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アリサカのbackpackerのレビュー・感想・評価

アリサカ(2021年製作の映画)
3.0
第34回 東京国際映画祭 鑑賞13作目

2021年のTIFFにて鑑賞したフィリピン映画その2。以前のTIFFで『バードショット』を鑑賞し、同じ監督さんの作品とのことで楽しみにしていましたが、正直あまりハマらず。

バイオレンス度合いでいえば、フィリピン作品3作のうち一番でしたが、クライマックスに至るまでの道中についてはどうもあまりに現実離れの感が拭えないところも多々ありました。
旧日本軍の蛮行"バターン死の行軍"は、日本人なら当然知っている直視し難い出来事ですが、現地の現在の姿を少しでも見ることができた、これは貴重な機会となりました。
そんな旧日本軍の行った歴史や、フィリピン原住民に対する非道で不当な扱い等の現在、それらの複合的歴史が堆積していることを伝えたい、という監督の志は理解しておきますが、いかんせんやっぱり話自体がそこまで面白くない……。

なお、本作タイトル『アリサカ』とは、作中主人公の女性警官マリアーノが、洞窟で見つけた旧日本兵の遺体から拝借した有坂銃のこと。有坂銃は、有名な三八式歩兵銃等の派生元のライフルで、結構世界中で使われたりしています。
しかし、戦後70年異常洞窟に放置されていたライフルと弾で、女性警官が遠距離スナイプするって、荒唐無稽すぎるのでは……。
人体破損描写の痛々しさは今年見た中では一番でしたので、その一点を持って記憶に残ることは間違いない作品でした。
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