MasaichiYaguchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 111ページ目

MasaichiYaguchi

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サウルの息子(2015年製作の映画)

4.0

アウシュビッツ解放70周年を記念して製作され、第68回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いたこのハンガリー映画は、今までとは違ったアングルから強制収容所を描いている。
先ずこの手の作品で取り上げられるこ
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.9

「触らぬ神に祟りなし」とか、「君子は危うきに近寄らず」という言葉があるが、人は恐いもの見たさの衝動を抑えられないし、更にはそれが危ういものだと知らず近寄ってしまう。
小野不由美さんの山本周五郎賞受賞の
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ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

4.0

主義主張、民族や宗教の違いで人は争い、そして時にそれは戦争に発展する。
この作品では、スリランカの人口の大半を占めるシンハラ人と少数派タミル人との対立に端を発した内戦によって家族を失った主人公ディーパ
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ドリーム ホーム 99%を操る男たち(2014年製作の映画)

3.5

2008年のリーマン・ショック後にアメリカで起きた「サブプライムローン」返済不能による自宅差し押さえが社会問題化したのを、当時、対岸の火事のように海外ニュースで見ていた記憶がある。
ニュースでは伝わっ
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ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)

3.3

「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるが、アメリカのサウスボストンを舞台に展開されるクライム・サスペンスでは、、犯罪を取り締まる側とされる側、FBI、政治家、ギャングという敵対関係の3者が結託し、>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

4.0

地球から2億2530万キロ離れた火星に取り残され、酸素ほとんど無し、水無し、地球との通信手段無しという無い無い尽くしの中で独りぼっちでサバイバルする主人公を描く本作は、本来なら悲壮感が漂いそうなものだ>>続きを読む

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

4.0

映画はひと時、普通の人が簡単に行けないような宇宙や深海、最高峰に連れていってくれたり、未来や過去にタイムスリップさせてくれる。
本作では2001年のアメリカ同時多発テロで崩壊してしまったニューヨークの
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キャロル(2015年製作の映画)

4.0

欧米では既に同性婚を認めている国が幾つかあるが、日本では東京の渋谷区と世田谷区が同性カップルに結婚に相当する「パートナーシップ」を認める証明書の交付を昨年11月から開始した。
本作のキャロル・エアード
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女が眠る時(2016年製作の映画)

3.0

主演のビートたけしさん、西島秀俊さん、忽那汐里さん、新井浩文さんの舞台挨拶があった特別試写会で鑑賞。
登壇したビートたけしさんをはじめとして本作について「難解」という発言があったが、映画の後半から現実
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の・ようなもの のようなもの(2015年製作の映画)

4.0

故・森田芳光監督の「の・ようなもの」の35年ぶりの続編には、監督への愛といっていいようなオマージュが一杯詰まっている。
先ずキャスティングにおいて、監督の遺作「僕達急行A列車で行こう」の主演の松本ケン
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バーバリアンズ セルビアの若きまなざし(2014年製作の映画)

3.0

小さな会場で行われた試写会では映写装置の不具合で何度も映像がストップしたり、途中映像が飛んだりしたりして問題だらけだった。
本作品に登場する主人公の青年ルカをはじめとした若者たちも夫々問題を抱えて鬱屈
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白鯨との闘い(2015年製作の映画)

3.5

ハーマン・メルヴィルの名作「白鯨」のモデルになった捕鯨船エセックス号に一体何が起こったのかを、ナサニエル・フィルブリックの全米図書賞ノンフィクション部門受賞作を原作に、クリス・ヘムズワース主演でロン・>>続きを読む

信長協奏曲(2015年製作の映画)

3.5

石井あゆみさんの原作コミックを連続テレビドラマ化した「信長協奏曲」の終幕がこの映画で描かれる。
織田信長の最期というと「本能寺の変」となる訳だが、サブローは死んでしまうのか、明智光秀や腹に一物ある羽柴
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パディントン(2014年製作の映画)

4.0

予告編やPRチラシから子供向け、ファミリー映画だとして本作を鑑賞対象から外してしまうのは惜しいと思う。
年の始め、イギリスからやって来たキュートなくまが活躍する本作は、年末年始の慌ただしさから一息つき
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シーズンズ 2万年の地球旅行(2015年製作の映画)

2.7

この手のネイチャードキュメンタリーを観て思うのは、どうやって撮影したのかということ。
「WATARIDORI」や「オーシャンズ」で驚異の映像を見せてくれたジャック・ペラン監督は、この映画では撮影技術を
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人生の約束(2016年製作の映画)

3.3

人は失ってみて初めて気付くことがある。
本作の主人公、IT企業のCEOで脇目も振らずがむしゃらに事業拡大してきた中原祐馬も元共同経営者で親友の塩谷航平の異変に始まる人生の変転で自分を見詰め直し、本当に
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.0

本作で描かれる、目覚めると外見が変わってしまう男との恋愛劇は、設定が奇想天外なゆえに一つ間違うと作品自体が破綻して茶番劇になってしまう。
そういうリスクを背負いながらも、登場人物たちの心の襞をなぞるよ
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最愛の子(2014年製作の映画)

4.0

今ではアメリカと比肩するぐらい超大国となった中国。
その発展の輝きが強ければ強い程、その闇は濃さを増す。
年間20万人の子供が行方不明になるという中国で実際に起きた誘拐事件を基に映画化された本作では、
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

4.5

「スター・ウォーズ」の大ファンであるJ.J.エイブラムス監督は、古くからのシリーズファンの期待を裏切らない。
映画のオープニングで私は早くも胸が熱くなってしまった。
旧3部作の続きを描く「エピソード7
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フランス組曲(2015年製作の映画)

3.8

終戦70周年の2015年、邦洋画共に先の大戦をテーマにした秀作が何本も公開された。
アウシュヴィッツで亡くなったユダヤ人作家イレーヌ・ネミロフスキー原作の小説を映画化した本作もそれらに連なる映画だと思
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

4.0

本作は米ソ冷戦時代に実際にあった歴史秘話をスティーヴン・スピルバーグ監督とトム・ハンクスのコンビで骨太な人間ドラマとして描く。
本作で題材となっているのは「スパイ交換」。
今年はスパイ物が何作品も公開
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クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.0

本作はタイトルで分かるように主役はロッキーではなく、シリーズファンなら誰でも知っている彼のライバルで親友、元ヘビー級チャンピオン、アポロ・クリードの息子を描いている。
だからスピンオフ映画だと思って観
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はなちゃんのみそ汁(2015年製作の映画)

4.0

本作は実話を元にした難病ものだが、共感や同情を引かせるような“不幸自慢”の演出もなく、とても“自然体”で或る家族の物語がユーモアを交えながら描かれていく。
主演の広末涼子さんと滝藤賢一さんが実在の安武
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映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年(2015年製作の映画)

3.7

本作に声優として出演した中川大志さん、劇団ひとりさん、ローラさん、パパイヤ鈴木さん、渡辺直美さんが舞台挨拶を行った完成披露試写会で鑑賞。
子供が2人共大人になってしまったので、ここ何年も観ていなかった
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桜ノ雨(2016年製作の映画)

2.0

森晴義(halyosy)さんが発表したボーカロイド楽曲がミリオンヒットし、その曲を元に執筆された小説を映画化した本作では合唱部に所属する若者たちの青春が展開する。
この手の青春物、恋愛物では複雑な家庭
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海難1890(2015年製作の映画)

3.7

本作を観るまで1890年に起きた「エルトゥールル号海難事故」や1985年の「テヘラン邦人救出劇」について知らなかった。
2部構成になっているこの映画では、前半で「エルトゥールル号」がやって来た理由やど
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orange(2015年製作の映画)

3.5

あの時ああすれば良かった、または逆にしなければああはならなかったと後悔することがある。
「後悔先に立たず」と言うけれど、もしやり直すことが出来たらと思う人は多いと思う。
高野苺さんの漫画原作を、NHK
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完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)

4.0

「代打ち」というのがあるが、ある人物の代理として、場合によっては組織や団体の代表の代わりとして麻雀、パチンコやパチスロ等の賭博を行う者のことを指す。
本作で描かれたチェスの世界王者に挑むアメリカ人の天
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アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

2.3

今年4月に106歳で他界したマノエル・ド・オリヴェイラ監督が101歳の時に撮った本作は、監督の彼岸の境地が反映されているのか観念的。
若くして亡くなった富豪の美しい娘の最後の写真を撮った青年が、その後
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杉原千畝(2015年製作の映画)

3.7

戦後70年の今年を締め括るように、第二次世界大戦下のリトアニアで、6000人ものユダヤ人の命を救った日本人外交官・杉原千畝の半生を描く作品が公開される。
「命のビザ」を発給した人物として過去に演劇やテ
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007 スペクター(2015年製作の映画)

4.0

“SPECTRE”というタイトルを見た古くからのシリーズファンは血が騒いだのではないかと思う。
「スペクター」は1971年「007ダイヤモンドは永遠に」以来44年振りであり、そして本作では主人公ジェー
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森のカフェ(2015年製作の映画)

3.3

本作では哲学、特にデカルトの「心身二元論」をモチーフに取り上げているが、小難しいことはなく、逆にオシャレで乙女チック、そしてユーモアが溢れていて肩の力を抜いて鑑賞することが出来る。
主人公の松岡哲司は
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母と暮せば(2015年製作の映画)

3.5

井上ひさしさんが広島を舞台にした戯曲「父と暮らせば」の対となる作品を実現しようとして果たせなかったのを、山田洋次監督がその遺志を継ぐように映画で結実した本作は、母・福原伸子役の吉永小百合さんと、その息>>続きを読む

ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション(2015年製作の映画)

3.7

スーザン・コリンズの小説「ハンガー・ゲーム」3部作をジェニファー・ローレンス主演で映画化したシリーズも本作で完結。
原作の最終作「ハンガー・ゲーム3マネシカケスの少女」を2部作にしたので全4作品という
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黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年製作の映画)

4.0

ジョージ・クルーニーが監督、脚本、出演、製作と4役こなした「ミケランジェロ・プロジェクト」が公開中だが、本作も第二次世界大戦中にナチスに略奪された絵画を巡る物語。
「ミケランジェロ・プロジェクト」では
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I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE(2015年製作の映画)

3.6

TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された舞台挨拶付き試写会で鑑賞。
本作の吹き替えで出演して舞台挨拶に登壇した鈴木福くん、芦田愛菜ちゃん、小林星蘭ちゃん、谷花音ちゃんの可愛さそのままに「ピーナッツ」の
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