MasaichiYaguchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 110ページ目

MasaichiYaguchi

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マネーモンスター(2016年製作の映画)

3.8

犯罪自体が恰も演劇やドラマの一部であるかのような犯罪のことを「劇場型犯罪」と呼ぶが、財テクバラエティ番組で、突然スタジオに侵入した男によって司会者が人質に取られ、番組がジャックされるのを描く本作は正に>>続きを読む

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店(2015年製作の映画)

3.6

タイトルの「奇妙な代理店」で取り扱っているのは“人生一度限りの旅”。
ただこの“旅”は片道切符で、目的地は彼の世。
だから、この“旅行”代理店の名称は如何にもの“ELYSIUM”(死後の楽園)。
考え
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東京ボーイズコレクション エピソード1(2016年製作の映画)

2.8

日本最大の男性ファッションショー「東京ボーイズコレクション」を題材にした本作では、芸能界に一歩踏み出した若者の姿を、恋や家族愛を織り交ぜた青春物として描いている。
主演の西村一輝さんは、同イベントで行
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デッドプール(2016年製作の映画)

4.2

思わず上映終了後、「デッドプール、最高!」と叫びたくなった。
今年前半、DCコミックスのヒーロー物や、マーベル・コミックの代表的シリーズも公開されたが、これ程笑って、胸がすく作品はない。
DCコミック
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太陽の蓋(2016年製作の映画)

4.0

東日本大震災から5年経ち、今年この地震に匹敵するようなマグニチュード6.4の熊本地震が起こったりして、正直、福島第一原発事故を含めて関心や意識が薄れがちだった。
だが、本作を鑑賞して、人災の要因も大き
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白鳥麗子でございます! THE MOVIE(2016年製作の映画)

2.3

20年振りに実写ドラマ化、映画化された本作を観ると、日本中が熱に浮かれたようなバブル時代が思い出された。
原作である鈴木由美子さんの漫画がヒットしたり、それを受けて鈴木保奈美さん主演でテレビドラマ版が
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ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出(2015年製作の映画)

3.7

「英国王のスピーチ」にはもう一つのドラマがあった。
1945年5月8日、6年間続いた第二次世界大戦が終わったことを祝うヨーロッパ戦勝記念日のこの夜、父・国王ジョージ6世の許しを得たエリザベス王女とマー
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オオカミ少女と黒王子(2016年製作の映画)

3.2

「嘘から出たまこと」という言葉があるが、本作では嘘から始まった恋が本物になるかどうかを、時にコミカルに、時に切なく描いていく。
ヒロイン・篠原エリカを演じるのは、若手演技派女優で様々な作品に引っ張り凧
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.0

現代家族を鋭く、そして温かく見詰め続けている是枝裕和監督最新作は、監督が長年住んでいた団地を舞台に、“なりたかった大人”になれなかった主人公を中心に家族の物語を紡いでいく。
15年前に文学賞を受賞した
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高台家の人々(2016年製作の映画)

3.4

森本梢子さんの漫画原作を実写映画化した本作は、口下手で不器用なヒロイン・平野木絵をやや天然な綾瀬はるかさんが“はまり役”で演じていて、最初から最後まで楽しませてくれる。
この平野木絵が思い浮かべる妄想
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サウスポー(2015年製作の映画)

3.8

プロボクサーのビリー・ホープを主人公とした本作だが、彼のボクシングは右構えのオーソドックスなものなのに、何故タイトルが「サウスポー」なのか?
その訳は、感動ともカタルシスとも言っていい終盤での展開で明
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裸足の季節(2015年製作の映画)

4.1

自然光溢れる中、美しい5人姉妹の日々が瑞々しいタッチで描かれていく。
冒頭の姉妹らの若さ弾けるシーンから一転して、彼女らは因習や封建的な考え方に搦め取られて自由を失っていく。
本作は北トルコの村を舞台
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殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

3.7

予告編やポスターやチラシ、「実は実話です」というキャッチコピーから受ける印象で時代劇コメディという先入観を抱いていたが、磯田道史さんによる評伝「無私の日本人」の中の一編を映画化した本作は、至って真面目>>続きを読む

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)

3.5

ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の最新作は、1950年代のハリウッドを舞台に、映画を生み出す「夢の工場」の舞台裏をエンターテインメント一杯に描き出す。
映画は「ヘイル、シーザー!」という歴史スペクタク
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シマウマ(2016年製作の映画)

3.3

決して口当たりの良い作品ではない。
激辛というか、口の中が切れてザラザラと鉄の味がする。
この作品で描かれるのは“回収屋”。
一般に回収屋というと、古新聞や古雑誌、不用となった家電品やパソコン、オート
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エンド・オブ・キングダム(2016年製作の映画)

2.7

アメリカ大統領専属のシークレットサービスである主人公マイク・バニングとテロリストとの息詰まる攻防を描いてヒットした「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編にあたる本作では、舞台をホワイトハウスからロンド>>続きを読む

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.5

タイトルといい、ヒロイン皆川七瀬のアカウントネームがカンパネルラだったり、映画の後半からの世界観にしても、本作は、原作・脚本・監督を担当した岩井俊二さんによる現代のおとぎ話だと思う。
主演の黒木華さん
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カルテル・ランド(2015年製作の映画)

3.8

このところ「エスコバル/楽園の掟」、「ボーダーライン」というメキシコ麻薬戦争を取り上げた映画が立て続けに公開されているが、その最前線をドキュメントした本作は、これらの劇映画以上に内容が過激で衝撃的だ。>>続きを読む

地中海(2015年製作の映画)

3.3

イタリア映画祭2016にて鑑賞。
近年、内戦や紛争を逃れる為や働き口とより良い生活を求めて、数多くのアフリカ人が危険を顧みずにヨーロッパを目指して地中海を渡っていくのが国際ニュースになっているが、本作
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スキャナー 記憶のカケラをよむ男(2016年製作の映画)

2.6

「ALWAYS三丁目の夕日」、「探偵はBARにいる」の人気脚本家・古沢良太さんによるオリジナル作品で、主人公を当て書きされた野村萬斎さんが主演、そして監督が金子修介さんだと、どうしても作品に対する期待>>続きを読む

孤独のススメ(2013年製作の映画)

3.9

終盤の“This is my Life”の曲と共に感動が一気に押し寄せてくる。
そして青空に聳えるマッターホルンを仰ぎ見る幕切れに何とも言えない余韻が残った。
この作品の舞台は信仰篤いオランダの田舎町
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ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.9

「かるた」と言うとお正月にやるもの、競技かるたは差しの勝負の世界、こういう概念が、前作と本作を観て根底から覆った。
そもそも高校に競技かるた部が存在することも前作で初めて知った。
そして書道部や茶道部
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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

4.0

現在、「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」が公開中だが、原作がDCコミックスとマーベルコミックス、内容がタイマンとチーム戦との違いはあるが、奇しくも本作と同じテーマでヒーロー同士のガチン>>続きを読む

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)

3.7

横山秀夫さんの長編ミステリー小説を、主演の佐藤浩市さんをはじめ、綾野剛さん、榮倉奈々さん、瑛太さん、夏川結衣さん、三浦友和さん、奥田瑛二さん、仲村トオルさん等の豪華キャストで映画化。
本作では、僅か1
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世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)

3.8

エンドロールが流れても席を立つ人がいないという試写会を久し振りに経験した。
川村元気さんのベストセラー小説を、佐藤健さん、宮崎あおいさん共演で映画化した本作は、観終わった後に心に沁みるような余韻が残る
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.3

2001年に本作監督フランシス・フォード・コッポラによる「特別完全版」も観ているが、1980年公開のオリジナル・ヴァージョンを鑑賞するのは実に36年振り。
当時大学1年生だった私は、ドアーズの名曲「ジ
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.5

ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作は、可愛いウサギのヒロインをはじめとして魅力的な動物たちが多数登場するので、日本語吹替版上映の劇場は小さな子供連れの家族で一杯。
勿論ディズニー作品なので、
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.6

「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の花沢健吾さんの人気コミックを、大泉洋さん主演、有村架純さん、長澤まさみさん共演で、韓国で大規模なロケを行ったりしてスケール大きく映画化している。
主人公・鈴木英雄
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.9

原題“SICARIO”はスペイン語で「殺し屋」を意味する。
アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争を描く本作において「殺し屋」とは何を意味し、誰を指すのか。
それは本作のテーマと共に怒涛
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アイヒマン・ショー/歴史を写した男たち(2015年製作の映画)

3.8

余りにも日常的で意識することもないテレビだが、本作を観て、その存在意義や力を改めて見直した。
本作は、元ナチス親衛隊将校で、「ユダヤ人問題最終的解決」に関与し、6百万ものユダヤ人を死に至らしめたアドル
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モヒカン故郷に帰る(2016年製作の映画)

4.0

サプライズで沖田修一監督、吹奏楽部員役で出演した富田望生さんと小柴亮太さんの舞台挨拶のあった上映回で鑑賞。
この舞台挨拶から伝わって来たほのぼのとした温もりそのままに、瀬戸内海に浮かぶ島を舞台にした家
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花、香る歌(2016年製作の映画)

3.8

実在のチン・チェソンの人生を描いた本作では、朝鮮の伝統的民族芸能である「パンソリ」」がモチーフになっている。
「パンソリ」は、歌い手が太鼓を打つ人の拍子に合わせ、歌や台詞、身振りを織り交ぜて物語を演じ
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ハロルドが笑う その日まで(2014年製作の映画)

3.5

北欧を舞台に展開する本作では対照的な二つのものが向き合っている。
ノルウェーの街オサネに40年以上ある小さな家具店と、最近その近くに進出してきた世界中で展開する大きな家具チェーン店「IKEA」。
そし
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君がくれたグッドライフ(2014年製作の映画)

3.7

「人生は旅」と言われるけれど、人力によって移動する自転車の旅を描いた本作を観ると、改めてそう思う。
本作で自転車の旅をするのは、主人公ハンネスとその妻キキ、弟のフィンや古くからの親友たち。
彼らは年に
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更年奇的な彼女(2014年製作の映画)

3.8

「猟奇的な彼女」、「僕の彼女はサイボーグ」に続くクァク・ジェヨン監督の最新作にして「彼女シリーズ三部作」完結編は、ど真ん中直球の純愛ラブコメディ。
結婚直前で破談したショックとストレスで若年性更年期障
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.0

実話に基づくマイケル・パンクの小説を映画化した本作では、狩猟の旅の途中で瀕死の重傷を負ったハンターのサバイバルと復讐が、厳しいながらも美しい大自然を舞台に繰り広げられていく。
アメリカの西部開拓時代を
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