。映るのは遠ざかる街と、かもめたち。素晴らしかった。

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