観たのは5作目でしたが、トリュフォーはやっぱり合わないです。今まで面白いと思ったのはありませんでした。今回も印象に残ったのは美しい海辺の家の風景くらいでした。

フランス人青年とイギリス人姉妹の三角関係の恋を描いたラブストーリー。　
ジャン＝ピエール・レオが主演、キカ・マーカムとステイシー・テンデターがWヒロインを演じ、シルビア・マリオットらが共演。　
監督兼脚本はヌーベルバーグを代表するフランソワ・トリュフォーで、原作はアンリ＝ピエール・ロシェの小説”二人の英国女性と大陸”。　

パリに住むフランス人青年クロード（ジャン＝ピエール・レオ）は、母の友人の娘である英国人のアン（キカ・マーカム）に誘われ、英国の海辺に建つ一軒家のアンの実家で過ごすことになる。
クロードはそこで、アンの妹で眼が悪いミュリエル（ステイシー・テンデター）と彼女たちの母親の三人の女性に囲まれて生活していくうちに、ミュリエルと恋に落ちる。
クロードとミュリエルの母親たちは、二人が1年間会わずに、それでも愛し合っていたら仲を認めることになり、クロードはフランスに戻るが…

大陸のフランスと島国の隣国・英国が、近いようでドーバー海峡で隔てられているように、一人のフランス人青年と二人の英国人姉妹たちの微妙な関係が描かれている。
クロードと姉妹のそれぞれの母親たちも、クロードたちの恋に介入して絡んでくる。
四人の女性に翻弄されるクロードの恋。
姉妹の心情の変化も興味深い。
二転三転する恋の行方....
果たしてクロードと彼女たちの関係は如何に？　
「これが僕か　老人みたいだ」　

2023.2　地上派 TOKYO MX TV２ で鑑賞（字幕）　

• #左脚の障害と松葉杖
• #目が悪い妹
• #眼帯と黒メガネ
• #日記
• #彫刻
• #妹の幼女時代からの悪い習癖
• #カレーの港
• #結核
• #日曜学校の教師

【揺れ動いていた恋愛観】

この作品は、公開当初は評価が低かったらしい。また、特定の場面は批判でカットされることもあったらしい。

ただ、今回の「フランソワ・トリュフォーの冒険」での公開を観ても、僕には、その理由がよく分からない。

この作品は、読書をしてる…というか、朗読を聞いている感じだ。

回想だし、原作もあって、主人公が最後に、このストーリーについて本を出版するということになっているので、それは当然といえば当然かもしれない。

主人公のクロードは、「大人は判ってくれない」シリーズのアントワーヌ・ドワネルを20年近くにわたって演じたジャン=ピエール・レオだ。

この作品で興味深いのは展開だ。

フランス人とイギリス人の気質から始まって、次にアンとミュリエル姉妹の対比、クロードと2人の姉妹との恋愛模様もそうだが、アンが行動的で自分の行動については秘密主義なところに対して、ミュリエルが一見貞操観念が強そうなのに実は性欲が強いこと、そして、それを率直に打ち明けるところは真逆な感じで対比に対するフレーバーも移り変わっていく。
クロードと姉妹の母親の対比もあるが、実はそれぞれの国の古い因習に縛られているところは同じだったりもする。

男女の恋愛や家との関係についての価値観が大きく揺らいでいた時代の物語だと思うが、結婚、国際結婚、自由恋愛、別離、女性の性欲、処女の喪失、子供など、様々な問題や出来事が散りばめられて飽きさせることはない。

僕は面白かった。