このレビューはネタバレを含みます
土俗的で閉鎖的な島で繰り広げられる、静かで激しいエゴイズムのぶつけ合い。
視野の狭すぎるふたりの男の、なぜそこまでこだわるのかわからない意地の張り合いの先に待ち受けるものは何か。
ほのかな狂気を含んだ幻想的な雰囲気がいい感じ。
静かな雰囲気作品ながら、つかみ十分な始まりからラストまで一気に見せる傑作。
主人公は理解者の妹やアホだけど友達になってくれる奴がいるのに、絶縁宣言した友人にひたすらこだわり続けるし、
友人側はやりたいことがあるなら主人公の妹みたいに島を出ればいいのに、指をケジメしてまで島に残り主人公を絶縁し続ける。
視野の狭い人間を痛烈に皮肉った感じの作品。
一時休戦となりながらもまたいつ意地の張り合いを始めるかわからないラストには、ある種の諦観さえも感じた。